北朝鮮 パク前大統領は「極刑」 引渡し要求

北朝鮮は、韓国のパク・クネ(朴槿恵)前大統領がキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長を狙った「国家テロ」を企てたと主張して「極刑に処す」と威嚇するとともに、パク前大統領の引き渡しを韓国政府に要求し、アメリカとの首脳会談を控えたムン・ジェイン(文在寅)政権に揺さぶりをかけるねらいがあると見られます。
北朝鮮は28日夜、秘密警察の国家保衛省や一般の警察にあたる人民保安省などによる連名の声明を国営メディアを通じて発表しました。

この中で韓国のパク・クネ前大統領がキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長を狙った「特大型の国家テロ」を企てたと主張して、パク前大統領を「極刑に処す」と威嚇しました。

その上で「事実上、交戦状態にある相手の指導部に対するテロ行為は軍事挑発の極みだ」と非難し、韓国政府に対してパク前大統領の引き渡しを要求しました。
そして「この要求を無視した場合、それが南北関係にどのような悪影響を及ぼすことになるかを南の当局は考えてみるべきだ」としています。

北朝鮮としては、6月29日と30日にアメリカのトランプ大統領との初めての首脳会談を控えたムン・ジェイン政権に揺さぶりをかけるとともに、キム委員長が狙われていたと発表することで国内の危機感を高め、体制の引き締めを図るねらいがあるとみられます。