iPhoneアプリ「たすくま」を使っている人にとっての課題の1つに、タスク毎に入力したメモをどのように活用するか、というものがあると思います。
一日分まとめてEvernoteに保存する機能はありますが、そうなると個別のタスクに付したメモは埋もれてしまいます。
かといって、すべてのメモが等しく重要、というわけではありません。
そうなると、その日のうちに、すでに入力したメモを読み返して、「これは後から何らかの形で活用できるかもしれない」という“見込み”のあるメモについては、個別にEvernoteに保存することが現実的な対策となります。
僕自身は1日に4回、「いま心の中にあることは?」という質問に答えています。目的は、その時点までの簡易なレビューを行うことと、記録をいったん整理するためです。
定時レビュー
問題は、この読み返しのタイミング。
僕自身は、試行錯誤を経て、以下のような方法で行っています。
- 1.一日に4回、「いま心にあることは?」という自問を促すリピートタスクを作っておく(10:00、13:25、18:40、21:30の4回)
- 2.それぞれの通知が来たら、その瞬間の自分の心境をメモ欄に書き込む
- 3.このタイミングで、その時点までのタスクを遡っていき、メモ欄に何か書き込まれているものがあれば個別にEvernoteに送信する(※)。
※例えば、13:30であれば、10:00~13:30の間のメモが対象
タスクをどんどん遡る際に、タスク詳細画面で下にスワイプすることで、カードをめくるようにタスクを過去(上)に向かって遡っていくことができます。
↑このあたりをフリックするのがおすすめ。スラッシュの左側の数字を撫でる感じ。
メモ欄のテキストメモや写真のタイムスタンプのうち最小のものがEvernoteのノート作成日付になりますので、送信するタイミングがばらばらでも、Evernote上にはメモをした日時に登録されます。
↓このあたりについては以下の記事で解説しています。
» たすくま バージョン1.1.9 の「Evernoteのノート作成時をメモの最小日時に設定」の意義
こうして蓄積したノートですが、iPhone上でも快適に読み返すことができるような工夫もしています。
定型的な記録(検温や気分や「いま心にあること」など)のリピートタスクには、たすくま上で「SmartEver」というタグをつけており、一日の終わりにPCのEvernoteでこのタグで絞り込むことで、ざっとその日一日をふり返っています。
» 検温:毎朝の起床時に体温を測る習慣を始めました
» 気分:毎朝「今朝の気分」を5段階で評価し、後からふり返る効用
このタイミングで、特に何もなければ一連のノートを一括選択して記録用のノートブックに移動させるとともに、「SmartEver」タグは外します。
この記録用のノートブックは「ローカルノートブック」のため、同期対象外となります。毎日のことなので、ノート数が膨大になるのとPCでのみ確認できればいい内容であると割り切っているからです。
なお、SmartEverという同名のiPhoneアプリがあり、このアプリは「SmartEver」というタグのついたノートだけを閲覧できますので、出先においても、このアプリを開くことで、その日の「途中経過」を閲覧することができます。
まとめ
もちろん、毎日きちんと予定した時間どおりにレビューができているわけではなく、時には10:00のレビューが午後にずれこんで一体化してしまうこともあります。それでもやる意味はあると感じています。
1日に4回のレビューを行うことで、一日という時間を4つのパートに分けて過ごすことができます。マラソンでいえばエイドごとに水分や栄養補給をするような感覚です。ここで、ペースやコースを確認しつつ、次のエイドまでまたがんばる。そのための区切りになるわけです。
日によっては「あぁ、今日はぜんぜんダメだ…」と敗色濃厚な事態に陥ることがありますが、そんな日でもこのレビューを行うことで「できるところまでやってみよう」と気持ちの切り替えがしやすくなります。
気持ちのエイドになるのです。
ちなみに「いま心の中にあることは?」という文は「いまこころのなかに~」と冒頭に「今ここ」が含まれているため、落ち着いて「今ここ」を再確認する意味合いも重ねています、マインドフルネス的に。
以前、「タスクシュートとマインドフルネス」というイベントを開催しましたが、ご参加くださった小鳥遊(たかなし)さんという方が感想記事を書いてくださっています。
» 「タスクシュートとマインドフルネス」に参加してきました! – ForGetting Things Done
この記事中の、以下の部分がまさに今回の記事でお伝えした内容となります。
定期的に感情を記録する
自分の活動力の遷移を分かるため、大橋さんは3時間おきに自分の気持ちをつけているとのこと。これによって、自分はどのような時にどんな状態になっているのかが記録により分かる。
自分をよりよく知る、良い方法だと思いました。
07月08日(土) プロジェクトを進めるための“記録”の活かし方
今回のテーマは、
-プロジェクトを進めるための“記録”の活かし方
です。
前回に引き続き、プロジェクト管理について掘り下げます。
前回の続きですが、今回初めて参加する方にも優しく解説します。
タスクカフェ講師の1人、佐々木正悟はこれまでに50冊以上の書籍を執筆していますが、一度たりとも原稿を落としたことがないと言います。つまり、締切に遅れることなく、1冊分の原稿を仕上げているのです。
これは、たとえて言うなら卒業論文を50回連続で期限までに提出しているようなものです。
書籍の執筆という仕事は、一冊ごとにそれぞれにテーマも背景も事情も異なる、言わば定型化しにくいプロジェクトです。もちろん、50回も繰り返していれば、その勘所は押さえられるがゆえに、初めて本を書くという人に比べて圧倒的に効率よくスピーディーに進められるということはあるでしょう。
前回は、実例をまじえながらこの勘所についてお伝えしましたが、今回はその中でさらりと触れられるにとどまった「記録」の活かし方について掘り下げます。
プロジェクトを進める中においては、「次にするべきこと(ネクスト・アクション)」や「気になっていること」、「ある期日までは忘れていても良いこと」など、さまざまな情報が断続的に発生します。これに加えて、「今日はどこまでやったのか」といった作業記録も絡んできます。
これらの情報をどのように整理し、どの程度のレベルで記録に残していけばいいか。そして、残した記録をどう活用すればいいか。具体的な実例をまじえて詳しく解説します。
特に、見通しの立ちにくい仕事になかなか着手できずにお困りの方はぜひご参加ください。
好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。
本日時点で、残り1席ですので、ご検討中の方はお早めに。
» 仕事を予定どおりに終わらせたい人のための「タスクカフェ」@渋谷
「タスク管理トレーニングセンター」のご案内
タスクカフェは東京(渋谷)でのみ開催しているため、地理的にご参加が難しいという方、あるいは日程的に厳しいという方もいらっしゃるかと思います。
そこで、オンラインコミュニティ「タスク管理トレーニングセンター」を開設しました。
▼タスク管理トレーニングセンターとは?
「タスク管理トレーニングセンター」は、タスク管理にまつわる以下のような課題に取り組みます。
- いろいろな本を読んだりセミナーを受けたが自分なりの方法が確立できていない
- こちらの業務環境や状況に合わせて客観的なアドバイスをして欲しい
- 誰に質問していいのか分からない
- どのツールが自分に合うのかが分からない
- TaskChute2で「こういうこと」をしたいが方法が分からない
- たすくまで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
- TaskChute Cloudで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
- この使い方で合っているか不安
- もっといいやり方があれば教えて欲しい
- 他の方とタスク管理に関する課題を共有したい
- タスク管理アプリの開発者とタスク管理のエキスパートがあなたのご質問にお答えします
- 一般非公開のコミュニティで他の参加者の方と課題を共有できます
- タスク管理の考え方・やり方の理解を深めるためのレクチャー動画をご覧いただけます
ご質問にお答えするのは、TaskChute開発者の大橋悦夫、たすくま開発者の富さやか、TaskChute Cloud開発者の松崎純一、そして、タスクシュート歴10年の佐々木正悟の4名です。
また、毎月のタスクカフェのレクチャー内容を動画で公開しています。
これまでにお答えしているご質問や現在公開中のレクチャー動画については、以下のページにて詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
» タスク管理トレーニングセンター
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» TaskChute2(Windows・Excel)» TaskChute Cloud(クラウド)
» たすくま(iPhone)
» たすくま「超」入門
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