CNNがロシア疑惑記事撤回 記者ら3人辞職

CNNがロシア疑惑記事撤回 記者ら3人辞職
アメリカのCNNテレビは、トランプ大統領の関係者とロシアとのつながりを議会が調査していると伝えた先週の記事を、事実確認などの社内手続きを経ていなかったとして撤回し、取材した記者ら3人が辞職したことを明らかにしました。日頃厳しい報道にさらされているトランプ大統領はメディアへの批判を強めています。
アメリカのCNNテレビは先週、トランプ大統領の政権移行チームに参加していた投資会社経営者の男性とロシアの投資ファンドとのつながりについて、議会が調査しているとした記事を自社のウェブサイトに掲載しました。

しかしCNNテレビは26日この記事を撤回し、取材した調査報道チームの記者や編集者など3人が辞職したことを伝える記事を掲載しました。

それによりますと、問題の記事は1人の匿名の情報提供者の話に基づいて書かれましたが、掲載する前に行われるはずの事実確認などの社内手続きを経ていなかったということです。

これを受けてトランプ大統領は27日、自身のツイッターに「フェイクニュースのCNNがロシアをめぐるでっちあげの記事を押し通そうとして失敗した」と投稿するとともに、ほかのアメリカメディア各社の名前をあげて「全社、フェイクニュースだ」と書き込みました。

トランプ大統領は選挙中の陣営とロシアとの関係やそれに関する捜査を妨害したという疑惑をめぐって日頃厳しい報道にさらされていて、CNNの記事の撤回をきっかけにメディアへの批判を強めています。

報道官と記者たちがやり合う一幕

27日、ホワイトハウスのサンダース副報道官は記者会見でCNNが記事を撤回したことに関して質問されると「大統領はたび重なるフェイクニュースにいらだちを募らせている」と述べたうえで、匿名の情報源を基にした記事に不満を表しました。

それに対して記者が「私たちは質問するためにここにいて、あなたはそれに答えるためにいるのに、あなたの対応はアメリカ中の人々の怒りをかきたてている。大統領は正しく、ここにいるほかの人たちはフェイクメディアだとあなたは言っている」などと声を上げると、サンダース副報道官が「メディアの不誠実さがそうさせている。私は質問に答えようとしただけで批判はおかしい」などと応じ、報道官と記者たちがやり合う一幕がありました。

トランプ表紙の偽「タイム」誌飾る

一方、アメリカの有力紙ワシントンポストは、トランプ氏の写真を使った偽の表紙のアメリカの雑誌「タイム」が作られ、トランプ氏のゴルフクラブに飾られていたと報じました。

それによりますと、表紙にトランプ氏が腕組みしている写真が使われたタイム誌は2009年3月の日付になっていましたが、タイム誌によりますと、この時の表紙は女優のケイト・ウィンスレットさんで、2009年にトランプ氏が表紙を飾ったことはないとしています。

ワシントンポストの記事では、トランプ氏のゴルフクラブ17か所のうち少なくとも4か所でこの偽の表紙のタイム誌が飾られていたことが確認できたとされていて、どのような経緯で作られ飾られたのかトランプ氏側に記者が問い合わせているものの、回答は得られていないとしています。