父の見舞いに行った帰りに、この間有機ELテレビ4社の画質チェックができた店に行ってきました。あの時は4台とも同じ映像、それもBSデジタルの映画で、デジタル圧縮が目立ちやすいという絶好の機会だったので、各テレビのモードチェックまでは手が回りませんでした。なので、今回はぜひモードも切り替えつつ放送画質をチェックしたいなぁとの思いでいったのですが・・・。
全部別々の専用デモムービー映像に差し替えになってました`orz
ひょっとしてわたしのせいかな(^^;)4台のテレビの前を蟹歩きで数分間も行ったり来たりしながらメモを取るなんていう人間がいたら、そりゃ怪しんで放送画質を流すのやめよう、となっても全然不思議かありません。汚く見えてますしね。
有機ELは素晴らしい画質を実現する反面、汚い映像もその汚さをハッキリ表現してしまう欠点もあります。正直従来型のデジタル放送みたいな細部がつぶれている映像を視聴するのなら、同じ4K対応テレビなら有機ELより技術が枯れている液晶の方がマシに見えますね。しかし、デジタル放送を汚い映像と表現してしまうなんて、贅沢な話ですよね。ほんのちょっと前まで、我々はにじみやザラザラノイズだらけで解像度も低いボロボロの映像を、3次元Y/C分離だ、ゴーストリデューサだ、と無理矢理補正する回路を搭載した装置で映し出された映像をキレイだ、キレイじゃないと評していたのに、それよりは少なくとも画質面では優れている現行放送にケチをつけているんですから、ただ、あの頃はその代わりに技術の進歩と製品の個性を肌で感じ、自由に遊べる楽しさがありましたが。テレビの画質チェックはそれに似た感触があるのですが、さすがに複数台持つにも限界がありますしねぇ。
さて、最近話題・・・というより問題になっているのが、Intel・AMD両社のCPUのエラー問題。AMDのRyzenがエラーを吐く問題は、基本Lynuxでのことで個体差が大きく、かつ条件が一致しないらしくて、無理矢理エラー吐かせるのを楽しんでいる人もいるらしくてそう大きな問題にはねっていないようですが、Intelの方は若干深刻なようです。
IntelのSkylake&Kaby Lake世代のCPUにはハイパースレッディング有効でデータ欠損やプログラムエラーにつながる重大なバグがあると判明
単なる疑いではなくはっきり「判明」と書かれているうえ、指摘している団体がDebianを開発しているプロジェクト、という専門家集団ですから、これは確実に存在する問題だと言っていいでしょう。しかもRyzenのようにLinuxだけでなく、Windowsでも出る、とされています。しかも"データの破損やデータ損失につながる可能性がある"というかなり深刻な問題。この現象が発生する可能性があるのは現行のKabyLakeだけでなく、先代のSkyLakeも含めたIntelCPUの、仮想スレッドであるHTを有効にした場合、とされています。それほどの問題ならなんでSkyLakeしかなかった時点でわからなかったのか、をIntelに問い詰めたい気持ちはありますが、問題は現行だけにとどまりません。Intelはモバイルはともかくデスクトップ向けに関しては次世代のCPUであるCoffeeLakeでもCPU部分に関してはほぼそのまま、製造プロセスの改良やGPU部分の改良にとどまるという話であり、このままではそのエラーを引きずった新CPUになりかねません。もっと問題なのは間もなく登場する初めてi9の型番まで用意されたハイエンドCPU、SkyLake-Xの方で、こちらは絶対にハードウェア的な改善は間に合いませんから、確実にエラーを持ったままの登場となることです。発売前のフラグシップモデルに暗雲が立ち込めることになってしまいました。
CPUのエラーというのは決してありえない話ではありません。過去にもありますし、特にAMDの初代Phenomのもつエラーは大きく、BIOSでその部分を停止させることで回避はできたものの、パフォーマンスに影響するという事態を招きました。そのため、AMDは大急ぎでPhenomIIを作らざるを得なかったのですが、あの時は出荷してすぐに分かった欠点でしたが、今回は発売してから一年以上たってようやくわかった欠点で、すでに多くの製品が出回ってしまっているため、誰も身動きできない状況になっている点が厄介です。OSの改良やBIOSからの機能制限で回避できればいいのですが、その場合でもパフォーマンスへの影響は少なからずあるでしょう。
現状、確実にそのエラーを回避する方法として推奨されているのは、HTを無効にすることです。Intel系のマザーボードのUEFIメニューにはほぼ確実にこの項目が存在しますので、割と簡単にできます。が、その場合ワンランク下のCPUと同等の性能になってしまいます。実際どの程度低下するのか、動画エンコードで試してみましょう。
手持ちのSkyLake、i7 6700を使い、Windows10で1440x080、約48分という普段ベンチマーク代わりに使っている動画をMediaCoderの64ビット版でH.264に速度Mediumで変換して比べてみます。
HT有効
1.6x 48.4fps 1866.3sec(31分6.3秒)
HT無効
1.2x 36.4fps 2463.1sec(41分3.1秒)
i7 4770
1.3x 38.9fps 2283.5sec(38分3.5秒)
参考としてSkylakeよりCPUの世代が一世代古く、HTエラーの対象ではないHaswellでも同じ条件で計測してみましたが、SkylakeはHTを切ると一世代前のCPUにも負けてしまうほど性能が低下するのです。IntelCPUはSkyLake世代からKありとなしのクロック差を大きく取るようになったため、さらに上の6700KやKabyLakeの7700Kならもう少し上になると思いますが、それでもせいぜいHaswellの4770と同程度と思われます。ソフト的な改良だけでエラーを回避するのなら、ここまでパフォーマンスの差が出ないようにしてほしいものです。
ただ、考えてみればSkylakeが出て一年以上もたってからやっと見つかったということは、それほど滅多に出ないエラーであるということです。実際、それが原因と思われるデータ破壊の経験がある、という人は少ないでしょう。もうSkyLakeやKabyLakeを持っていて、今まで使ってきて不具合の感じられないで使い慣れたソフトをそのまま使う、という人ならそれほど気にしなくてもいいかも知れません。これから出るソフトはそこらへんを考慮に入れて開発するでしょうし~その場合パフォーマンスが低くなる可能性もありますが~。
全部別々の専用デモムービー映像に差し替えになってました`orz
ひょっとしてわたしのせいかな(^^;)4台のテレビの前を蟹歩きで数分間も行ったり来たりしながらメモを取るなんていう人間がいたら、そりゃ怪しんで放送画質を流すのやめよう、となっても全然不思議かありません。汚く見えてますしね。
有機ELは素晴らしい画質を実現する反面、汚い映像もその汚さをハッキリ表現してしまう欠点もあります。正直従来型のデジタル放送みたいな細部がつぶれている映像を視聴するのなら、同じ4K対応テレビなら有機ELより技術が枯れている液晶の方がマシに見えますね。しかし、デジタル放送を汚い映像と表現してしまうなんて、贅沢な話ですよね。ほんのちょっと前まで、我々はにじみやザラザラノイズだらけで解像度も低いボロボロの映像を、3次元Y/C分離だ、ゴーストリデューサだ、と無理矢理補正する回路を搭載した装置で映し出された映像をキレイだ、キレイじゃないと評していたのに、それよりは少なくとも画質面では優れている現行放送にケチをつけているんですから、ただ、あの頃はその代わりに技術の進歩と製品の個性を肌で感じ、自由に遊べる楽しさがありましたが。テレビの画質チェックはそれに似た感触があるのですが、さすがに複数台持つにも限界がありますしねぇ。
さて、最近話題・・・というより問題になっているのが、Intel・AMD両社のCPUのエラー問題。AMDのRyzenがエラーを吐く問題は、基本Lynuxでのことで個体差が大きく、かつ条件が一致しないらしくて、無理矢理エラー吐かせるのを楽しんでいる人もいるらしくてそう大きな問題にはねっていないようですが、Intelの方は若干深刻なようです。
IntelのSkylake&Kaby Lake世代のCPUにはハイパースレッディング有効でデータ欠損やプログラムエラーにつながる重大なバグがあると判明
単なる疑いではなくはっきり「判明」と書かれているうえ、指摘している団体がDebianを開発しているプロジェクト、という専門家集団ですから、これは確実に存在する問題だと言っていいでしょう。しかもRyzenのようにLinuxだけでなく、Windowsでも出る、とされています。しかも"データの破損やデータ損失につながる可能性がある"というかなり深刻な問題。この現象が発生する可能性があるのは現行のKabyLakeだけでなく、先代のSkyLakeも含めたIntelCPUの、仮想スレッドであるHTを有効にした場合、とされています。それほどの問題ならなんでSkyLakeしかなかった時点でわからなかったのか、をIntelに問い詰めたい気持ちはありますが、問題は現行だけにとどまりません。Intelはモバイルはともかくデスクトップ向けに関しては次世代のCPUであるCoffeeLakeでもCPU部分に関してはほぼそのまま、製造プロセスの改良やGPU部分の改良にとどまるという話であり、このままではそのエラーを引きずった新CPUになりかねません。もっと問題なのは間もなく登場する初めてi9の型番まで用意されたハイエンドCPU、SkyLake-Xの方で、こちらは絶対にハードウェア的な改善は間に合いませんから、確実にエラーを持ったままの登場となることです。発売前のフラグシップモデルに暗雲が立ち込めることになってしまいました。
CPUのエラーというのは決してありえない話ではありません。過去にもありますし、特にAMDの初代Phenomのもつエラーは大きく、BIOSでその部分を停止させることで回避はできたものの、パフォーマンスに影響するという事態を招きました。そのため、AMDは大急ぎでPhenomIIを作らざるを得なかったのですが、あの時は出荷してすぐに分かった欠点でしたが、今回は発売してから一年以上たってようやくわかった欠点で、すでに多くの製品が出回ってしまっているため、誰も身動きできない状況になっている点が厄介です。OSの改良やBIOSからの機能制限で回避できればいいのですが、その場合でもパフォーマンスへの影響は少なからずあるでしょう。
現状、確実にそのエラーを回避する方法として推奨されているのは、HTを無効にすることです。Intel系のマザーボードのUEFIメニューにはほぼ確実にこの項目が存在しますので、割と簡単にできます。が、その場合ワンランク下のCPUと同等の性能になってしまいます。実際どの程度低下するのか、動画エンコードで試してみましょう。
手持ちのSkyLake、i7 6700を使い、Windows10で1440x080、約48分という普段ベンチマーク代わりに使っている動画をMediaCoderの64ビット版でH.264に速度Mediumで変換して比べてみます。
HT有効
1.6x 48.4fps 1866.3sec(31分6.3秒)
HT無効
1.2x 36.4fps 2463.1sec(41分3.1秒)
i7 4770
1.3x 38.9fps 2283.5sec(38分3.5秒)
参考としてSkylakeよりCPUの世代が一世代古く、HTエラーの対象ではないHaswellでも同じ条件で計測してみましたが、SkylakeはHTを切ると一世代前のCPUにも負けてしまうほど性能が低下するのです。IntelCPUはSkyLake世代からKありとなしのクロック差を大きく取るようになったため、さらに上の6700KやKabyLakeの7700Kならもう少し上になると思いますが、それでもせいぜいHaswellの4770と同程度と思われます。ソフト的な改良だけでエラーを回避するのなら、ここまでパフォーマンスの差が出ないようにしてほしいものです。
ただ、考えてみればSkylakeが出て一年以上もたってからやっと見つかったということは、それほど滅多に出ないエラーであるということです。実際、それが原因と思われるデータ破壊の経験がある、という人は少ないでしょう。もうSkyLakeやKabyLakeを持っていて、今まで使ってきて不具合の感じられないで使い慣れたソフトをそのまま使う、という人ならそれほど気にしなくてもいいかも知れません。これから出るソフトはそこらへんを考慮に入れて開発するでしょうし~その場合パフォーマンスが低くなる可能性もありますが~。
https://github.com/hayamdk/ryzen_segv_test
https://twitter.com/homuh0mu/status/880056442488635393
Intelの方は既にSkylakeが一部を除いてマイクロコード更新で解決済み、残りも修正予定でKaby Lake-Xは初めから影響を受けないことがIntelのドキュメントに記載されています、という話がDebianのMLに載ってるんですが、読んでないんですかね?
おまけに通常コンパイラが生成するコードではこのエラーは発生し得ないこと、アセンブラであえて書いても逆に遅くなるという指摘もされていますよ。
「パフォーマンスが低くなる可能性」とやらは全く考慮しなくていいので安心して下さい。