おとなんつづり

ほっと一息、大人世代あれこれ。心豊かな暮らしを目指しています。

枯れない人。加藤一二三九段(ひふみん)のように自然体でありたい。


「ひふみん」こと加藤一二三さんご存知ですか。将棋界で有名な凄い方です。

先日、自身の記録を塗り替えた相手に対して、自分の事のように喜び褒めたたえた表情がとてもお茶目でした。しぐさも可愛らしいんですよ。そんな言い方しちゃいけないんでしょうけどね。改めてすごいなぁと思うのです。

 

加藤一二三九段(ひふみん)とは

 

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詳しい事はマスコミでも流れているので、ここでは簡単に。

 

  • 14歳7ヶ月で史上初の中学生棋士となる。
  • 最年少記録を62年守ってきた(藤井聡太四段にその記録を破られてしまう)
  • デビュー後に4年連続で昇級、18歳でA級八段という記録は健在。
  • 戦前生まれの名人経験者最後の存命者。
  • 2017年6月に77歳(最高齢)で規定により現役を引退している。 

 

という具合に、誰も達成できなかった記録を持っている凄い人。

 

将棋というのは、いくつも先のパターンを予想して打つものですよね。

ああなったらこうする。この場合はこう。もし、ああなったら・・・などと、ずーっと先の手を考えているわけです。予想外の攻め方をされても、頭の回路をフル稼働してまた先を読んで打つ。

ぽーっとしている私には、とても真似できない世界です。

 

 

インタビューを受けた、ひふみんの印象

 

先日、14歳の藤井聡太四段が29連勝したときインタビューを受けている様子を眺めていました。こう言っては本当に失礼なんですが、とても可愛かった。 

ちょっとほっぺたを赤らめて、以下のように語っていたんですよ。(※)

 

「完璧で会心の勝利。教科書に出てくるような、誠に見事な勝ちっぷり。心からおめでとうといいたい」

 

「藤井四段は「苦しかった」といっていたけど、あれは控えめな表現。本当は別に苦しいところはなくて完璧な勝利だった」

 

「四段になった棋士が29連勝というのは空前絶後の大記録。これからも連勝記録は伸びると思う。勢いがついて気分がいい」

 

 

 

全くトゲが無く、上から話している様子もなく。心から嬉しいような様子。少し興奮していて、ちょっと聞き取れないような感じすらありました。

あぁ本当に嬉しいんだなって。

 

もし自分だったら、どうだろう。

自身が持つ、長年の記録を塗り替えた相手に対して、こんな風に心から褒めたたえられるんだろうか。

 

 

 

対局に敗れた加藤一二三九段を、奥さんが桜に例えて「桜は散っても、花びらは枯れてない」と話したそうですよ。

愛にあふれた素敵な例え。この言葉を借りて私も頑張りたいです。

 

 

(※)実際に視聴していましたが、正しくお伝えするために、以下サイトから加藤一二三九段の言葉を抜粋させていただきました。

www.sanspo.com

 

 

ひふみんアイ

 

ひふみんは数々の伝説を残しているんですが。

その中で「対局中に相手の後ろに立って盤面をのぞき込む」というのがあります。

自ら「ひふみんアイ」と呼んでいるようですね。なんて可愛いネーミング!(そもそも、この「ひふみん」というニックネームも可愛いですよね。)

 

こんなことをした人は、これまでに、ひふみんと藤井聡太四段しかいないそうです。

 

ただ者じゃないとうか、柔軟な感性というか。

確かに相手の目線で見れば、どう考えているか読み取れるかもしれないって思うかも。だけど、例えばオセロをしていてそんな事しませんよね。私にその発想はない。目の前の盤面をただじーっと見つめて、頭のてっぺんから湯気出してる気がする。

 

藤井聡太四段が「ひふみんアイ」を繰り出した直後、自身のツイッターで「聡太、『ひふみんアイ』を継承してくれてありがとう」とつぶやいたそうです。 

自然体でいいなぁと思うエピソード。

  

 

ひふみんの伝説は楽しい 

 

ほかにも色々伝説があるようです。

 

・対局中、十数本のバナナを房からもがずに平らげた。


・おやつに板チョコ10枚食べた。(明治製菓限定) 数枚まとめてバリボリ。


・カルピスを魔法瓶に2本作ってきて、あっという間に飲み干した。


・タイトル戦で「音がうるさい」と旅館の滝を止めさせたことがある


・口癖は「あと何分?」、秒読みに入っても「あと何分?」「あと何分?」「1分です」「あと何分?」「1分です」「あと何分?」「1分です」「あと何分?」ついにキレた記録係。「1分だよ!」記録係「20秒、1、2、3」「あと何分?」「もうありません」解説の森内氏も大爆笑。

テレビ東京の30秒将棋に出場したときも「あと何分?」 他人の対局でも「あと何分?」

 

・王位戦の昼食に、「すしにトマトジュース、それにオレンジジュースとホットミルク、天ざる」 を注文。三時には「メロンにスイカ、ホットミルク三杯にケーキ、モモ」を注文


・将棋世界の紹介文「燃える闘魂 加藤十段」


・対局中は加藤は背広の両ポケットにうな重の上の代金2100円ずつを入れていて、注文時に嬉しそうに出す

 

・詰め将棋のヒントを求められ 「まず王手をします」

 

一部引用:将棋界のレジェンド・加藤一二三九段のフリーダムな伝説 - NAVER まとめ

 

 

人目を気にしてない、甘いもの好き加減も好き。

カルピスを魔法瓶にってめちゃめちゃお茶目じゃない?自分流で素敵。

 

詰め将棋のヒントで「まず王手をします」って吹き出しましたよ。王手というのは、この王手をなんとか防がないと次に勝つよというものでしょう?何のヒントになってないですから。天然なのかしら。

 

それに、将棋世界(*)という機関誌に、紹介文で「燃える闘魂」とか書いちゃうのも笑ってしまう。私なら真面目に「逆境に挑む オトナン十段」などと固く書くだろうなぁ。

 

 

 

(*)将棋世界

昭和12年(1937年)創刊。月刊誌としても古い歴史を持つ日本将棋連盟発行の機関誌。

 

 

凄い人ほど自然体で楽しく生きている 

 

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ひふみんに限らず、凄い人ほど自然体でお茶目だなぁと思うこの頃。

ノーベル賞や直木賞を受賞する方もそうですよね。

私とはまるで違う世界に生きている凄い人なんだけど、とにかく自然体なのです。

 

俺は凄いんだぜ~と傲慢にならない。

人と比べることもない。

人目も気にせず、自分らしさを貫くのね。

 

 

 

直木賞といえば・・・

個人的に印象に残っているのが「あかね空」で直木賞を受賞した山本一力さん。

受賞したとき、山本一力さんが笑顔で自転車に乗って走る姿を、上からぐるっと撮影していたのを覚えています。その朝のシーンがとても素敵だったんですよね。爽やかだった。自転車愛好家で、いつも家族で自転車に乗っているんですよ。

バブル時代に億の借金をしたために小説を書いた方。成し遂げたんだから凄いことです。

 

それはついこの前の事のように思ったのだけど、調べたら2002年のことでした。

もう15年くらい前なんですよね。ん?2002年?

2002年といえば、ひふみんの記録を塗り替えた、藤井聡太四段が産まれた年ですよ。今、ちょっと山本一力さんの直木賞受賞年を調べたら同じ年でした。偶然に。

あの年におぎゃぁと生まれた子が、こんな偉業を成し遂げてしまうとは驚きです。

 

 

 

藤井聡太四段が29連勝したとき。

「記録はいつか破られるもの。そこに執着せずに1局1局集中して、タイトルを狙いたい」というような事を冷静に語っていたんです。

 

・・・まだ14歳ですよ。

私なら、カメラや報道陣の多さに動揺して何にも言えないと思う。この落ち着き、謙虚さ。そして「ひふみんアイ」をさらっとしてしまう大胆さ。 

 

 

 

この先、彼はどうなっちゃうんでしょうね。 

 

凄い事が出来るかどうかは別としても。

やりたい事を貫きながら、謙虚さを忘れず自然体で年齢を重ねる。

そんな生き方って良いなぁと思ったのでした。