欧米で再び大規模なサイバー攻撃 ウイルス注意呼びかけ

欧米で再び大規模なサイバー攻撃 ウイルス注意呼びかけ
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ヨーロッパやアメリカで27日、国の機関や企業を狙った大規模なサイバー攻撃があり、ヨーロッパ刑事警察機構は「ランサムウエア」と呼ばれる「身代金要求型」のウイルスによるサイバー攻撃だとして注意を呼びかけるとともに情報収集を進めています。
ヨーロッパ刑事警察機構によりますと、27日、ヨーロッパを中心に大規模なサイバー攻撃が相次いで確認されているということです。

ウクライナ内務省によりますと、政府機関や通信会社、それに銀行などのコンピューターシステムがサイバー攻撃を受け、首都キエフでは、一部のスーパーマーケットでの支払いに銀行のカードが利用できなくなったということです。
また、ウクライナのメディアによりますと、チェルノブイリ原子力発電所で放射線を測定するシステムが攻撃を受け、手動での測定に切り替えたということです。

このほか、ヨーロッパ各国やアメリカからも相次いで被害が報告されていて、ヨーロッパ刑事警察機構は、「ランサムウエア」と呼ばれる「身代金要求型」のウイルスによるものだとして注意を呼びかけるとともに情報収集を急いでいます。

ランサムウエアは、先月、世界各地に広がったサイバー攻撃でも使われイギリスの病院で患者の治療に支障がでたり、フランスの自動車メーカーが生産を一時停止するなどの影響がでました。

ウクライナ ロシアでも被害

ウクライナ内務省は27日、国のインフラ整備を担当するインフラ省や通信会社、それに銀行などのコンピューターシステムが大規模なサイバー攻撃を受けたことを明らかにしました。

ウクライナの警察は一連のサイバー攻撃を受けて、刑事事件として捜査を始めました。

一方、ロシアメディアによりますと、ロシア最大の国営石油会社「ロスネフチ」や中堅の石油会社「バシネフチ」もサイバー攻撃を受け、インターネットのホームページに接続できなくなるなどの被害が出たということです。

英機関 ランサムウエア対策呼びかけ

イギリスでサイバー攻撃や犯罪の対策にあたる政府機関、「サイバーセキュリティーセンター」は声明を出し、「世界規模でランサムウエアによる攻撃が起きている。企業や公共機関はこうした攻撃から身を守るために対策を講じてほしい」と注意を呼びかけました。

イギリスでは、先月起きた世界規模のサイバー攻撃で各地の病院で、数日間にわたって治療に影響が出るなど混乱が広がりました。