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KREVA(クレバ)【ラッパー解説】ラスボス般若が今でも意識するフリースタイルの先駆者

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現在ではもはやジャパニーズヒップホップ界の代名詞的な存在になりつつもあるKREVA(クレバ)さん(以下敬称略)を今回はご紹介させていただきます。

HIPHOPにまっっっったく興味ない人でも「ヒップホップ?ああ、ジブラとかクレバとかだっけ?」となるほど知名度があるといっても過言じゃないです。

ここ十数年で日本では比較的マイナーでマニアックだったラップをメジャーシーンまで押し上げた立役者の一人であるこの男を解説していきます。

 

当時は超マイナーだったラップバトル

今現在では『フリースタイルダンジョン』や『高校生ラップ選手権』がブームになっている事もあり、ラップでのMCバトル(ラップで相手を言い負かして競い合う競技)というものの存在はかなり日本に浸透したのではないかと思います。

このKREVAという男はいわばその日本語ラップバトルの歴史の初代日本王者という感じです。おそらく初めての公で行われたラップバトルの大会は1999年のBBP(ビーボーイパーク・年に一度開催されるヒップホップイベント)で行われたMCバトルトーナメントですが、そのチャンピオンがこのKREVAでした。

ちなみに続く2000年、2001年と三連覇で優勝します。今でこそ前述のテレビ番組他、全国各地でラップバトルの大会が開かれていますがこの頃はラップバトル自体ものすごくマイナー競技でした。

ローカルの小さな大会などはあったかもしれませんが、ラップバトルといえばBBPくらいしかありませんでしたし、ヒップホップファンもフリースタイルの上手さ自体には今ほど興味がなかったように思います。

 

無敵の強さを誇ったフリースタイラー

ラッパーのインタビューなどで当時の事を話していて面白かったのが、当事者であるラッパー自身が「フリースタイルでのラップバトルというものがよく分かっていなかった」と語っていることですね。

特に初年度の1999年は即興のラップというよりは、持ちネタみたいなものを披露する人がいたり、あらかじめ考えてきたラップ(今でいうところの仕込みネタ)を披露したりと、出演者も探り探りだったらしいです。

が!そんな中このクレバは明らかに即興で韻を踏みながら相手をディスるという今のスタイルで戦っていて、こんなものを初めて見た当時のファンは「ス、スゲー!これ即興で考えてんの?!!マジか!!」とぶったまげたでしょう。

前述の通り2000年、2001年も彼はチャンピオンですが即興で韻を踏む技術は他のラッパーとかなり差があり韻を上手に踏むことを重視した当時の審査基準で彼に敵う者はいませんでした

 

ポップVSアンダーグラウンド

しかしKREVAはその後2002年からラップバトルに一切姿を現さなくなります。当時はまだラップをやっていたDRAGON ASH(ドラゴンアッシュ)RIP SLYME(リップスライム)などがオリコン入りを果たすなどお茶の間でもラップブームが起きていました。

彼の所属するKICK THE CAN CREW(キックザカンクルー)もこのころ同じく大人気でKREVA自身も自分の居場所をアンダーグラウンドからオーバーグラウンドに移していこうという姿勢があったのかもしれません。

しかし一方この頃ヒップホップシーンでは「あんな売れ専なんかHIPHOPじゃねえ!あいつらは偽物だ」という空気がものすごく渦巻いていました。空前のストリートラップブームも同時に到来し、シーンでは「アンダーグラウンドVSオーバーグラウンド」の様な構図は明らかにありました。

 

般若との確執

『ディス』というものが頻繁に行われたのもこの辺の2000年代初期で、リップスライムやキックザカンクルー、ドラゴンアッシュに向けてのアンダーグラウンド側からの批判をかなり耳にしたのを覚えています。

今では『フリースタイルダンジョン』のラスボスとして大人気の般若も当時はポップ路線のラップアーティストにかなり敵対心を抱いていて2002年のバトルでが欠場していたKREVAに舞台上で「クレバ出て来いよ!」と叫んでいました。

しかしそこから十年以上たった今になってフリースタイルダンジョンの番組内で同じことをするとはビックリしました。これがパフォーマンスなのか、いまだムカついているのか分かりませんが、KREVAはこの挑発には乗らない姿勢、というかほとんど無視している感じですね。

 

スターになった今でも

KREVAは完全に今現在はラッパーとしてスターと言っても過言じゃないのですが、彼の凄い所はそれでいてただのPOPではない感じ、といいますかHIPHOP臭みたいなのを感じさせるので、コアなラップファンからもお茶の間のポップなファンからも支持があります

売れている今でもストリートのラッパーともちょくちょく共演している事がアンダーグラウンドからの支持も得ている要因の1つのような気もしますが、般若とは果たして・・・もし共演するようなことがあればこれまでの歴史を見てきたファンなら涙ものです。

 


最後に14年ぶりに復活を果たしたKICK THE CAN CREWの新曲でお別れです。ってゆーかキックザカンクルーについても語るつもりでしたが疲れたんでまた今度にします(^-^;