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 今季のヤクルトは他球団を戦力外になった選手の働きが目立つ。元ロッテの大松尚逸、元日本ハムの鵜久森淳志は時に中軸を打つ。楽天、巨人と渡り歩いた捕手の井野卓は、長い2軍生活を打ち破る活躍を見せた。「苦労人」の躍動はファンの心を打つが、どうしてヤクルトに多いのか。球団事情を探ってみた。

 6月10日のロッテ戦の先発には、3人の戦力外経験者が並んだ。3番の坂口智隆は2年前、オリックスから野球協約で決められた減額制限を超える減俸を提示され、自由契約を選んだ。5番が大松、8番に鵜久森。他球団ではあり得ない現象だろう。

 6月半ばには捕手にけが人が相次ぎ、33歳の井野が1軍昇格した。楽天からトレードで巨人に移り、戦力外になってヤクルトに拾われたが、過去2年で出場は2試合だけ。けが人が戻るまでの代役だったが、短い期間で「4年ぶりの犠打」「6年ぶりの安打」「7年ぶりの打点」を挙げた。

 なぜヤクルトでは「苦労人」が働けるのか。その問いに、編成担当者の一人は苦い表情を浮かべて言った。「新人の獲得、そして若手の育成の失敗は認めざるを得ないでしょう」

 ヤクルトはこの10年の新人獲…

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