日本とEUのEPA交渉 チーズが最大焦点に

日本とEUのEPA交渉 チーズが最大焦点に
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日本とEU=ヨーロッパ連合のEPA=経済連携協定の交渉は、27日も首席交渉官の会合が開かれ、農業分野で焦点となるチーズをめぐって、EUが原則としてすべて関税の撤廃を強く求める一方、日本は、一部の品目のほかは応じられないと反発するなど、早期の大枠合意を目指した詰めの調整が続いています。
27日開かれた日本とEUのEPAをめぐる首席交渉官会合では、会合を前にEUのペトリチオーネ首席交渉官と、鈴木庸一首席交渉官が報道関係者の取材に応じました。

これまでの交渉で、難航している農業分野をめぐり、日本は、豚肉や牛肉についてはTPP=環太平洋パートナーシップ協定で合意した関税削減の水準などを提案し、EU側から一定の理解が得られるなど交渉は進展の兆しも出てきているということです。

しかし、大きな焦点となっているチーズについては、EUが原則としてすべての関税の撤廃を求めているのに対し、日本は生産者への影響が大きいとして、一部の品目以外は応じられないと反発するなど調整が難航しています。

一方、日本がEUに求めている乗用車の関税の早期撤廃に対し、EUがどの程度の期間で撤廃に応じるかについては、農産物をめぐる交渉の進展次第という情勢になっています。

日本とEUとしては来月、首脳会談で大枠合意することを目指し、今後、閣僚レベルでの協議も視野に、詰めの調整を急ぐことにしています。

農相「大枠合意は十分可能だろう」

山本農林水産大臣は、27日午後、日本とEUのEPA交渉で焦点となっている農業分野をめぐってEUの農業政策担当のホーガン委員と電話でおよそ40分間会談しました。

電話会談のあと、山本大臣は記者団に対し、「大枠合意に向け、双方の重要品目を踏まえながら、閣僚間でさらに協議を継続する必要があるという認識で一致した」と述べました。そのうえで山本大臣は、「双方の主張に開きはあるが、大枠合意に至るのは十分可能だろうと思った」と述べ、農業分野の焦点のチーズの関税の取り扱いなどでなお隔たりが残っているものの、大枠合意の実現は可能だという認識を示しました。

さらに山本大臣は、「今月30日には、EUのどなたかがいらっしゃるとも聞いている。まだこれからの調整だ」と述べ、早期の大枠合意に向けて、早ければ週内にも閣僚レベルの協議を行う方向で調整されていることを明らかにしました。