トランプ氏、ロシア疑惑でオバマ氏の「無策」批判
ドナルド・トランプ米大統領は23日、昨年の大統領選にロシアが介入した疑惑について、バラク・オバマ前大統領が「何もしなかった」と批判した。
米紙ワシントン・ポストは23日、ロシア疑惑に関する詳報の中で、オバマ氏は昨年8月の時点で、ウラジーミル・プーチン露大統領による「直接介入」を知らされていたと伝えた。トランプ氏の発言は、この報道の後のもの。
同紙によると、オバマ氏は昨年8月にロシア政府内に深く潜入させた情報源から、大統領選を攪乱(かくらん)させるサイバー作戦に直接関与していたと報告を受けた。作戦の目的は、ヒラリー・クリントン氏を傷つけ、トランプ氏を勝利に導くことだったという。
プーチン大統領は一貫して関与を否定している。
ワシントン・ポストによると、オバマ氏はプーチン氏に関する問題情報の公表などロシアに対する様々な懲罰行動を検討したものの、最終的にはロシア外交官35人の追放とロシア公館2カ所の閉鎖という、内実に乏しい措置にとどまった。しかも、実施されたのは大統領選から2カ月近くたつ12月末のことだった。
同紙によると、オバマ氏は選挙中に対応すると、大統領選に影響を与えようとしているように取られかねないと懸念していたという。
前政権関係者は同紙に対して、「安全保障担当はただちに『あまりにまずい対応だった』と反省していた」と話した。
トランプ氏は23日、「オバマ政権は11月8日よりはるか前にロシアの選挙介入について知っていた。何もしなかった。どうして?」(強調原文ママ)とツイートした。
大統領は24日にはさらに、「オバマ政権関係者は、ロシアの大統領選介入にいざ対応するとなった時、『及び腰になった』と言ってる。ヒラリーにダメージを与えたくなかったのか?」と書いた。
25日放送の米フォックス・ニュースとのインタビューでも、トランプ氏は「もし(オバマ氏が)情報を持っていたなら、どうして何もしなかったんだ。何かすべきだった。でもそういう記事は出てこない。実に残念だ」と述べた。
大統領選でロシア当局とトランプ陣営が結託していたのではないかという指摘は、トランプ政権について回っている。トランプ氏自身は、結託などないと一蹴し、一連の捜査を「魔女狩りだ」と批判してきた。トランプ氏はワシントン・ポスト紙報道の前日22日には、ロシアによる民主党本部などのハッキングは「でっちあげ」だとツイートしていた。
ロバート・ムラー特別検察官が率いる捜査は、ロシア情報当局が米選挙システムをハッキングしたか、トランプ氏を有利にするような情報操作を展開したかなどを調べている。さらに米メディアは、トランプ氏がロシア疑惑捜査について司法妨害をしたかどうかも、ムラー氏の捜査対象になっていると伝えている。
(英語記事 Trump accuses Obama of inaction over Russia meddling claim)