特集 PR

アカシック、目指すは最強の2番手?個性派4人組のバンド談義

アカシック、目指すは最強の2番手?個性派4人組のバンド談義

アカシック『オレンジに塩コショウ』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:中村ナリコ 編集:山元翔一
2017/06/26
  • 79

ドラマ『ラブホの上野さん』の主題歌に起用された1stシングル『愛×Happy×クレイジー』により、お茶の間でも話題となった4人組バンド、アカシック。彼らの2ndシングル『オレンジに塩コショウ』が6月28日にリリースされる。

前回のインタビューでは、紆余曲折を経て結成されたバンド内の、少し「ちぐはぐ」な人間関係が浮き彫りになったが、あれから2年経ち状況はどのように変化しているだろうか。最近はアイドルへの楽曲提供なども行うリーダー・奥脇達也がコンポーザーとしての強いこだわりを熱く語り、ボーカル・理姫の奇想天外な発想力やキャラクターが炸裂するなど、今回も一筋縄ではいかないインタビューとなった。

メンバーが変わって、さらに結束力が深まったのを感じます。(バンビ)

―CINRA.NETで取材するのは『DANGEROUS くノ一』(2015年)のリリースのとき以来です。それ以降バンドの状況はどうですか?

奥脇(Gt):以前と比べて制作のスピードが速くなっている気がします。前よりも頭使ってないんじゃないかな(笑)。特に今回のシングルは「シンプルに作ろう」というのがテーマだったこともあって、バスバスッとできていく感じでしたね。

バンビ(Ba):サウンド面よりも、メンバーの距離感が変わったかもしれないです。『凛々フルーツ』のリリース後にメンバーが抜けるなどいろいろあったんですけど、さらに結束力が深まったのを感じます。

山田(Dr):単純に話す機会も多くなったよね、ケンカもしなくなったし。

左から:山田康二郎、バンビ、理姫、奥脇達也
左から:山田康二郎、バンビ、理姫、奥脇達也

―理姫さんは?

理姫(Vo):前に黒田さんにインタビューしてもらったとき、「諦めないこと。楽しく、ケンカをしないこと」っていう目標を掲げていたんですけど、私、人生のなかで「諦めない」っていうのはムリだなと思ったので、諦めるときは諦めることにしました。

―(笑)。なにか具体的な出来事があったんですか?

理姫:私、別に100点取れなくてもよくて、60点くらい取って怒られなければそれでいいっていうふうに生きてきたんですよね。あと、今まであんまり怒られてこなくて、なぜか許されるってことが多い人生で。

奥脇:……すげぇ甘ったれたこと言ってるよね。普通に「なに言ってんのこいつ?」って思った。

一同:(笑)。

理姫:別に1位になりたいわけじゃない。1位になりたくて血を流すよりも、2位とか3位くらいでパッと終わって、傷ひとつなくお家に帰りたいと思う人間なんです。だから、諦めたいときは諦めます。それで困ったことがないから、最近は開き直った(笑)。

私、スポーツをやってた時期もあるんですけど、こういう性格のせいで勝てるはずの試合まで負けてきたんですよ。頑張り方がよくわからないというか、勝ち方も当然わかんないから、今さらそれを突き詰めようと思わなくていいかなって(笑)。

奥脇:まあいろんな考えの人がいるし、最終的な決断が前向きで一丸となっていればそれでいいんですけど、バンド全体の意見を言わせてもらえば、もちろん1位が取りたいです(笑)。

理姫:あ、だから勝手に取れた1位がいちばん嬉しい。別に1位が嫌いなわけではないから。

奥脇:とか言ってますけど、ちゃんと頑張ってますから!

左から:山田康二郎、バンビ、奥脇達也、理姫

波乱万丈な人生を送っている人って、愛を探し求めている人が多くないですか?(理姫)

―理姫さんのキャラクターはアカシックのひとつの色だと思っていて、それは歌詞にもよく表れているような気がします。アカシックの歌詞で描かれる女の子ってカッコよくて魅力的だなと思うんですけど、特に『オレンジに塩コショウ』の3曲目に入っている“エンドオブザワールド”は、波乱万丈な人生を送っている人ほど刺さりそうな歌詞ですよね。

理姫:岡崎京子さんの『エンド・オブ・ザ・ワールド』(1994年)っていう短編漫画集がすごく好きなんですけど、この曲は、それについて歌っています。波乱万丈な人生を送っている人って、愛を探し求めている人が多くないですか? 愛のせいで波乱万丈な人生になっちゃった感じがするんですけど、本人はそのことに無頓着で、人生がうまくいかず……っていう。そういう人ほど、「最後は愛で世界が救われる」と願っている気がする。特に私の周りの人たちはそうで。

左から:山田康二郎、バンビ、理姫、奥脇達也

理姫:岡崎京子さんの作品も、結局のところ男女関係が切っても切り離せないんです。男と女が殺しあったり、おじさんと援交している女の子が出てきたり。愛を求めているのか、愛を知らずにそうなってしまったのかはわからないけど。

―理姫さん自身は、「波乱万丈な人生を送っているな」って思います?

理姫:全然。足りない! 自分では「超ツマンナイ人間だな、もっと道を踏み外さなきゃ」って思う。でも、私が本気で踏み外したら仕事できなくなるから……。仕事はしないといけないじゃないですか? だから難しいなって。みんなどうやって波乱万丈に生きてるんだろう? って思います。

―じゃあ、アカシックの歌詞に登場する女の子は、理姫さん自身を投影しているというわけでもないんですね。

理姫:私自身というより母親ですかね。そう、“エンドオブザワールド”の主人公は、私のママに近いかも。歌詞にある<世界の最後に 愛だけは残る って思いたい>とか、ママが実際に言うんですよ。だからアカシックの波乱万丈さは、私がママを見て感じたことを歌ったものが多いです。

Page 1
次へ

リリース情報

アカシック『オレンジに塩コショウ』
アカシック
『オレンジに塩コショウ』(CD)

2017年6月28日(水)発売
価格:1,080円(税込)
WPCL-12629

1. オレンジに塩コショウ
2. ブラック
3. エンドオブザワールド

イベント情報

『赤い夜 ~茶髪vs約束~』

2017年6月28日(水)
会場:東京都 下北沢 Garden
出演:
アカシック
BiS
料金:3,000円(ドリンク別)

『赤い夜 ~いい男vs流行~』

2017年7月19日(水)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-WEST
出演:
アカシック
フレンズ
料金:3,000円(ドリンク別)

『unBORDE Summer Xmas Party 2017』

2017年7月25日(火)
会場:東京都 渋谷 WWW X
出演:
あいみょん
アカシック
yonige
and more
料金:1,000円(タオル付き)

プロフィール

アカシック
アカシック

理姫、奥脇、バンビの3人で2011年に結成。誰もが口ずさみたくなるキャッチーなメロディーと、ヨコハマ生まれ繁華街育ちのボーカル・理姫による彼女のキャラクターが全面に出た独特な詞の世界観で話題を呼ぶ。2014年3月26日に1stミニアルバム『コンサバティブ』をリリース。バンドキャリア初の全国流通盤にも関わらず、タワーレコード渋谷店の週間インディーズチャートにて見事1位に輝く。2015年6月、ミニアルバム『DANGEROUS くノ一』をリリースし、unBORDEよりメジャーデビューを果たす。2016年3月、1stフルアルバム『凛々フルーツ』を発表。2017年3月、初のドラマ主題歌となった1stシングル『愛×Happy×クレイジー』をリリースし、オリコン17位を獲得する。同年6月28日、2ndシングル『オレンジに塩コショウ』のリリースを控える。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

Radiohead“Man Of War”

Radioheadの未発表曲“Man Of War”のPVが公開。この曲は本日発売の『OK Computer』20周年記念盤に収められる3曲の未発表曲のうちの1曲。昼と夜に同じ場所を歩いている男が何者かに後をつけられ、追い詰められていく様を映した短編映画のような映像だ。(後藤)