村瀬信也、深松真司
2017年6月27日05時04分
藤井聡太四段(14)の強さは、詰将棋で鍛えた圧倒的な終盤力にある。加えて、藤井四段の対局を見た多くの棋士が指摘するのが、先が見通しにくい序盤戦や中盤戦での「隙のなさ」だ。その背景には、トップ棋士を破るまでに急成長した人工知能(AI)の活用があるとみられる。
藤井四段は昨年5月、コンピューター将棋に詳しい千田翔太六段(23)に勧められ、ソフトを使い始めた。棋士養成機関「奨励会」でプロまであと一歩の三段リーグを戦っていたころだ。藤井四段は「(先手と後手どちらが有利かを示す)評価値が局面ごとに示されるのが革新的だった」と振り返る。自分の対局をソフトに検討させ、形勢判断に役立てる。自分の点数を大幅に下げる手を指していることに気づくこともあった。
ソフトと対戦することもあるが、「最近のソフトに勝つのは難しい。自分も強くなったが、ソフトははるかに強くなっている。もっと強くならねば」と言う。
一方、ソフトを勧めた千田六段…
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