【モスル攻防】 イラク軍がISの反撃を撃退

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IS狙撃手をかわして進む イラク・モスル最前線

イラク北部の主要都市モスルで過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)の掃討作戦が続くなか、イラク軍は25日、ISの反攻を撃退した。

イラク当局によると、ISは市内各所に自爆攻撃犯を大勢仕掛けたものの、攻撃された地域はイラク軍が速やかに掌握したという。

ISは現在、モスル旧市街の約2キロ四方の狭い範囲内に追い込まれており、イラク軍によるモスル奪還作戦は最終段階に入っている。

イラク軍に同行取材するBBCのオルラ・ゲリン記者は旧市街の端から、モスルにおけるISの終局が近づいているのは明らかだと伝えている。

Image copyright Reuters
Image caption ISは旧市街の狭い地域に押し込められている(25日)

イラク軍は21日、ISが市内の歴史的なイスラム教礼拝所「ヌリ・モスク」を爆破したと明らかにした。これを受けて、イラク軍はIS攻撃のペースを速めた。

25日にはISに対して約20回の空爆を重ね、26日未明から早朝にかけても空爆は続いた。戦闘ヘリがISの位置を集中的に爆撃し、迫撃砲の爆音もしきりに響いた。

25日夜には少なくとも2カ所でISが反撃。クルド系シャファク通信は、モスル西部3カ所をISが攻撃し、民家に火をつけたと伝えている。

モスルはISにとって、イラク国内最大かつ最後の都市拠点。イラク軍による奪還作戦は、昨年10月に始まった。イラク軍、クルド自治政府の治安部隊ペシュメルガ、イスラム教スンニ派部族兵や同シーア派民兵が数万人参加し、米軍主導有志連合の戦闘機や軍事顧問が支援している。

イラク政府は今年1月にモスル東部の完全「解放」を宣言したが、狭い道が入り組む町の西側での戦闘は難航している。


<目撃者> サリー・ベッカーさん(援助スタッフ)

私がいた通りのほんの少し先で、ISの反撃があった。

昨日は(イラク兵)20人ほどの遺体を受け入れた。負傷者はもっと多かった。実を言えば、救急救命スポットは現在、兵士でいっぱいだ。昨日の午後には首に銃弾が入った准将がやってきた。それから間もなく、すべてが大混乱した。

車が何台も放火され、道路は封鎖された。

この辺の消息筋によると、旧市街から約20人のイスラム教聖戦主義者が脱出して、私たちの救急救命スポットのすぐ先にいきなり現れたらしい。これに加えて、ISの狙撃手たちは暗視スコープを持っているので、イラク軍はごくごくゆっくりとしか進めなかったということになる。

今は間違いなく少し落ち着いたが、今朝の5時から7時の間は、本格的にやりあっていた。

(サリー・ベッカーさんは、戦争地域の子供たちに医療を提供する英NGO「平和への道」のスタッフ。現在はイラク軍医と共に負傷者の治療に当たっている)


(英語記事 Battle for Mosul: Iraq forces repel IS counter-attack

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