タカタが民事再生法の適用申請 欠陥エアバッグで負債1兆円超

タカタの欠陥部品は世界で少なくとも17件の死亡事故との関連が指摘されている Image copyright Reuters
Image caption 欠陥部品は世界で17件の死亡事故との関連が指摘されている

米国などでエアバッグの事故が相次ぎ経営が悪化していた自動車部品メーカーのタカタは26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し受理されたと発表した。米国法人を含む海外子会社も同様に、米連邦破産裁判所に連邦破産法11条の適用を申請した。

世界で少なくとも死亡事故17件について、同社製エアバッグとの関連が指摘されており、負債は1兆円を超えている。

一部のエアバッグは、インフレーター(膨張装置)が破裂して金属破片が飛び散り、乗っていた人が死傷する事故を起こしていた。

米自動車部品会社のキー・セイフティー・システムズ(KSS)がスポンサー企業となって再建支援する合意が締結され、KSSはタカタのエアバッグ関連を除く実質的な事業と資産を1750億円で買収する。

KSSのジェイソン・ルオ最高経営責任者(CEO)は、「タカタは、世界中でエアバッグのリコールによる打撃を受けているが、技能を持つ社員たちや事業の地域的展開、群を抜くステアリングホイールやシートベルト、その他の安全部品が失われたわけではない」と述べた。

1兆円を超す負債

問題が最初に浮上した2007年以来、タカタ製エアバッグのリコールは、米国での約7000万台を含む1億台以上に上り、業界史上最大規模となった。

タカタは今年1月、欠陥エアバッグ問題の隠蔽(いんぺい)に関する刑事責任を認め、10億ドル(現在の為替レートで約1110億円)を支払うことで米司法省と合意している。

タカタは罰金2500万ドルのほか、欠陥エアバッグによる負傷者に総額1億2500万ドル、タカタ製エアバッグを使っていた自動車メーカーに8億5000万ドルを支払った。

しかし、米国で訴訟は依然として続いており、リコール費用を肩代わりしたホンダやトヨタ自動車、独BMWなどに対する債務を含め、1兆円以上の負債を抱えている。

26日の東京証券取引所では、タカタ株は売買停止となり、1カ月後の上場廃止が決まった。

世耕弘成経済産業相は同日開いた記者会見で、タカタによる民事再生法の適用申請の影響を受ける中小企業に対し、信用保証を含む支援を行うと表明した。

(英語記事 Takata: Airbag-maker files for bankruptcy