地域にとってなくてはならないものに学校があります。
私の住む札幌でも子供が少なくなっており、地元の小学校では1学年2クラスしかありません。
学校以外にも、スーパーや病院なども地域を形成するために必要不可欠です。
買い物難民という言葉は、地域興しでは頻出するキーワードです。
そんな中、6/24の日本農業新聞で取り上げられているのが、農村部でのガソリンスタンド廃業問題です。
農村部では人口減少などからガソリンスタンドの廃業が相次いでいます。
記事は長野県ですが、北海道も事情は同じです。
先の記事では、最寄りのガソリンスタンドまで15km離れている、市町村内にガソリンスタンドが3カ所以下である、など地域住民にとってガソリン入手が死活問題となっていることが取り上げられていました。
ガソリンスタンドは何も自動車だけのために必要なわけではありません。農作業機の燃料としても必要ですし、なによりも暖房のための灯油を購入する場でもあります。
確かに、私も学生実習の巡回や研究視察で農村部を訪ねることがありますが、自動車のガソリンメーターは常に意識するように心がけます。というのも、給油したいときにすぐ近くにガソリンスタンドがあるとは限らないからです。実際、メーターがギリギリでかなり走ってもスタンドが見つからず、かなり焦った経験があります。
そのような地域住民を守るために、先の記事では、JA(農協)系列のガソリンスタンドは赤字度外視で経営を続けているという内容が書かれていました。
最近何かとやり玉に挙がる農協。
農協改革という言葉も政府から再三指摘されています。
確かに「小事を捨てて大事を取る」というような意味合いでは、安倍首相のいう岩盤規制を壊すことで、経済は回るようになるかもしれません。
しかし、農村部にも人々の暮らしがあります。
私の住んでいる札幌の下町も、ガソリンスタンドがないような死活問題とまでは行きませんが、シャッターの降りた空きテナントは至る所に目に付きます。
私は出張に行くと、列車や地下鉄の車内に掲げられた広告の数でその地方の経済状況を推測します。東京に行くと中吊り広告をはじめ、びっしりと広告が張り巡らされ、あろうことかモニタから動画の広告が流れているのに驚かされます。
我が札幌近郊のJRの車内には、JR系列以外の広告はほとんど掲載されていません。首都圏のヒトが聞くと驚くでしょうが、政令指定都市、札幌でさえもこの状況です。
農村部から生活の火を消さないために、私ができるのは、農業に熱い思いを抱く元気な若者を輩出することしかありません。
ガソリン難民の記事を読んで、これからも酪農や農業の素晴らしさや大切さを発信していかなくてはと強く思いました。