聞き手・大隈悠
2017年6月26日09時16分
■野村ホールディングス 古賀信行会長に聞く
経団連の仕事で最近、地方都市をよく訪れます。アベノミクス効果が次第に地方にも浸透してきたのか、「景気が悪い」といった悲鳴の声は減っているように感じます。
確かに、かつて10%前後の成長を毎年続けた高度経済成長の再現は望むべくもありません。高い成長を続けてきた中国でさえ、行き詰まりを見せ始めています。ただ、現在の日本が置かれた条件を考えると、着実に前進していると言えるのではないでしょうか。
その一つの例として、全国的な有効求人倍率の上昇が挙げられます。人口減による働き手不足も背景にありますが、かつてのように「地方に仕事がない」といった状況は改善しつつあるのではないでしょうか。
一方、消費が伸び悩んでいるのは課題です。日本銀行は2%の物価上昇目標を設定していますが、給料の上昇は鈍く、将来の生活不安もあって、お金をため込む傾向もあると思います。
消費を上向かせるカギの一つは、資産を蓄えたお年寄りから子や孫世代に、お金が回りやすくすることだと思います。孫とホテルやレストランに行ったとき、おじいちゃんやおばあちゃんがニコニコして支払う光景をたびたび目にします。嫌がる人はいません。買い物や教育資金などに、新しい税控除の仕組みなどを考えれば、お金が回りやすくなると期待しています。(聞き手・大隈悠)
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