消費と節約、タイプは2種類!
今回のテーマは『お金は貯めたいが、節約するのは嫌』だ。
これは凡人のほとんどが抱えている悩みだろう。
私も凡人の一人として現在進行形で悩んでいるし、一生これで悩むことになるに決まっている。
消費と節約に関しては古くから二つの派閥がしのぎを削りあっている。
一つは節約重視型。
とにかく金には困りたくない、それも老後困りたくない。ジジイババアになって、暑さ寒さ空腹に耐えたくない。
誰かに借りて迷惑をかけるのも嫌だし、返せなくて怒られるのも嫌だ。
福祉の手を借りるにしても、そこに至るまでに、子どもどころか孫ぐらいの役人に、圧迫面接を食らいでもしたらその場で死んじゃう。
ともかく、金がないのも、金で迷惑をかけるのも、金で怒られるのも全部キツイ、貯金することでそれが回避できるなら、娯楽を我慢してでも貯金するべきだ派だ。
もう一つは消費重視型。
死なないためだけに生きてるなんて、虫かてめえは、どうせ来世はカナブンなんだから、今世、人間に生まれてきたことを神に感謝して、とっとと人間としての楽しみを享受しろよ、この田吾作が派だ。
つまり、将来が不安だからと言って、最低限度の生活をしていたら、そもそも何のために生まれて来たかわからないではないか、特に体が動く若いうちは、貯金はできなくても色んな経験をした方がいいという主張である。
何故この二つが昔から争っているかと言うと「どっちも正しい」からだ。
石油王だったら、多分節約は考えなくていいだろう、むしろ石油王が「老後マジ心配」と言い出し、消費を控えたら、ますます経済が回らなくなる。
だが我々は凡人である、結局この消費と節約をバランスよくやっていくしかないのである。
しかし、それが上手くとれないからキツイのだ、節約はストレスだし、浪費の誘惑と戦うのも苦痛だ。そしてこのストレスこそがさらなる悲劇を招くのである。
不安やストレスから解放されるために!
例えば、節約しなきゃと、誓った翌日に、ソシャゲで欲しいキャラのガチャが始まってしまい、盛大にガチャと経済を回してしまったとしよう。
そして、今出なくて後悔している(出たら1ミリも後悔しない)。自分は何をやっているのだろうという自己嫌悪、そしてこんなことをしていて将来どうなるんだという不安、ストレス。
この耐えがたき不安とストレスをどう解消したら良いか、と言うと、決まっている、ガチャを回すしかない。
このように、節約のストレスでさらに散財してしまう、という人間が少なからずいるのだ。
よって、どうストレスを感じず節約、不安を感じず消費するかが問題なのである。
もちろん必要なのは「無理なく年間○○万貯金できる」みたいな本を買うことではない、むしろそれを買ってしまう神経が貯金できない根本的理由だし、そういう本には「結婚してダブルインカムになって貯金しよう」みたいなことが平気で書かれている、なぜ書かれていることを知っているかはお察しだ。
大切なのは集中力だ。
節約と消費が繋(つな)がったものだと考えるから、きつくなるのだ、全く別物、節約の時は節約、消費の時は消費のことしか考えないようにすればいい。
つまり、好きな男の胸の中で、違う男の夢を見てはいけないのだ。
いや、オングさんほどになると、そういう芸当が可能なのかもしれないが、何度も言うが我々は凡人である。
危険回避のための集中力
つまり、コミケで欲しい本の列に並んでいる時は、ここに来るまでかかった交通費とか、明日からまた時給780円で働かなきゃいけないとかは一切考えず、列の先にある推しキャラのリョナ本のことだけ考える。明日を考えないというと無鉄砲に聞こえるが、楽しみの最中に明日のことを考えるのは愚の骨頂である。
逆もしかりで、コミケで興が乗りすぎて、今月はティッシュにしょうゆをかけたものしか食えなくなったとする。
その時に、焼肉のこととか考えるから、目の前のティッシュがみすぼらしく、みじめに感じ、手に入れたリョナ本を転売してでも焼肉を食うなどという、節約どころか消費まで台無しにしてしまったりするのだ。
だからティッシュを食うときはティッシュに集中すべきなのだ、この世にはティッシュ以外の食い物はないぐらいに考えよう。
なんだったら脳内でティッシュに「お前は俺のことだけ考えてろ……」と好きな声優の声で喋(しゃべ)らせてもいい、私は子安武人だ。
つまり、消費も節約も石油王でない限り、どっちもしなければいけないのだ、だったら二つの精度を上げるしかない。
片方をしているときに片方のことを考えるから、辛くなったり、楽しさが半減したりするのだ。
好きな男の胸の中では同じ男の夢を見て、違う男の夢を見る時は、今すぐその男に抱かれに行く。
オングさんではない我々は、そうやって生きていくしかないだろう。