----H----069------------
----i---------------------
----y-----------------------
----o-k-k-o---------------
---------------------------
---------------------------------------------------------------
(一国)いいじゃないか。(鉄男)やっぱり ケーキも用意した方がいいんじゃないかな。どうかな こころちゃん。
え?(鉄男)ケーキ。ああ…。
ケーキ入刀ですか?吉川さんと女将さんだったら固めの杯の方がいいんじゃないですか?
いやいやいや あのね 女将さん1回目が それだったから2回目は ちょいと変えた方がいいんじゃねえのかな。
なあ 鉄ちゃんよ。どうかね 美佐子ちゃん。
お前たちが結婚するんじゃないんだからご当人の女将さんに聞いてみなくちゃ。
まあ そりゃそうですけどね。
ただいま。(一同)お帰りなさい。
おばあちゃん…。お母さん どこ行ってたの?
何の相談だい?
何がって 女将さんの結婚の話に決まってんじゃないすか。
女将さん やっぱりね ケーキの方がみんな喜ぶと思うんですよね。
ケーキは やめとこうかね。ほら 見てみろ。
日本人だったら固めの杯に決まってんだろうよ。
ねえ 女将さん。杯も やめようか。
(万太郎)え? じゃあ 何にすんですか?
何もしないんだよ。え?
どういう事?
結婚はしない。
しないって?
ブラジルに行くんだよ。(一同)え~!?
<これから起こる騒ぎの予感にこころの胸は高鳴っていました>
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
(みね子)いがったですね戻ってきてくれて。
(啓輔)はいありがとうございます。
(早苗)そうかな?
本質的な問題は何も解決してないんじゃないの?
だって 2人で ずっとやってて全然ダメだったわけでダメな状況は何も変わらないんじゃないの?違う?
そんな言い方したら身も蓋もないじゃないですか。
冷たすぎますよ そんなの。
(島谷)そうでもないんじゃないかな。えっ?
早苗さんは そんなに冷たい人ではないと思うけどな。本当に冷たい人はあんなに人のことを長く語ったりしないと思う。
というこどは?
みんなとの会話を楽しんでる。実は おしゃべり好きな人でてれ隠しで意地の悪い言い方しかできない。
ほら 今も分かりにくいけどとても楽しんでいる。ですよね?なるほど。
帰る。えっ? あっ!
あんたさ。(島谷)はい。
まさか私に惚れてんじゃないでしょうね。
は!?えっ?
悪いけど 私 あんたみたいに上から分かったようなことを言う男は嫌いだから 諦めて。
ご心配頂かなくて 大丈夫です。
僕も 喜怒哀楽の分かりにくい人は苦手なんで。
あっ そう それは よかった。はい。
てか 何でさ 何であんたは怒んないのよ 相棒を。「何やってたんだ?」って。
いや あの…。いいけど。
いいがです帰ってきてくれただけで。
(祐二)啓輔…。
聞いてくれるけ? おらの話を。
えっ? あっ うん。
あっ でも やな話なら聞かん方…。
聞きますちゃ。
年末に 一緒に高岡ん帰って駅で おらっちゃは別れた。
恐らく うちに帰れば久しぶりの実家やちゃ。
居心地はいいというか里心がついてしまうちゃろ。
別に 高岡が嫌でうちを出たわけちゃないからな。
でもおらっちゃは 確認し合ったちゃ。
あくまでも 今回は久しぶりに 親に顔を見せっための一時帰郷やち。おらっちゃには 夢がある。それを忘れんなと。
そうやっちゃよな。あぁ。
そして うまいもんをたらふく食いだめしたくさん 食いもんを持ち帰りできれば小遣いももらって帰ろうと。
そのとおりやちゃ。え…?
<お父さん…。ちょっと いい話を想像してたんですが…>
そして 確実に家でちゃ 引き止められっちゃ。
やけど おらあ 負けんかった。
親の あの手この手の引き止めにも応じんかった。
ほんまに ありとあらゆる手を使うてきやがった。
見合い話まで持ってきたんやぞ。見合い?
(祐二)あぁ!全く 冗談やないがいぜ!
そうすらぁ おらが残っと思ったがやろうけど…。
♪~
こんな顔した女やぞ!冗談やないちゃ!
はい?写真は見たんだ?
そりゃ 見るやろ?
じゃ きれいな人だったらどうだったんですか?
えっ? そりゃあ…。
もう…。
断ったに決まっとるやないけ。
どうだか。ねえ!
で?で?
あぁ…。見合いも ちゃんと断りですね1月4日に帰ろうと荷造りもしました!
何があったんけ?
うち 運送業やがね。
1月4日は初荷っちゅうやつで忙しいてね。
ちょうど そん日の朝に運転手が一人 ケガしてしもうて手伝わんわけにはいかんがんなってしもうたがいちゃ。
そうやったがけ。
<やっと いい話になってきました>
で まぁ 大変ながを振り切って帰るがもあれやなと思うてそん日 手伝ったわけやちゃ。
やけど まぁケガや すぐに治らんくってな一日 また一日と仕事を手伝うことんなってしもうて。
なるほど。
そうながいちゃ。
ずっと啓輔のことを考えとったよ。
どうしとっかなって悪いなってな。
でもこう考えることにしたがいちゃ。
その分 アルバイト代はもらえっかんなそん金を東京に持っていってまた一緒に 思いっきり漫画を描くがやってな。
祐二…。
…でその従業員のケガが治ったから東京に帰ってきたというわけか?随分と長くかかったんだな。
いや ケガは10日ぐらいで治ったがいけど。
10日?
そこから2か月ぐらいありますけど。
あっ うん そうながいちゃね。
何をやってたんですか?
(早苗)白状しろ。
いや… その つまり…。
恋をしたがいちゃ。
恋?
(ため息)取引先の娘ながいちゃね。
毎日 そこに荷物を届けるうちにその 何と言うか…。
恋をしてしまったがいちゃ。
何とも かわいい子ながいぜ。内藤洋子に そっくりな。
内藤洋子?内藤洋子ですか…。
えっ?内藤洋子?
そんじゃ 無理もないっちゃね。なるほどね。
島谷さん 好きなんですか?
うん。
へぇ…。
いやいやいやえっと そうじゃなくて。
あの 何ですか そのそれなら しかだないなみたいな感じなの おがしくないですか?
内藤洋子やぜ。
まぁね。やよな。
何だ それ。
気を付けろ 男っていうのはこういう くだらないところでは妙に理解し合うところがあるからな。
なるほど。
やって 内藤洋子と毎日 会えるがんですよ!
似でるってだけでしょう!そりゃ そうやけど。
どうせ 振られたんだろ?だから 東京に帰ってきたんだろ?
そういうことだろ?え…。
(早苗)図星か。
絶対 漫画で有名んなって見返したるがや!
何じゃ あんな女!
(ため息)
えっ? 終わりですか?
終わりですちゃ。
全然いい話じゃないじゃないですか。
誰も ええ話やなんて言っとらんし。
そうですけど。
君は それでいいの?ええ…。
いいがです 帰ってきてくれれば。
僕も 謝らんといかんがです。
(祐二)何やちゃ?
僕 ちょっこす考えとりました。
もう 祐二は帰ってこんがかと思って覚悟を決めんにゃいけんなと。
で そんでいいがんないかよかったがんないかって。
(島谷)どういう意味ですか?
僕らは 藤子先生に憧れて2人でやっとったけどそもそもそれに無理があったがんないか一人の方がうまくいくがんないかって思い始めとりました。
(祐二)えぇ?
すまん 許してま。
何 言っとんがや。お互いさまやないか。
祐二!啓輔!
♪~
あっ じゃ 僕ら そろそろ。
そうだな。そうですね。
あっ! ちょっこす待って下さい!
えっ?
♪~
えっ!?
<何だか 嫌な感じです>
みね子さん!えっ?
あんたさん漫画のことを あんまりいやほとんど知らんらしいですね。
はい すみません…。
そういう人ん意見が聞きたいがです!
漫画雑誌の編集者ちゃいわば 漫画のプロです!
ある意味で あん人らの意見は専門家の意見や。やけど ほんまの読者と感覚が違うがんないか。
ほんまの読者は漫画の専門家やない。
そういう人ん感想を聞いてみた方がいいがんではないかと!
何か 理屈がねじ曲がってる気がするな。
そうですね 認められないのを人のせいにしてる感じがします。
読んでみて頂けませんか?
♪~
えっ? 今?(2人)はい!
<お父さんどうしたらいいんですか?>
<つまんないです…>
<「キカイダケニ キカイタイソウデス」。「ズコ」>
フッ…。
フフフ!
<今のは うそです。ちょっと笑った方がいいかなと>
アハハ…。
<2人ともとっても うれしそうで何だか 私は どうしたらいいか分からなくなってしまいました。これを2人で一生懸命 描いたんだなってたくさん考えて描いたんだなって。その姿を想像したらつまんないけど本当に全然つまんないんだけど何だか 私その姿を思い浮かべたら…>
(すすり泣き)
頑張って… 下さい…。
♪~
感動してくれとるぞ。
本当や 泣いとる。
あらあら アパートの部屋だけで今日は終わってしまいますねぇ。
続く。