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【Inamoto Hirohisa】
稲本浩久
株式会社リコー
研究開発本部基盤技術開発センターIVI技術開発室

1975年大阪府生まれ。2002年大阪大学大学院を修了後リコーに入社。以来、主に画像処理技術の研究開発に携わる。これまで、コピー画質を向上させる画像処理技術の開発や、画像認識を利用したスキャナ向けの新機能開発などを担当した。最近では社内の設計業務の改善に利用するインクジェットプリンターの画質予測技術の研究開発を担当している。

【Yuki Masami】
ゆうきまさみ
マンガ家

1957年北海道生まれ。1980年、サラリーマンを続けながら執筆した、『月刊OUT』(みのり書房)掲載の「ざ・ライバル」でデビュー。1982年に6年勤めた会社を退職し、以降はプロとして『週刊少年サンデー』をメインに活動。1988年には『究極超人あ〜る』で第19回星雲賞マンガ部門受賞。1990年には『機動警察パトレイバー』で第36回小学館漫画賞受賞する。その後も、『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』や『鉄腕バーディー』など、長期連載の作品を精力的に手がけてきた。最近では執筆作業の多くの部分にデジタル機器を導入。Twitter(@masyuuki) による投稿も盛んで、人気を呼んでいる。2013年8月末より『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて新作『白暮のクロニクル』を連載中。

え、『パトレイバー』からもう15年!?

稲 本: でも、まだロボット工学の方は、『パトレイバー』ほどには発達していませんね。きっと、2036年でも人間がラクに搭乗できるものは、完成していないんじゃないかな。もちろん、世代的にとても楽しみしている分野なのですが。
ゆうき: そうそう、いまロボットを作っている人たちを見ていると面白いんですよ。最初にロボット的なものを作り始めた人々は、『機動戦士ガンダム』を作りたかった世代。で、いまは『パトレイバー』を読んで影響された、若い人が活躍しはじめているようですね。
稲 本: 連載開始が1988年で、確かそのときの舞台は1998年という設定でしたよね? 現実は、さらにもう15年以上も進んでしまっているんだ。
ゆうき: 手塚治虫先生の『鉄腕アトム』の誕生日は、2003年4月7日という設定だと、知っていました? もう10年も前のことになるわけですが、現代の技術では『アトム』も実現できないですよね。でも、逆にマンガのエピソードで「山奥の村には、まだ電気が通っていない」という設定の回もあったりするんです。いまとなっては、そのあべこべな感じが実に興味深い。

「マンガ家」の役目、「研究者」の役目

稲 本: リコーも1936年の創業当初からすると、ずいぶんと事業内容が変わってきました。すでに80年近い歴史があるわけですが、これから2036年に100周年を迎えるにあたって、さらに先を見通す力というのが必要になってくると思います。ちなみに2036年には実現していてほしい技術って何かありますか?
ゆうき: そう聞かれても、なかなか出てこないですよね。僕の場合、マンガに描いてみて、初めて自分の欲求がわかるという部分があって。
稲 本: ああ、そういうものなんですか。
ゆうき: 日本のSFマンガって、表向きは洞察力がすごいって言われているけど、実際に現実が追いついていない部分はたくさんあるんです。逆に言うと、そうした夢のあるものを、僕らがもっと魅力的なマンガに描いちゃえばいいんですよね。そしたら、研究者の誰かが実現してくれるだろうっていう(笑)
稲 本: そういうメッセージを受け止めるアンテナを敏感にしておかなくてはいけませんね。かつては夢物語であったものを現実にするのは、私たちの「役目」ですから。クリエイターさんと研究者の追いかけっこ、なんだかすごく愉快です(笑)

※ 本Webサイト上で使用される会社名、製品名、サービス名は各社の商標または登録商標です。

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「適当」っていうのが一番難しい

ゆうき: ところで、僕のような素人には、画像認識の仕組みがわかりません。たとえば、どうやって画像のなかの人間の顔を認識できるんですか?
稲 本: 私が携わっていた研究は、画像の明るさの分布や、パーツの並びを統計的に判断するというものです。色を使って、たとえば肌色が多いところが顔らしいと認識するような研究もありますね。人間には簡単な作業も、コンピューターはけっこう苦労しながらやっているんですよ。
ゆうき: コンピューターにとって「適当」っていうのが、一番難しいと聞きますね。でも、いずれはその部分も、人間を超えることもあるんでしょうか?
稲 本: 私はそこには懐疑的です。人間の脳は、単純計算などではコンピューターに歯が立ちませんが、認識処理では勝っている。我々は普段なにげなく使っている能力なのですが、かなり高度なものなんですよ。その部分はコンピューターもだいぶ近づいてきているんですが、完全に追いつくにはもう少し時間がかかるのではないでしょうか。

劇的に進化しちゃうと、ちょっと困る

ゆうき: なるほど、ブレイクスルーを待つしかないのかな。人工知能もいまいち、「おお、すげー」といったところまでは至ってない気がしますしね。
稲 本: ただ、脳を模した古い技術を最新のコンピューターで大規模に実装したら、劇的に良い性能を示したという事例もあります。コンピューターの性能向上こそが重要で、認識技術のブレイクスルーは必要ないのかもしれません。ところで、ゆうきさんの人生の中で、一番驚いた技術的進化って何ですか?
ゆうき: やっぱり「電話」じゃないですかね。『機動警察パトレイバー』を連載していたくらいの時には、携帯電話がここまであっという間に普及するとは思いませんでした。
稲 本: あれ、あの作品には携帯電話が出てこなかったんですか? なんだか意外だな。
ゆうき: 一気に普及したのが、連載が終わった後だったんです。これは本当に良かった。連載途中で、現実世界が劇的に進歩しちゃうと…ちょっと困るんですよね(笑)。それにしても、いまは携帯電話があるおかげで、仕事をサボって映画に行ったりできなくなっちゃった。
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あえて劣化させるという発想

ゆうき: ウチの事務所のコピー機、実はずっとリコーなんですよ。すごく印刷がキレイなので、とても気に入っているんです。
稲 本: それは、光栄です! でも、いまやマンガの現場もデジタル化が進んでいると聞きました。原稿を紙に出力する機会は減っているんじゃないですか?
ゆうき: いや、デジタルで作業しても、やっぱり最終的には紙で仕上がりを確認したいんです。読者は「印刷物」で作品に触れるわけですからね。あと、不思議なもので、紙の方が誤字脱字も発見しやすいんですよ。
稲 本: そういう研究データ、読んだことがあります。「手書き文字」と「活字」を比べると、「手書き」の方が頭に入りやすいということもあるようですね。
ゆうき: そういや、稲本さんは画像認識に関する研究をされていたそうですね。やはりお詳しい。
稲 本: いえいえ、恐縮です。でも、そんな私の立場からすると、ホログラム映像を投影する際に「重要度によって解像度の切り替えができる」という今回の未来予測は、目からウロコでした。

「これはリアルでないんだよ」

ゆうき: 僕は作画のときに、ひとりで作業をしていたら孤独に耐えられないと思うんですよ。だから、アシスタントさんが遠隔地にいても、バーチャルな場を共有できたらいいなと思うわけですが、ぶっちゃけ作業中はお互いに高解像度で見えている必要はないですよね。
稲 本: そこにいると感じられればいい、というわけですね。
ゆうき: ええ。親しい仲なら、ちょっとばかり不精な格好してる可能性もあるので、それも隠せるし(笑)
稲 本: 私たち研究者は、画像について「いかにキレイに、いかに高速に」できるかを考えてきました。なので、ゆうきさんのご提案のように「情報にメリハリをつける」というのは、すごく新鮮に感じます。
ゆうき: そういうところは、マンガ家的な発想かもしれませんね。
稲 本: しかも、これはバーチャルな映像とリアルな物体を一緒くたに認識させるシステムですよね。だからこそ、「これはリアルではないんだよ」と明確にする必要もありそうです。
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第2回となる今回は、東京・銀座にあるリコー本社にて、ゆうきまさみさんとリコーのエンジニア・稲本浩久との対談を実現しました。ゆうきさんが思い描いた未来をもとに、西暦2036年の“働き方”をさらに深めていきます。『機動警察パトレイバー』の話からコンピューターの認識処理の話まで、濃く絡まりゆくふたりの話題。果たして、どんなイマジネーションが発火(IGNITE)され、燃え盛っていたのか?

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ゆうきまさみ
マンガ家
稲本浩久
株式会社リコー
研究開発本部
基盤技術開発センター
IVI技術開発室
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WORK STYLE
ゆうきまさみ ✕ 働き方

2036年の“働き方”は、「バーチャル通勤」がトレンドかもしれない

どんな未来でも人間はリアルな感覚を求めてしまうと思うんです。
というのも現代の技術は、音声でスマホを操作したり、手書きで文字を入力したりと、
慣れ親しんだやり方を追い求める形で進化してきたでしょう?
だから、2036年でも「通勤」というアナログなスタイルはなくならないと思います。
ただ、在宅や遠隔地で勤務する人でも、リアルとバーチャルの間で、まるで相対しているかのように、
オフィスの人と共同作業ができる…。そんな働き方が実現しているかもしれません。

※このページのテキストは、ゆうきまさみさんへの取材をもとに、リコーが構成いたしました。

進化したARメガネで
遠隔地の同僚を立体投影
実は彼女、「生き霊」みたいな存在で、実際は「そこにいません」。というのも、今回のイラストは、進化したARメガネ「越し」の風景。つまり、この女性がかけているメガネと同じものを「あなたも装着している」というわけ。これは、遠隔地の人間を等身サイズのホログラムで見せてくれる代物なんですよ。
ARメガネ越しに
部屋の「壁紙」をチェンジ
重ねてお伝えしますが、今回のイラストは進化したARメガネ越しの風景。だから、このお寺も実際は「そこにありません」。プロジェクションマッピングの要領で、メガネが部屋の壁に映し出したものなんです。その日の気分に合わせて、この壁紙を変えると、きっと仕事の効率もあがるはずですよ。
雑談は「モザイク」表示で!?
重要度によって使い分け
左の男性は「そこにいる」のですが、その雑談相手の右の女性は、メガネが映す「遠隔地の同僚」。いまのあなたにとって重要ではない相手は、低解像度の省エネ表示になる。大事なのは「そこにいることを感じられる」ことですから。
「デスク型モニター」で、
メンバーすべての作業を同期
このデスクは、遠隔地の同僚のデスクとも同期されていて、チームの全作業がリアルタイムで確認できるもの。だから、ARメガネが映し出す立体映像の動きとあいまって、メンバーと「場を共有している感」がさらに強まるんです。
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