ヒアリの特徴:
・ 土でできたアリ塚(巣)をつくる。
・巣を刺激すると素早く動くアリが大量にでてくる。このときのアリはとても攻撃的(動画1)。ただし普段はもっとゆっくり歩きます。
・赤っぽくツヤツヤしていて、働きアリの大きさが2.5mm-6.5mmと連続的な変異がある(これが重要)。腹部の色は暗め。
・針で刺し、刺されるとひどく痛む。やがて水疱・膿疱ができて周囲か赤くはれる
・ 行列を作り餌に集まる。
→これらのうちの2つ以上をみたしたらヒアリを疑いましょう。
(ヒアリほど攻撃的でないアカカミアリでは、上記特徴があてはまらない場合もありますが、身体的特徴はヒアリに良く似ています。どちらも要注意種であるに違いありません)。
ヒアリでないもの:
・黒いアリ(ただし海外には黒いヒアリ類もいます)
・2.5mm以下の小さいアリ
・赤っぽいアリでも大きさに連続的変異のないもの
→これらはヒアリではありません。
2. ヒアリに刺されると死ぬの?
ヒアリは毒針でヒトを直接加害する国際自然保護連合の世界の侵略種100にもランクされる危険な外来種ですが、日本のマスコミでは衛生被害に関する情報がやや誇張され流布されています。まずは、以下のことを心がけましょう。
1)ヒアリに身体をはわれたら:少数のアリが身体についたときには、躊躇せず手で振り払うか指で潰すことで十分対応できます。むろん、地面などにいるアリをむやみに触ってはいけません。
2)巣を踏んでしまったら:間違って巣(アリ塚)の上に足を踏み入れてしまうと怒ったヒアリが大量に身体に登ってきます。そんなときはもはや手で振り払うことはできません。手足をぶるぶる振るってふるい落としましょう。
3)もし刺されてしまったら:落ち着いて「死ぬことはまずない」と考えてください。利用可能な医療機関が近くにあるならほぼ大丈夫です。毒性が強いと指摘されているヒアリ個体群が生息する台湾でも確実な死亡例はありません。海外での死亡例はすべてアレルギー(アナフィラキシーショック)によるものです。刺されて、しばらくして(数分〜数十分)頭痛、動機、吐き気などで気分が悪くなったり、じんましんがでたら急いで医師にみせ治療してもらいましょう。皮膚科、内科、小児科などほとんどの診療科で対応できます。ヒアリの場合は初めて刺されたときにアレルギー症状がでることがあるのでここは要注意です。ハチアレルギー持ちかどうかとヒアリアレルギーは関係ないです。アレルギー症状がでなければとりあえず安心し、刺された部分の痛みかゆみには市販の虫刺され薬等をぬりましょう。
3. ヒアリに関する問い合わせ先
ヒアリが確認された地域の自治体が問い合わせに対応しています。以下のURLをご覧下さい。
神戸市 http://www.city.kobe.lg.jp/safety/emergency/other/solenopsis_invicta.html
尼崎市 http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kankyo/hozen/040482.html
4. ヒアリに関する詳しい情報を載せたとても良い書籍があります
ヒアリの生物学
https://kaiyusha.wordpress.com/2008/12/20/ヒアリの生物学/
辻 和希(国際社会性昆虫学会日本地区会長)