中高年からはじめる趣味は、心から楽しい!と思える方が良いですよね。
趣味の中には、どこかに出展する場合もあるかと思います。そんなとき、審査員の目に止まる作品を作るか、自分の個性を貫くかという世界がありました。本当に自分が求めているものなのか・・・と考えた事があったんですよ。
趣味は楽しい世界
40代前半ごろ。将来を考えて始めた趣味が、なぜ続かなかったかというお話です。
私は植物が好きなので「押し花」を趣味にしていました。講師の資格を取っておき、将来家庭に入った時の糧にしようと思ったんです。安易に好きなことだから、と。
「押花」といえば、本の間にお花を挟むイメージでしょうか?
私も最初は、お花を押すだけのものだと思ってたんですが、実はとても奥が深かった。あらゆる植物素材を使って個性を表現する、素晴らしい世界なんです。
押した植物たちを絵の具にして、絵画を描くような感じ。
きちんと保管しておけば、違う季節に咲く植物を隣り合わせて楽しむことができます。
押花の趣味。例えばこんな世界です。
私がレッスンしていた頃の制作途中ものですが、ほんの少しご紹介。
全て基礎パターンを真似たものなので、デザインは私のモノではありませんけどね。
全て、自然の色なんですよ~。
▼リースの一部。
花びらをバラバラに押して、組み立てから乗せています。組み立ての練習も楽しい。
▼御所車の一部
黒っぽい部分はナスの皮。緑色はポトスの葉です。
▼上の御所車で、車輪の内側に使ったキラキラは「タブ」の新芽。
金色に輝く綺麗な新芽です。このキラキラ状態でいる期間は1年のうちで数週間だけ。以下は既に押した状態です。
▼森や山の景色
木の皮で「岩」を表現。光が当たっている様子を表現するために、紅葉した葉をまぜて乗せています。少し枯れかかった葉も押しておき、影として使います。
風景を学んでおくと、厚みのある植物を扱う作品も作れるようになります。
こんな風に、押した植物を並べて作品を作っていきます。
細かい作業が大好きなので楽しいです。
そう。楽しいんですよ。押した植物たちがどんな風に仕上がるのかを見るのも楽しい。
だけど・・・自分の求めている世界と違う気がしてきました。
基礎は大事だけど
押し方や表現の方法は色々あります。そこで、最初はお手本を真似しながら学んでいきます。どの世界でも基礎が身についていなければ、自分の個性を存分に出すことが出来ませんよね。だけど・・・。
お手本は「基礎」なので、奇抜なパターンはありません。
ここで私のわがまま登場です。
綺麗なんだけど・・・ただそれだけ。構図もワンパターンです。基礎を学ぶためとはいえ、普通すぎる世界を作りたくなくなってしまいました。
優等生すぎて、面白くないのです。
そこで、少し自分のオリジナルを足して進めていくんですが・・・そこはレールの外れた世界なので、先生アドバイスにて手直し頂く事になります。
その結果「先生が良いと思った作品」になってしまうのです。
私の作品じゃなくなってしまう。
それがレッスンですからね。そのために通ってるんですから当たり前です。先生は良かれと思って指導してくださいますから、有難いんですよ。だけど・・・どこか納得しない、わがままな私。
基礎を学びながら個性を出すって難しいですね。
個性を封印した、審査員の好みの作品作り
個性を出すことを考えたときに、こんなこともありました。
あるときレッスン中、先生や生徒さんと一緒に本を見ていたんですよ。大きな展示会で「賞」を取った作品たちの本です。
生徒さん達は絶賛していましたが・・・私の目には、正直どの作品もあまり違いが無いように感じたんです。どれも似てる。全体の2/3を和紙で空間を作って、葉を添えているようなものばかりで、ちょっと寂しい感じ。
うーん、あんまり良いと思えない。
私がまだ未熟なせいだろうか。
経験も知識が足りないからかなぁと思っていたその時。
先生はじっくりと頷きながら・・・
「●●先生が審査員だものねぇ」とおっしゃったのです!
そういうことか!とハッとしました。●●先生は押し花界では大御所です。
大御所先生は、薄く重ねた和紙に美しく押された葉を1、2枚使う作品で有名なんです。先生の目にとまるよう、先生の好みの雰囲気ばかりなわけです。
要するに、肩書を得るために作られた作品が「賞」を取っているのです。
押し方のテクニックや、魅せ方の腕も賞をとるために必要ですが、作品としての「個性」はどうなんだろうか・・・と思ってしまった。
なぜそうするかと言うと、「賞」を取ればハクが付くので沢山の人に見てもらう機会が増えるから。教室を持っていている先生だとしても信頼に繋がるからです。
個性を封印して、賞を取って注目をあびるか。遠回りしてでも自分の個性を貫くか。
ブログで言うならば・・・
皆が注目するようなネタでバズって近道するか、ありのままの自分を貫くか。というところでしょうか。あ、ブログを書かれていない方には意味不明な内容でしたね。
もう頭の中がブログでいっぱいなので。ごめんなさいねぇ~。
この先、どう楽しみたいのか
趣味の話に戻しますね。
押花は世界に1つの作品を作る事が出来る、自由で楽しい世界です。
季節を感じながら、草や土のにおいに触れたり発見もある、素晴らしい趣味ですよ。
けっして避難しているわけではないので、誤解しないでくださいね。
私に限定して、この趣味を考えた場合・・・。
自分で応用できるまでになったとして。ただ漠然と作品を作るだけでは、満足できなくなると思ったんですよ。沢山の人にみてもらいたい場合「個性」を封印する時も出てくるわけなんですよね。
サークルに属していたら、その展示会のために作品制作ノルマもあったりします。
心から良いと思っていないテーマなのに、時間に追われて作る。しかもその作品が家に残ってしまう。私には続かなそうに思いました。
中高年が趣味をはじめるときのポイントとして考えたとき・・・。
この先どうしたい?
心から楽しめそう?
ノルマがある場合、どう感じる?
モノが増えて行く趣味の場合、どうしていく?
これらは大事だなと改めて思いました。団体運動系の場合は、人間関係もあるかもしれませんね。
その趣味の先が、自分のプラスになるかどうかも大事だとおもいます。
せっかくの時間ですから。
趣味は自分らしく、心から楽しみたいですね。