展示の目玉は、巨大なトイレ滑り台だ。うんち帽子をかぶって、滑り台を降りると、下水道からうんちになりきって海へと流されていくのだ。
後半は、25億人がトイレを使えないという世界の実情や、東日本大震災の被災地でのトイレ利用調査結果など、大人向けの展示が続く。
目玉の滑り台は、「週末は1時間待ち」(同)という人気。滑り台を除いても、観覧に1時間はかかる充実の内容だ。その日の朝のうんちを粘土で工作するコーナー(平日のみ開催)も子供に大人気という。
「トイレやうんちのことを、オープンに語ってもらいたい」と企画され、約60の企業、団体、個人が協力。その一人であるNPO法人「日本トイレ研究所」代表理事の加藤篤さんは、「社会にうんちが受け入れられた感じがしている。追い風です」と企画展の成功を喜ぶ。
加藤さんは大学で建築を専攻し、設計事務所で町作りに携わるうちに、トイレの大切さを実感。1997年から、被災地のトイレ対策のほか、トイレ教育のため、王冠とマント姿の「うんち王子」に扮して、小学校への出前授業などを行っているという。
「小学校でトイレに行くといじめに遭うこともあり、子供にとっては恐怖の対象にもなっている。でも、うんちを通じて、環境問題や健康問題などいろんなことを学べる。マイナスなイメージのうんちを、プラスのものに変えていきたい」(加藤さん)
「くさい」「恥ずかしい」とはもう言わせない。今夏はちょっと変わった展覧会がオススメだ。