乳がん検診で発見されるような小さな乳がんは、そもそも予後が良いのでであって、大きくなる前に見つけるから予後が良いわけではない。
そんな研究報告が世界トップの医学雑誌に掲載されました。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsr1613680
http://news.yale.edu/2017/06/07/mammograms-are-we-overdiagnosing-small-tumors-0
外国では、研究を紹介するニュースも流れているのですが、日本ではさっぱり報道されません。
https://www.wired.com/story/with-breast-cancer-the-best-treatment-may-be-no-treatment/
With Breast Cancer, the Best Treatment May Be No Treatment(WIRED)
(乳がんに関して、最良の治療法は何もしないことかもしれない)
http://www.healthline.com/health-news/monitoring-tumor-is-sometimes-better-than-aggressive-treatment
Monitoring a Cancer Tumor is Sometimes Better Than Aggressive Treatment, Study Finds
(がんの大きさを監視することが、積極的な治療よりも良い結果をもたらすことがある)
また、NEJMの同号には、金持ちほど余計な治療(過剰診断、過剰治療)を受けてしまうというWELCHの皮肉な研究も報告されています。
http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMp1615069
麻央さんは、エビデンスのない30代の検診を受け、結局命を救えませんでした。
一方、検診で助かったと思っている患者の多くは、検診を受けなければ治療の必要がなかった過剰医療の被害者です。
検診の問題については、文春の記事に、日本語でわかりやすく書かれているので、こちらも参考としてください。
http://bunshun.jp/articles/-/1712
『がん検診を信じるな 「早期発見・早期治療」のウソ』鳥集徹(宝島新書)より
しばらくブログから遠ざかっていたのですが、あまりに検診の誤った情報が流れているので久しぶりに投稿しました。