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新・独学術
【第4回】 2017年6月24日
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侍留 啓介

英語リスニング力は「○○」を知るだけで大きく伸びる

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マッキンゼー・アンド・カンパニーなど要求水準の高いビジネスの現場を渡り歩き、「可能な限り優れたパフォーマンスを実現するためにはどうすべきか?」と試行錯誤してきた著者が提案する、ビジネスパーソンのためのまったく新しい学習法『新・独学術――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』。佐藤優氏が「ビジネスパーソンにとって本当に役に立つ最良の書」と絶賛するなど話題の同書より一部を特別公開する。

「リエゾン」を理解すれば聞き取れる

 リスニングやスピーキングは、英語の中でも、日本人が最も苦手とするところです。そこで私は『新・独学術』では、ビジネスパーソンにとって大事な英語力を身につけるにあたっては、読み書きのほうに注力して、リスニングやスピーキングに対してはある程度わりきって取り組むべきだと述べました。

 日本語の会話を考えてみてください。日本人同士でも、方言や言い回しはバリエーションに富んでいて、ときに何を言っているかわからない場合さえあります。それが英語であればなおさらです。方言や話し方の癖は千差万別で、どれだけ学習しても完璧には身につかないのがリスニングとスピーキングなのです。また、リスニングとスピーキングの実力を上げるには、毎日ディクテーション(書き取り)や暗唱をするなど地道な努力が不可欠であり、一朝一夕には身につきません。

 ですから、リスニングとスピーキングについては、最小の努力で効果を生むポイントのみを説明します。

 リスニングに苦手意識を持つ人は多いですが、多くの場合、その原因は「リエゾン」知識の欠如にあります。リエゾンとは、ある単語と単語を続けて話す際に、辞書的な発音記号と違った発音になったり、2つの音が1つの音のように発音されたりすることです。「Ilove you.」の発音は「アイ・ラブ・ユー」ではなく「アイラビュー」と、単語の語尾の音が弱くなって次の単語の最初の音と同一化しますが、これがリエゾンです。この現象により、単語が聞き取りにくくなるのです。

 日本の英会話教育では、このリエゾンについての指導が致命的に欠けています。逆にいえばこのリエゾンを聞き分ける力を伸ばすことで、平均的な日本人より、英語をよく聞き取れるようになります

 私はかつて、『ハイディの法則77』(ハイディ矢野、講談社)という本でこのリエゾンを学習したとき、リスニングのスコアが急に伸びました。

 この本では「get on はゲロンと発音」など、英語の発音を日本語のカタカナで理解することができます。こうしたカタカナを用いた学習法は「邪道だ」との意見もありますが、実際、ネイティブの発音は「ゲロン」と「ゲット・オン」、どちらに近いかというと「ゲロン」です。

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侍留 啓介(しとみ・けいすけ)

岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、三菱商事にて金融投資業務を担当。その後、シカゴ大学経営大学院にてMBA(経営学修士)を取得。帰国後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、金融・消費財・製造業など幅広い業界において経営コンサルティング業務に従事。現在は、外資系投資ファンドであるCLSAキャピタルパートナーズにて投資実行・経営支援に従事。大手学習塾の取締役を務めるなど教育ビジネスにも精通。また、京都大学博士後期課程にてファイナンス理論(専門はコーポレートガバナンス)を研究している。


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ビジネスパーソンとしての実力を上げるために、「膨大な知識」をどう頭に入れるか? 「高度な論理力」をどう身につけるか? マッキンゼーなどの要求水準の高いビジネスの現場で「可能な限り優れたパフォーマンスを実現するためにはどうすべきか?」と試行錯誤する中で編み出した、最も効果的な方法。ビジネスパーソンのためのまったく新しい独学術!

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