未認証チャイルドシート 安全基準 満たさず
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一部のインターネット通販で、国際的な認証を受けていないチャイルドシートが販売されていることから、国が安全性を調べたところ、いずれも強度の基準を満たしていないことがわかり、国土交通省は今月から通販業者の指導に乗り出しました。国土交通省は認証マークのないチャイルドシートを購入しないよう注意を呼びかけています。
チャイルドシートは事故の被害を軽減するため、平成12年から6歳未満の子どもに着用が義務づけられています。
強度などの基準を満たしたチャイルドシートには「Eマーク」と呼ばれる国際的な認証マークか「自マーク」と呼ばれる国の認証マークがついていますが、一部のインターネット通販では、いずれの認証もない製品が販売されています。
国土交通省が未認証の7種類の製品について実験を行った結果、衝突の衝撃によって体を支えるベルトがちぎれたりシートごと座席から外れたりして、いずれも安全性の基準を満たしていないことがわかりました。
業界団体によりますと、未認証のチャイルドシートの多くは中国など海外から輸入されていると見られるため、追跡が難しく、詳しい製造元や流通量はわかっていないということです。
これまでに被害の報告はないということですが、重大な事故につながる危険性があるとして、国土交通省は今月から通販業者に対し、未認証の製品を販売するページを削除するよう指導に乗り出しました。
また、利用者に対し、認証マークのないチャイルドシートを購入しないよう注意を呼びかけています。
強度などの基準を満たしたチャイルドシートには「Eマーク」と呼ばれる国際的な認証マークか「自マーク」と呼ばれる国の認証マークがついていますが、一部のインターネット通販では、いずれの認証もない製品が販売されています。
国土交通省が未認証の7種類の製品について実験を行った結果、衝突の衝撃によって体を支えるベルトがちぎれたりシートごと座席から外れたりして、いずれも安全性の基準を満たしていないことがわかりました。
業界団体によりますと、未認証のチャイルドシートの多くは中国など海外から輸入されていると見られるため、追跡が難しく、詳しい製造元や流通量はわかっていないということです。
これまでに被害の報告はないということですが、重大な事故につながる危険性があるとして、国土交通省は今月から通販業者に対し、未認証の製品を販売するページを削除するよう指導に乗り出しました。
また、利用者に対し、認証マークのないチャイルドシートを購入しないよう注意を呼びかけています。
未認証チャイルドシート 国交省の実験結果は
国土交通省はことし2月に初めて、認証のないチャイルドシートの安全性を確認する実験を埼玉県熊谷市にある専門機関の施設で行いました。
実験ではインターネットの通販サイトで販売されていた未認証のチャイルドシート7種類に、それぞれ時速50キロで壁に衝突した時と同じ衝撃を加え、安全性を評価します。
NHKが入手した実験の映像では、衝突の瞬間、子どもに見立てた人形が前に飛び出し、肩を支えていたベルトが引きちぎられました。さらに、腰を支えていたベルトも外れ、そのまま人形は前方に投げ出されました。
また、別の種類のチャイルドシートでは、衝突の衝撃で肩のベルトが切れた直後にシートごと座席から引きはがされ、人形は勢いよく前方に投げ出されました。
実験の結果、未認証のチャイルドシートは7種類とも衝突の衝撃で体の重さに耐え切れず、ベルトが切れたりシートごと外れるなど、いずれも強度や構造など安全性の基準を満たしていないことが明らかになりました。
実験ではインターネットの通販サイトで販売されていた未認証のチャイルドシート7種類に、それぞれ時速50キロで壁に衝突した時と同じ衝撃を加え、安全性を評価します。
NHKが入手した実験の映像では、衝突の瞬間、子どもに見立てた人形が前に飛び出し、肩を支えていたベルトが引きちぎられました。さらに、腰を支えていたベルトも外れ、そのまま人形は前方に投げ出されました。
また、別の種類のチャイルドシートでは、衝突の衝撃で肩のベルトが切れた直後にシートごと座席から引きはがされ、人形は勢いよく前方に投げ出されました。
実験の結果、未認証のチャイルドシートは7種類とも衝突の衝撃で体の重さに耐え切れず、ベルトが切れたりシートごと外れるなど、いずれも強度や構造など安全性の基準を満たしていないことが明らかになりました。
未認証を着用は違反と判断
警察庁とJAF=日本自動車連盟が、ことし全国で行った調査では、チャイルドシートの着用率は64%にとどまっています。着用率は10年前の平成19年から毎年、上昇してきましたが、最近は横ばいの状態となっています。
着用していなかった場合、ドライバーに交通違反の点数1点の行政処分が科せられますが、罰金はなく、子どもが嫌がることを理由に着用させない親も多いと見られています。
しかし、警察庁によりますと、去年1年間に乗車中の事故で6歳未満の子ども9人が死亡し、このうち8人がチャイルドシートを着用していませんでした。
未認証のチャイルドシートを着用させていた場合、法律ではチャイルドシートとは見なされないため、着用していなかった場合と同じく違反と判断され、行政処分が科されます。
警察庁と国土交通省は認証マークのあるチャイルドーシートの着用の徹底を呼びかけています。
着用していなかった場合、ドライバーに交通違反の点数1点の行政処分が科せられますが、罰金はなく、子どもが嫌がることを理由に着用させない親も多いと見られています。
しかし、警察庁によりますと、去年1年間に乗車中の事故で6歳未満の子ども9人が死亡し、このうち8人がチャイルドシートを着用していませんでした。
未認証のチャイルドシートを着用させていた場合、法律ではチャイルドシートとは見なされないため、着用していなかった場合と同じく違反と判断され、行政処分が科されます。
警察庁と国土交通省は認証マークのあるチャイルドーシートの着用の徹底を呼びかけています。
毎年数千台が市場に出回っている可能性
業界団体の日本自動車部品工業会によりますと、インターネット通販では3、4年前から未認証のチャイルドシートが販売されるケースが目立ってきたということです。
認証マークがついたチャイルドシートは最低でも1万円前後するのに対し、未認証の製品は2000円から3000円程度と安く、簡易型と銘打って取り付けが簡単とか、持ち運びが便利などとアピールして販売しています。
このため、販売サイトに寄せられる購入者の評価が高い場合も多いということで、日本自動車部品工業会は毎年、数千台以上が市場に出回っている可能性があると見ています。
しかし、未認証のチャイルドシートの多くは強化プラスチックを使わなければならないシートの部分が布製だったり、金属製が求められるベルトの留め具がプラスチック製だったりして、強度が大幅に不足していると指摘しています。
インターネットで販売されているため追跡するのが難しく、製造元の特定には至っていないということですが、海外の複数のメーカーが製造していると見られ、なかには中国製と明記している製品もあります。
日本自動車部品工業会の冨樫晃次長は「通常は開発や認証の取得に費用がかかるため、安すぎる商品は未認証の可能性が高い。大切な子どもを守るためのものなので、安全性が保証された認証マークがあるか、きちんと確認して購入してほしい」と話しています。
認証マークがついたチャイルドシートは最低でも1万円前後するのに対し、未認証の製品は2000円から3000円程度と安く、簡易型と銘打って取り付けが簡単とか、持ち運びが便利などとアピールして販売しています。
このため、販売サイトに寄せられる購入者の評価が高い場合も多いということで、日本自動車部品工業会は毎年、数千台以上が市場に出回っている可能性があると見ています。
しかし、未認証のチャイルドシートの多くは強化プラスチックを使わなければならないシートの部分が布製だったり、金属製が求められるベルトの留め具がプラスチック製だったりして、強度が大幅に不足していると指摘しています。
インターネットで販売されているため追跡するのが難しく、製造元の特定には至っていないということですが、海外の複数のメーカーが製造していると見られ、なかには中国製と明記している製品もあります。
日本自動車部品工業会の冨樫晃次長は「通常は開発や認証の取得に費用がかかるため、安すぎる商品は未認証の可能性が高い。大切な子どもを守るためのものなので、安全性が保証された認証マークがあるか、きちんと確認して購入してほしい」と話しています。