BUBBLE-B feat. Enjo-Gについて
爆走ミニバン撮影風景
「Enjo-Gのシャッシャッシャッ / BUBBLE-B feat.Enjo-G」(https://www.youtube.com/watch?v=KeDkTEeH0Zo)でご存じの方も多いと思う、BUBBLE-B氏。
この曲はYOUTUBEでの再生回数をなんと50万回を超え、全国各地のクラブでも大人気となった。
自らのレーベル、「TOY LABEL」を1995年に立ち上げ20年以上活動してきた彼は、最近ではBPMを118に統一したアルバム「118」(https://bubble-b.bandcamp.com/album/118)をリリース、新曲「爆走ミニバン
~Highway Star~ 」(https://www.youtube.com/watch?v=g6LeVGLyEHM)も好評だ。
今回はBUBBLE-B氏に過去の活動から現在までのインタビューを行った。
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https://bubble-b.bandcamp.com/album/118
出典:https://bubble-b.bandcamp.com/album/118
BUBBLE-B名義での活動の由来
・初期は変名を多用しながらも、メインの名義として「カラテクノ」(http://nkzm07.wixsite.com/karatechno)として活動していたBUBBLE-Bさんが「BUBBLE-B」として活動し始めた理由を教えて頂きたいです。
BUBBLE-B:カラテクノはその名の通り空手とテクノの融合を試みるハードコアテクノのユニットというコンセプトでやっていたけど、ネタがかなり限定されてしまい幅が広がらなかったのと、ハードコアテクノを作り続けるのも自分には向いてなかったので、そのコンセプトを曲げるのではなく、何でもやる用のソロ名義として始めた感じです。
・なるほど、BUBBLE-B名義での最初のリリースは「金持ち男 '90」だったと思うんですが、この時のリリースに合わせて名義を考えた感じでしょうか?
BUBBLE-B:BUBBLE-Bという名義は1998年から使っていて、バブル時代のJ-POPをDJで回す時があって、その時にこの名義にしました。
・そうだったんですね、やはりバブル時代から取ってBUBBLE-Bになったのでしょうか。
BUBBLE-B:そうです。バブル崩壊から8年経ったからそろそろバブル再評価来るかな?と思ってつけたけど、早すぎました。
・そのだいぶ後になってリリースされるSPEEDKINGシリーズでも、やはりテーマはデステクノでバブル的な部分を追っていますよね。
BUBBLE-B:それは関係無いかな。デステクノは「リッジレーサー」に感化されたもので音楽的に好きということで、BUBBLE-B開始時の「バブル期のオモロ感」を追求するものとは関係無いです。
・そうなんですね。
http://nkzm07.wixsite.com/karatechno
出典:http://nkzm07.wixsite.com/karatechno
映像同期のきっかけ
・初期BUBBLE-Bでのリリースは「イマキタ」(https://www.youtube.com/watch?v=AnWdx1dUPVk)等が個人的に面白くて好きだったんですが、その頃にはもう映像同期を取り入れていますよね。
BUBBLE-B:映像を始めたのは2000年の末くらいだったと思います。
・確か当時ほかにやっていたのはスペランカーズぐらいだった気がします。まだVHSの時代ですよね。
BUBBLE-B:当時のカラテクノの時は自らマイクを持ってパフォーマンスしてましたが、あまり向いてないと思ってやめたんです。で、やりたいことを考えると、学生の頃からメガデモが好きで、元々ああいうのが作りたかったんです。当初はライブ会場には毎回VHSデッキを持って行って再生してました。
・うわ!お疲れ様です。映像作成って音楽の何倍も大変かと思うんですが、あえてその道を選んだのは凄いと思います。
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Enjo-Gというボーカリスト
・今現在は主に「feat. Enjo-G」の曲を作られていますが、その原型となったのは2002年リリースの「ぞっこん! バーベキュー
」(https://www.youtube.com/watch?v=0vPgt9ncjZw)でしょうか。コール&レスポンスが主体という。
BUBBLE-B:そうです。「ぞっこん!バーベキュー」がEnjo-Gさんと最初に作った曲です。Enjo-Gさんがおもむろに「ぞっこんバーベキューやりましょうよ!」と言ってきたので、何を言ってるのだろう?と思いつつ、「スーパードライ」ってあの声で言ったら面白いかなと思ったのが始まりです。歌でもないしラップでもないし、「単語」というジャンルだと思いますけど。
・「単語」!Enjo-Gさんの声は「汚い声」等と例えられているように、かなり特徴的だと思うんですが「スーパードライ」が全ての始まりだったんですね。
BUBBLE-B:はい。あと、マグナムドライ。
・毎回テーマを変えて「セットでドリンクバー」、「バリバリスナック」、「走りのセダン」等シリーズが進んでいきますが、最近リリースされた「爆走ミニバン
~Highway Star~」だけ車シリーズの二作目になりますね。これはそれだけBUBBLE-Bさんが車に思い入れがあるという事でしょうか?
BUBBLE-B:車が好きすぎて、中で生活したいくらいです。車から降りると悲しくなります。
・本当ですか。薄々は知っていましたが、そこまで。今回ミニバンをテーマに選んだのはどういう理由だったのでしょうか?車に疎くて、ミニバンが現在の車の中でどういった立ち位置を占めているのかがよくわからないのです。
BUBBLE-B:ミニバンは語感の良い車種が多いんです。ヴェルファイアとかエルグランドとか濁音系の。お父さんが威厳を保てるコンセプトがあるのでそういう名前だと思うけど、それがEnjo-Gさんの声と相性が良さそうだなと。あと休日に滋賀のアウトレットとかイオンモールに行くと半分軽自動車で半分はミニバンくらいの勢いで、そこにインスパイアされたというのもあります。
・確かに郊外はミニバン多いですね。「ヴェルファイア」なんて単語を聴いただけでEnjo-Gさんが歌っている姿が思い浮かびます。実際歌っているEnjo-Gさんは免許を持っていないんですよね。
BUBBLE-B:持ってないそうです。
・初対面の時はバイクで来てたんでバイクは持ってると思うんですが
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最新アルバム「118」について

・最近BUBBLE-Bさんがリリースされたアルバムの「118」にはかなり驚きました。
BUBBLE-B:どう驚いたんですか?
・今まではいわゆる「ネタもの」が多かったと思うのですが、今回はDJユースに専念して118BPMオンリーという。BUBBLE-Bさん自体は普段ああいった曲はプレイしないじゃないですか。
BUBBLE-B:DJはJ-POP専門なので、そもそもクラブ系はプレイしませんね。デステクノだけという縛りでやる時はありますけど。あと、「118」はDJユースはあんまり考えてないです。
・そうなんですね。BUBBLE-Bさん的にああいった曲群をリリースしたいといった欲みたいなものがあったんでしょうか。
BUBBLE-B:今年の4月29日に大津のCLUB MOVEで武茶さんのパーティに出演オファーがあったんですよ。ゲストは寺田創一さんで。その時はDJでのオファーだったけど、ハウスのイベントでJ-POPを回すのも違うなぁと思って。でもハウスの音源も集めてないし。じゃあ全曲自分で作ってライブにしようと決心したのが始まりで。最初はライブセットだけを想定して作ってて、アルバムとしてリリースしたいなと思ったのは全曲完成した後です。
・当初はライブを目的として作られていた曲だったんですね。今までフィジカルリリースだったのがBandcampを主体にしたデータでのリリースというのも驚きました。
BUBBLE-B:Bandcampに絞ってプレス代や売れ行きや在庫の事とか考えなくなったから、腰が軽くなってリリースする気になった、という感じです。今までのようにCDで出そうと思うと最低500枚単位でプレスして、プレス代金払って、段ボールが何箱も家に来て、それを売り切らないとプレス代金も返ってこないし在庫の段ボールも減らないから、作った以上は売らないといけない。でも、今住んでる京都の家が狭いので在庫の段ボール箱が置けないし、一人でCDを売るところまで全部やるのは色々ともうしんどいなと。専業じゃないから時間も無いし。
CDは物販ブースでライブの後に手渡すとか、実態のあるメディアはそういう事に意義があると思うので無くならないと思うけど、これまでのように大量にプレスして全部自分で抱えて売ってというのは辛いので、やめることにしました。配信だったらCDの44.1kHzで16bitという形式よりもより高音質でリッチな音質で配信できるというのもあるし。
CDはこれからは少量だけCD-Rで用意して、基本的には配信中心でやっていこうと思います。
・なるほど、確かにそうですよね。

BUBBLE-B氏のDJ風景
https://bubble-b.bandcamp.com/album/-
出典:https://bubble-b.bandcamp.com/album/-
音楽制作環境、制作のコツ
・続いて制作環境などについて聞いて行きたいのですが、現在はCubaseでの制作ですよね。
BUBBLE-B:Cubase7を使ってます。
・音作りに関して、BUBBLE-Bさんはデステクノからジャングル、ハウスまで幅広く作ってらっしゃいますが、よく使うシンセ、プラグインなどあったら教えて頂きたいです。
BUBBLE-B:シンセはCubase7付属のRetrologueと同じく付属のHALion SonicSEがメインで、レイヴっぽいアクセントが欲しい時にreFX NEXUS2、90年代風味が欲しい時はUVI Digital Synsations、ギターならMusicLab RealStratにIK Multimedia AmpliTubeをかますという感じです。リズムはキックがSonic academy KICK2、それ以外はNI Battery、生音が欲しい時はFXpansion BFDです。
・なるほど、ありがとうございます!個人的にも参考にさせて頂きます。僕は今現在、BUBBLE-Bさんのblogを参考にしてスピーカーはYAMAHAのMSP5 Studioを使っているのですが、ハード面でも使用している機材を軽く教えて頂けますとありがたいです。かなりシンプルな構成でまとめられていたように思うのですが。
BUBBLE-B:ハードウエアの音源は全く使ってなくて、全部自作のWindows10マシンの中だけで完結させてます。キーボードはIK MultimediaのiRig KEYS PROですが打鍵感がイマイチで買い換えたい。スピーカーはヤマハMSP5 STUDIO、オーディオIOはM-AUDIOのFastTrack Ultraで、これもWindows10用ドライバ出てないし10年選手なので買い換え候補です。ハードウエアはつまんない構成です。
リスナーとして聴いている楽曲
・最近リスナーとして良く聴いている音楽などありますでしょうか?
BUBBLE-B:なんか山下達郎と角松敏生ばっかり聴いてて、あとはスティービー・ワンダー、ドナルド・フェイゲン、ボブ・ジェームスあたりの古いのをよく聴いてます。新譜では冨田ラボのSUPERFINEやキリンジのネオ、何回聴いたってくらい聴きました。
・スティービーワンダー、ボブ・ジェームス辺りは意外です!では、最後に一言お願い致します。
BUBBLE-B:ライブやDJのブッキング、足代だけで全国行きますよっ!
BUBBLE-Bプロフィール
作曲家・1号店ジャーナリスト・麻婆ドーファー・車好き・旅人。滋賀出身、川崎在住を経て、京都在住。
幼少よりマッドテープを量産する子供で、J-POPとフュージョンの洗礼を受けて育つが、高校生だった1992年頃にハードコアテクノに衝撃を受け、1995年からサンプラー等の機材を揃えて作曲活動を開始する。
しかしマッドテープ魂はその後も抜けること無く1999年頃にはナードコアとしてテクノと融合。既存の表現方法とは別の方法を常に模索するスタイルのまま現在に繋がる。
また、レーベルとしてはTOY LABELとSPEEDKING PRODUCTIONSを主宰し、デステクノコンピレーション「SPEEDKING」シリーズなど多くのタイトルを全国流通。
外食チェーン店の1号店を巡ることをライフワークとし、2013年に大和書房より書籍「全国飲食チェーン本店巡礼 ~ルーツをめぐる旅~」を上梓。Amazon外食本カテゴリ1位にランクインさせるといった活動も行う他、麻婆豆腐の食べ歩き活動も行い、本店・麻婆豆腐ともにTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル」の「サタデーナイトラボ」のコーナーにゲスト出演している。
出演依頼・リミックス依頼・各種お問い合わせはこのメールアドレスまで。
nkzm (at) bubble-b.com