Mr.Kuyouです。
「相続」・「葬儀」・「お墓」といった終活の悩み相談に応じる「終活カウンセラー」が注目されてきています。
現在、日本は「4人に1人が65歳以上の高齢者」の超高齢社会です。
さらに、2035年には「3人に1人が高齢者」になるという推計も出されているそうです。
そんな中、エンディング産業といわれている人生の終末に関わる業界では、さまざまな資格が誕生してきており、「終活カウンセラー」の資格もその一つです。
では、その実態について、資格取得者の私がご紹介します。
終活カウンセラーとは
一般社団法人 終活カウンセラー協会が認定している資格です。
資格には国が認めている国家資格と、民間団体が認定している民間資格がありますが「終活カウンセラー」は後者になります。
2017年6月現在の資格取得者数は1万4000人を超えており、今後も取得者は増えていくでしょう。今後さらに、「終活」という言葉は一般化していき、エンディング産業は日本では数少ない成長産業と言われているからです。
終活カウンセラー協会によると
終活カウンセラーは、終活に関する抽象的な「悩み」の中身が、どの分野の悩みであるのか、またどの専門家が必要であるのかを見極めます。
『「どうしよう」と思っている方から話しを聴き、その相談は○○の専門家に聴く案件です。』と専門家や専門企業に繋ぐ架け橋の資格です。
とあり、「相続」・「遺言」・「保険」・「葬儀」・「墓」・「介護」・「健康」などの各分野を学ぶことで、終活に必要な幅広い知識を持ち、相談者の「悩み」がどの分野に当てはまるかを的確に応えることができる資格です。
相談者が次に何をすれば良いかを伝えること、また、その分野の専門家を相談者に紹介できることを求められています。
合格率は?
終活カウンセラー(初級)の合格率は95%を超えています。
事前に申し込みをした際に、テキストを送ってもらい事前学習をしたうえで、当日に約6時間の講習を受け、その後に筆記試験があります。
私が講習を受けたときの講師の方は、話が上手な方たちばかりで、とても勉強になりました。
オリジナルのテキストですが、内容がよくまとめられていて、今でも読み返すこともあります。各分野の専門書を読むのは大変ですが、このテキストは、それぞれのことを浅く広く知ることができるので重宝しています。
就職に有利なのか?
これは、エンディング産業に就職したいということであれば有利といったところでしょうか。
もともと、エンディング産業は人気の職種ではありません。
就職・転職のためにわざわざ「終活カウンセラー」の資格を取得したと伝えれば、求職者のライバルの中でも目立ちますし、採用担当者は、その努力を評価し採用につながるでしょう。
どんな人が受講しているのか?
葬祭業、保険業、石材店などの終末期に直接関わる業種のほか、終活ツアーなどを計画している旅行業、相続や遺言に関わる司法書士・弁護士・税理士などの士業の人たちが中心です。
まれに、ご自身や家族が終活をするため、勉強に来ている人もいます。
資格取得によるメリットは?
仕事関係で受講している人は、同業他社との差別化を図るためや、集客のため、他業種との交流・連携を模索している人が多いです。
私の会社ではお墓や永代供養や樹木葬を扱っているのですが、名刺に「終活カウンセラー」と記載していることで、お客さんとの会話のネタになることもあります。
広告やイベント告知の際も、「専門知識を持った営業がいます」と「終活カウンセラーが相談を受けています」でしたら、最近はライトな方が好まれる傾向にありますね。
また実際に、相続や介護のことで苦労されているお客様もいらっしゃいます。そのような方に対して、直接何かができるわけではないのですが、話を聞いたり、共感することで、信頼してもらえるということもあります。広く知識を得ることで「傾聴力」がアップするのも、この資格の魅力かもしれません。
どの業種でも、信頼できる方からの紹介客というのは、ありがたいものです。他業種の終活カウンセラー同士が連携してお客様を紹介しあうこともできるかもしれません。
お客様の立場からしても、終活という多分野の活動の中で、専門分野の人を紹介してもらえるよき相談者ができるメリットは小さくないはずです。
しかし現状、交流会などは少なく、資格取得の段階で終わってしまっている人が多いと思われます。
この点は、今後に期待していますし、私も、もっと積極的にならなくてはと反省しています。
まとめ
- 「終活カウンセラー」は民間資格で、専門資格ではない。
- 超高齢社会でのよき相談者となりうる。
- 合格率は95%以上。
- エンディング業界での就職・転職には有利。
- 幅広い業界からの受検者がいる。
- 今後の終活カウンセラー同士の連携に期待。
おまけ
終活カウンセラーの会員登録料は年間4,560円です。
それが、1万4000人から集まってきて、これからも毎年、何千人単位で増えていきます。
「終活カウンセラー協会」は、時流を読んで「終活」ビジネスで成功した一例といえます。
ゴールドラッシュで一番得をしたのは、金を掘り当てたに来た人ではなく、その人たちを相手にスコップやジーンズを売った人と言われているのと似ていますね。