〒みなさま
こんにちは!円野まどです。
多分気管支炎と思われるのですが(検査結果は週末)この風邪めちゃくちゃくるしかですよ・・・。おや。くるしか、とコルシカ(島)は似ていますね・・・。
殆ど外に出かけられなかったので、ことあるごとに「風邪が!」みたいなことが書いてしまいました、すいません・・・ワハハ!
そんな私の今週についてまたお話できたらと思います!
それでは日々の詰め合わせ17号です、よろしくお願い致します( ´ヮ` )
*登場人物
しゃん 私のパートナー・家主。1000%クールガイ。
でんきゅう 私の弟のような子供のようなマッチョ。九州からやってきた。
アイちゃん 10個上のすてきなオネエさん。と「すてきな」とつけるように言われた。
私 筆者円野まど。まるのまどだけれどまどのまどでもいいかなと思っている。
*晴天の使者
相変わらず咳が止まらない。
安静にすることの繰り返しで、気持ちが落ち込みがちになっていた。
目覚めても薄暗いままだったけれど、部屋以外の景色が見たくて窓辺に座った。
外は雨が降っている。
雨足は強くも弱くもなく、ひたひた音をたてて歩くみたいな程度。
通りを歩く人の傘を見る。重い足取り、こういう日は何でもゆっくりだ。
紺色とか黒とか、たまに水玉とか赤とか、空が暗い分、色がいっぱいある。
変わった傘はないかな、と期待するもそんな都合よく面白いことが起こるはずもないか、とすぐに諦めてしまった。
その時。
うおおおおおおおという叫び声をあげて少年が走っている。
ちなみに家の窓は閉まっている。
それでもおかまいなしに飛び込んでくる元気な声に、思わず私は身を乗り出した。
その子は傘をささずに、黄色い帽子に黒いランドセルを背負っている。
「~くーん!傘はー?」
後ろを歩いてるお友達がとてもまっとうなことを呼びかける。
彼は近所中に轟くような大声で、怒鳴るように返した。
「さすのぉ、めんどくさいからぁ俺走るからぁ!じゃあね!うおおおおおお」
声はまるでエンジンの様に、大きくなるほど本体が加速する。
彼はあっという間に見えなくなった。
風邪引かないでね、と心の中だけで言った。
彼に置き去りにされたように世界はまた静まる。
ほんの数分の出来事なのに、私は一日中それを思って笑った。
*好きになったら
何かと女性に辛辣なところのあるでんきゅう。
理不尽に傷つけるようなことを言ってはいけないよ、と何度いってもなかなか直らない。彼なりの主張があって、それを聞いているともう個人の価値観まで注意するのはなあ・・・と思い、言葉が詰まる。
直接傷つけたりせず、ただ思うだけなら、気持ちを押さえつけることはできないしなあ・・・しかしこのままでいいのかな?とかつて保護者だった私としてはまた姉風を吹かせたくなってくる。
私が困っていると思ったのだろう。すこしの沈黙のあと彼はこう言った。
「でも俺好きになったらめちゃくちゃ一途やと思うわ。要は大切にする人だけを大切にするってことね。」
彼が今まで付き合ってきた人や期間を知っているけれど確かに浮気らしい行動すらなかった。
約束を守るタイプなのだ。
微妙に話がズレてきているが、ロマンティックな主張は続く。
「男はみんな浮気するとか嘘やからね、大体本能でもないし。決めて行動するのが自分である以上は全部ただの言い訳よ。するかしないかや。」
なんだろう、最初に話していたことからすごく上手にスライドさせてきている。
気がついているがつっこむタイミングを逃した。
この子は「怒られる話」を察知して回避するスキルが高い。師匠は間違いなくしゃんだ。
逃してなるものか、と話を戻す機会をうかがっているとアイちゃんが「そんなこと言うと浮気しちゃった時自分の首しめるわよ~。」とからかった。
すると彼は見開いたあと余裕の笑みでこう言った。
「あのねえ、俺が一ヵ月半毎日アボカド食べてること知っとん?」
知ってる。何ていうか梅干感覚で食べてるよね。
確かによく飽きないなって思ってた・・・。
好きになると嫌いにならない分、好きになるハードルがめちゃくちゃ高いということなのだろうか。
だとしたら、それは私が言おうとした「みんなにやさしくしよう」よりずっと純粋な愛情のように思った。叶わないなあ。
だんだん自分の愛のほうが寄り道だらけで不埒な気さえしてきてしまった。
好きな人だけいればいい。
私は注意しようとした手を降ろすことにした。
45日以上アボカドを食べているでんきゅうの肌は、滑らかに輝いていた。
*ある人物についてのマニュアル
西暦2017年の記録。
これは「ある人物の体調の悪さは病院に連れて行くレベルか?」ということを確認するために非常に有効な判断基準となるチェックテストである。
薬や採血を伴わない検査の為、リスクの少ない安全な診断方法として今では対象の周辺で広く使われている。
それでは具体的にその手順を説明していく。
先ず、対象が体調を崩している様子を見せた場合に
「体調悪いの?なんか好きなもの作ってあげようか?エビ料理とか。」
と質問する。エビ、の部分は対象が聞き取れるまではっきりと発音すること。
被験者の体力がまだまだある場合は大変元気な反応を確認することが出来る。
例として「エビ?エビってあの、イー?ビー!アイ?」などと対して高くも上がらない片足を上げ、喜ぶ様子を示すことが多い。
ここで拳を固く握り締めたりしてはならない。
次に病院など適切な医療機関との連携が望まれる状態について言及する。
「今日はいい・・・ありがとう。」などと敬遠するような発言をする場合である。
対象はエビを食する次のチャンスを逃すまいとやたらと丁寧にお礼を言ってくるが、これは食い意地オートマニュアルが働いているためである。元気だから言葉が流暢などと誤認しないように気をつけたい。
対象は進化の過程でエビで健康状態を計れるように変化していったのではないかと考えられている。
今後同タイプ発見時には生育過程や遺伝的要素を視野にいれて比較していきたい。
*世界が優しいから
夜、仕事帰りのしゃんと近くのコンビニで待ち合わせをした。
行く途中でいつもの自動販売機のところでうな垂れるちいさな後姿が見えた。
近くになるにつれてはっきりと分かる。おばあさんだ。
近所に90歳でも毎日ランニングをしている方がいるけれど、そういうハキハキとした感じではなくてすこしか弱い感じの方だった。
助けが必要なのかなと思っていると、私の前にいたOL風の女性が駆け出した。
その人がおばあさんに声をかけると、「押したものが出てこなかったの。」と弱った声を出していた。その女性は「どれを飲みたかったのですか?」と聞いて「私が買うのでそれと交換しましょう」と言っていた。おばあさんがそれを遠慮すると「私は喉が渇いているからなんでもいいんですよ~」と明るく返していた。
硬貨を入れる音がする。その動作の間も「自動販売機が押したものを出してくれなかった」という話のひとつひとつにんうんと相槌を打っている。
私が最後に聞こえた声は「おうちどこですか?近いですか?」だった。どの言葉もゆっくりではっきりと発音されていて、それでいて優しい声だった。
合流したしゃんにすぐその話をする。
いい話でしょ、というつもりが二人ともすこしの間黙って歩いた。
彼も私もおばあちゃん子だからなんだか、何かに泣けてきてしまったんだ。
*あとがき
全然出かけられないので、家トークばかりになってしまいました。
ただ日に日によくなっているので、時々コンビニにいったりはしてたので幾つか書きたいことがありました。数年前まではもっと体が弱かったので、一年の半分くらいこういう感じだったことを思えば、元気になったなあと思います。
もっともっともりもり元気になって、最終的に「まっまるのさんの長寿の秘訣は・・・?」とインタビューされるようになりたいなと思っています・・・!
ワハハハハハア(誘い笑い)
曇りがちなお天気で、湿度も高まっていますがみなさんは体調いかがですか?
気持ちも沈みやすい時期だと思うのでぜひみなさん意識してご自分を甘やかしてくださいね( ´ヮ` )
それではまたお便りいたします!
円野まど