"人生を積分する"と、どんなことが分かるのでしょうか。
「いきなり、何を言っているんだ」と思われるかもしれませんが、人生を積分してみると、これから生きていく上で時間に対する違った視点が見えてくるかもしれない、そんなレポートを本日は作成していきたいと思います。
ジャネーの法則
出典:Wikipedia
人生において、流れゆく時間を心理学的視点から読み解いた「ジャネーの法則」が大変興味深いのです。
まずは、ジェネーの法則を分かりやすく説明してみたいと思います。
ジャネーの法則とは、何か
ジャネーの法則は、人生において時間の心理的長さは時期によって異なることを主張しているものです。
大人になって、「時間が過ぎるのが早いなぁ~」と感じた事ってありますよね。その感覚をしっかりと学問的に確立したものがジャネーの法則なのです。
では、時間とともに時間の流れは、どれほど早く(短く)なっていってしまうのでしょうか。
この点について、ジャネーは
50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどですが、10歳の人間にとっては10分の1に相当する
出典:Wikipedia
としています。
これは、つまり、50歳からの10年間の時間の流れと5歳からの1年間の時間の流れは同じであると主張していることになります。
大人になり感覚的には、「何となく1年過ぎるのが早いなぁ」と感じていることはあれど、これほど具体的に示されると、かなりショックを受けるのは私だけでしょうか。
そして、シャドーの法則を数式として捉えていくとさらに人生の時間の流れが具体的に見えてきます。
シャドーの法則を数式化
シャドーの法則の主張である「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)」ということは、数式で表すことができます。
反比例の式ですから、中学生でも知っている数式になります。ここでは簡略的理解の為に比例定数を1としました。ちなみに、xは年齢、yはxにおける心理的長さを表しています。
この式の問題点は、0歳児おける心理的長さを求めることができない点です。
そこで、0歳児における心理的長さが1となり、基準として分かりやすくするため、ここでは
と本質的な性質を残したまま加工し、この式から分かることを考察してみたいと思います。
人生を"積分"してみる
シャドーの法則を数式化できたところで、この式から読み取れることを考察していくことにします。
まず、上の数式をグラフで描いてみるとどうなるのでしょうか。
緑色の線がグラフになりますが、グラフを見てわかるように急激な減少がいきなり訪れてきます。つまり、0歳から20歳くらいに掛けて、時間の体感長さは一気に減少していくことになります。
これをもう少し分かりやすく数値化するために、式を積分することでそれまで生きてきた時間の蓄積された体感長さ(以下、蓄積体感時間と呼ぶ)を見ていくことにします。
まずは人生を80年とし、80年間の人生で感じる蓄積体感時間を数値化してみることとします。
シャドーの法則を数式化した式を0歳から80歳まで積分することで、80年間に及ぶ人生の蓄積体感時間は、およそ「1.9」であることが分かります。
次に、0歳から20歳までの20年間における蓄積体感時間を計算してみることにします。
これにより、20歳までの蓄積体感時間は人生のうちどれほど消費していることになるのかを求めると
1.322÷1.9=0.695
となり、乱暴な言い方をすれば、20歳までで人生の70%が終わっているという結果にたどり着くことが分かります。
20歳ですでに人生の7割が終わっているとは、かなり衝撃的な結果ですね。
他の年齢でも同様の計算をしてみると次のような結果になりました。
10歳の時点で人生の折り返しを迎え、働き盛りの50歳ではすでに人生の9割を終えようとしていることが分かります。(あくまで蓄積体感時間においてです)
皆さんはこの結果をどのように受け止められたでしょうか。
人生を"積分"してみて思うこと
本日のレポートでは、シャドーの法則を用いて、人生の体感時間にスポットを当て考察をしてきました。
かなりザックリとした計算ではありますが、それでも考えさせられる内容となりました。
子供との接し方が変わる
わが家には今生まれたばかり0歳の赤ちゃんがいますが、この子が感じる体感時間は、大人が感じている体感時間とは比べ物にならないほどゆっくりとした時間を過ごしていることになるわけです。
それだけの時間の流れを考えると、楽しい時間はより濃く、辛く・嫌な時間は非常に長い体感時間を経て、 意識に植えつけられているのかもしれません。
10歳が人生の折り返りと考えるならば、10歳になるまでの時間を家族でより楽しくHAPPYに過ごすことは、その子の将来へどれほど大きな影響を与えることでしょうか。
10歳を過ぎてから、その時間の埋め合わせようと思っても、体感時間的には不可能であることが分かります。
自身の人生が変わる
結果を自分自身に当てはめてみても考えることは多くあります。
現在35歳を過ぎ、40歳に向かう自分自身としては、人生の体感時間の80%が終わっていることになります。
これから1年1年は今まで以上にあっという間に過ぎていくことになります。気付けば1年が終わる。気付けば年を重ねている自分がいるので、実感はあります。
早く流れる時のなかで、その時間の流れをゆっくりにすることは不可能なのかもしれません。
しかし、時間がどれだけ早く過ぎていこうとも、自分の人生はまだまだこれからだということには変わりはないはずです。
早く過ぎる時間だからこそ、その一瞬一瞬を大切にしようとすることが残りの人生を楽しむことにつながると思っています。
以上で本日のレポートは終わりになります。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
さて、みなさんは"人生を積分する"ことで、何を感じたでしょうか。