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紫式部の父に見る人事異動と人生の妙

平安時代の昇進、その裏にある「組織の事情」

2017年6月24日(土)

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 もうすぐ7月。人事異動が少なくない季節です。すでに、内示を受けたビジネスパーソンもいるでしょう。それが嬉しい異動だったら良いのですが、不本意な命令だったら、たちまち目の前が暗くなり、「どうして、こんなことに」と上司を恨みたくなってしまいます。

 そこで今回は人事異動で勝つヒントを、平安時代の昇進エピソードから探ってみたいと思います。

 というのは今昔物語の中に“平安時代の朝廷で鳴かず飛ばずだった紫式部の父親が、天皇に漢詩を贈ったら出世した”という有名なエピソードがあるのですが、よく調べてみると、その裏になんともリアルな“組織の事情”が隠れていたのです。そこを掘り下げれば、人事異動に勝つ知恵が得られるかもしれません。さっそく今昔物語のエピソードからご紹介しましょう。

平安時代に朝廷があった京都御所

 今昔物語集の第24番に「藤原為時、詩を作りて越前守に任ぜらるる語」という話があります。平安時代の朝廷で、本当にあった話として語り継がれています。

 藤原為時といえば、「源氏物語」を執筆した紫式部の父親として知られています。文才に長けた人で、花山天皇の治世では式部丞(文部科学省のようなところ)・六位蔵人(出世コースの役職)に任じられていましたが、一条天皇の治世になるとともに辞任し、その後10年間も官職に就けず貧乏暮らしを余儀なくされていました。

 しかし996年(長徳2年)の除目(人事異動)のとき、一条天皇に次の漢詩を贈ったことで一足飛びに越前の国司(知事のような役職)越前守に任じられたというのです。

 苦学寒夜紅涙潤襟 除目後朝蒼天在眼
(苦学の寒夜。紅涙襟を霑す。除目の後朝。蒼天眼に在り。)
※寒い夜に耐えながらも勉学に励んでいましたが、昨年の除目では希望する官職に就けず、紅い血の涙が袖を濡らしております。しかし除目が変えられたら、蒼天(一条天皇のこと)に忠誠を誓うでしょう。

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「紫式部の父に見る人事異動と人生の妙」の著者

殿村 美樹

殿村 美樹(とのむら・みき)

PRプロデューサー

株式会社TMオフィス 代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科MBAプログラム「地域ブランド戦略」教員、 関西大学「広報論」講師も務めるPR専門家。「今年の漢字」プロデュース、「うどん県」の全国PR戦略などを手掛ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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