「慰安婦事件を彷彿」 激怒の裁判長が量刑引き上げ=ソウル高裁

「性的暴行しようと行列…人のすることではない」

 「捜査記録を見ていて怒りが込み上げてきた。これが果たして人のすることだろうか」

 22日午後、ソウル高裁第404号法廷。判決文を読み上げていたハム・サンフン裁判長が長いため息をついて被告を見た。裁判長はハン被告(22)ら11人の被告に「13歳の少女にどんな力があるというのか。人にはできることとできないことがあるが、私は被告が人としてやってはならないことをしたと思う」としかりつけた。

 ハン被告らは高校生だった2011年、ソウル市道峰区の山で、女子中学生2人に酒を飲ませて集団で性的暴行を振るったとして起訴された。はじめは4人が入れ替わり女子中学生2人を暴行し、あとの7人は女子中学生が抵抗して未遂に終わった。残酷な仕打ちだった。8日後の夜遅く、ハン被告らは再び女子中学生を呼び出した。11人だった加害者は22人に増えた。この日は6人が「悪事」を働いた。残りは横で見守った。

 この事件が明らかになったのは5年後のことだった。親にも話せずに胸を痛めていた被害者の少女たちがカウンセリング・センターや警察の助けで昨年3月に告訴状を提出したのだ。

 裁判長は、主犯のハン被告とチョン被告(21)にそれぞれ懲役7年を、共犯2人には懲役6年を言い渡した。ハン被告を除く3人は一審よりも量刑が1年ずつ増えた。また、一審で執行猶予付きの判決が出た共犯には懲役2年6月を言い渡して法廷拘束した。ハン被告らは犯行時未成年だったため、成人だった場合よりも量刑が軽い。

 さらに、「ハン被告らは列を作って性的暴行を振るおうと待っていたという捜査記録を見て、『慰安婦事件』を思い出した。被害者たちにとっては何十年過ぎても忘れられない犯罪だ」「ハン被告らが楽しく笑い、食べ、にぎやかに過ごしている最中も、被害者たちは怖がって家から出られずに退学にまでになった」と語った。

 裁判長は「ハン被告らに有利な情状は、犯行当時に少年だったということだけだ」「成人だったとしたら、はるかに重い刑を言い渡さなければならない」と述べた。そして、「見ていただけで、犯罪に加担したという証拠が不足している」として無罪を言い渡した5人に対しては「どれだけ自由でいられるかは分からない。(ハン被告らが)そのように悪事を働いている間、誰も通報しなかったし、止めもしなかった」と言った。

 一部の被告の親たちは判決直後、傍聴席で「なぜ一審より量刑が増えるんだ」「裁判長はひどすぎる。若い子どもたちに何の過ちがあるというのか」と抗議した。

シン・スジ記者
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