作業員被ばく事故 責任者「前兆現象」理解せず

作業員被ばく事故 責任者「前兆現象」理解せず
茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の施設で核燃料物質を入れた袋が破裂し、作業員が被ばくした事故を受けて原子力規制委員会が行った立ち入り検査で、ことし2月に報告された、別の施設で袋が膨らむ事故の「前兆現象」を職員の間で共有していたものの、作業計画の責任者は十分理解していなかったことがわかりました。
規制委員会は23日、今月6日にプルトニウムなどが入った樹脂製の袋が破裂し、作業員が被ばくする事故を起こした、日本原子力研究開発機構の「大洗研究開発センター」に2回目の立ち入り検査を行いました。

事故をめぐってはことし2月、原子力機構は別の施設で行った点検作業で樹脂製の袋が膨らんだケースを規制委員会に報告し、いわば事故の「前兆現象」を把握していましたが、こうした情報は職員の間で共有していたものの、作業計画の責任者が十分、理解していなかったことが関係者への聞き取りでわかりました。

この責任者は計画の中で「破裂などのおそれはない」と判断していて、その理由については「知識がなく、問題意識がなかった」と話していたということです。

このほか、ことし1月から3月に行われた核燃料物質が入った袋を入れ替える作業の際、予測される被ばく量などを記す書類を作成していなかったこともわかったということで、規制委員会は内部の規定に違反している可能性もあるとして、原子力機構の管理体制を詳しく調べることにしています。