【図解】Bitcoin Scalabilityに関する議論のタイムライン ~Bitcoin XTからUnlimited、Segwit2xまで~
この記事の読了時間: 約3分ビットコインのスケーラビリティに関する議論と変遷をタイムライン形式でまとめました。
議論は2014年以前から続きますが、以前コラムを書いたように、問題が健在化したのはGavin AndreesenがBitcoin Foundationに属していたころの20MBアップグレードに向けたロードマップ、及び2015年8月のBitcoin XTリリースでしょう。その後、急遽コア開発者が初めて一堂に会することになる「Scaling Bitcoin」の開催に繋がり、第二回の発表ではソフトフォークだけでトランザクション・スループットを引き上げ、マレアビリティも解決することができる「Segregated Witness」が提案され、コミュニティは一度一つになったかと思われました。
しかし、2016年早々に催された中国のマイナーコミュニティによる合意、「香港アグリーメント」において、同4月にSegwitをアクティベートし、翌年7月までに2MBブロックにアップグレードする旨が宣言されました。2016年10月にはSegwitが本番にデプロイされ、11月にシグナリングがスタートすると同時に、ViaBTC、Bitcoin.comなどのマイニングプールが反旗を翻し、Bitcoin Unlimitedのサポートと、反Bitcoin Coreを宣言します。
Segwitのシグナリングは、この余波を受けて30%程度の支持率で停滞します。これに中国の他のマイナーも追随し、世界の70%シェアを誇るマイニングASICマニュファクチュアで最大のハッシュレートを抱えるBitmainがBitcoin Unlimitedの支持を表明すると、Bitcoin Unlimitedの支持率は40%を超えました。
これを危惧し対抗策としてShaolin Fryが打ち出したのが、「UASF」(BIP148)です。
UASFの支持者が増加すると、更に議論と提案は活発化しました。Segwit2x、BIP91、UAHFなどは、8月1日のアクティベーションが予定されているUASFの影響を和らげるか、未然に防ぐための提案です。コア開発者、マイナー、事業者、ユーザー、投資家それぞれの思惑が複雑に絡み合うストーリーの一幕が、あと1ヶ月後に迫っています。
UASFは、当初実装によるSegwitのアクティベートが叶うか、支持者があまりに少ない場合、その影響が最小限に抑えられます。
Segwit2xは、7月中にクライアントのリリースが間に合い、当初実装によるSegwitのデプロイを行えば、UASFを未然に防ぐことができます。
UAHFは、Segwit2xが7月中にリリースされれば、実行されることはないでしょう。
しかし、もしSegwit2xがUASFに準じるSegwitのデプロイを行わなければ…?
歴史や相関関係があまりにも複雑なため、じっくり見たい方は記事下に添付した画像をダウンロードしてご覧ください。
Bitcoin Scalabilityに関する議論のタイムライン
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