どこまでもまっすぐに 田中將介(^^)

ethical journalism magazine 

おもしろいことは言えません。 しかし、誰かがおもしろいことを言ったことに対しては、ものすごい勢いで笑います。そんな人間です。Twitter:@ethicalmasa

「小林麻央さん速報」編集部の1日の様子に思うこと

鬱々とした気持ちが苦しいので、少しばかりパソコンのキーボードを叩くことにします。私は大手マスコミではないので、速報を流すまでのやりとりはわかりません。オンラインメディアの立場として思ったことを書きます。

 

 

 

「今日の注目ニュースねー」「チェックしといてー」

 

「速報出たよ!」「一面にあげよう!」

 

「写真は!?」このタイトルでいい?」

 

作業に追われる。部屋を囲むいくつものテレビ画面に会見がうつる。

 

会見では、いかに良い海老蔵さんの辛そうな顔を抜くか、各社が競っている。

 

だから、目頭に手を当てた瞬間にシャッター音とフラッシュが集中する。

私もやったことはある。


その後は、いかに会見の文字起こしを早くして世の中に出すか。各社が競っている。

 

会見が終われば、

 

「今日はPV数伸びそうだね~(記事が読まれている数)」

 

終業の時間がくれば、「おつかれ~」と各自の生活に戻っていく。

 

きっと明日は、

「真央ちゃんの記事PV伸びたね~よく読まれたね~」


「まだ伸びてるね~」

 

という「会議」を皆でやるのだろう。

 

私たちの仕事の意義ってなんだろう。といつも思う。

 

これからがん患者を救うために、真央ちゃんの死を無駄にしないために、

何ができるんだろう。って。

 

私は決して、がん患者を救える医者になれるわけではない。

 

情報を伝えるって何の意味があるんだろう。って。

  

彼女の生き方に受けた刺激として、何か行動として移す仕事ではない。

 

明日からはまた注目ニュースを考える。

 

じゃあ、なんでこの仕事をしているのだ?

 

やっぱり、誰かに「そうなんだ!」っていう気づきを届けた瞬間の顔を見るのが好きだからに尽きる。

 

メディアの人間も、大切なのは、やっぱりその死を悼むことではなくて、もちろんそれも必要だけれど、

その死を通じて、私たちに何ができるかということ、背中をぽんと押してあげるということ。

それに尽きる。

 

いくら死を悼んでも、真央ちゃんが帰ってくるわけではない。

 

真央ちゃんだけでない、何人もがんを始めとした病気で闘っている人たちをいかに励ますか、亡くなる人を減らすか、そのためにはどうすればいいのか、

もっとテレビは同じ映像を流すだけじゃなくて、違う道を伝えるべきだよ。

 

 

せっかくなので、私が知っている「がん」にまつわることを紹介したい。

 

一つ目。現在、がんなどで使われる薬が年間100億円以上も捨てられている。

それは、私たちの税金で賄わられている。

この医療費を無駄にしないために、早急に行動に移すことが必要だ。

 

詳しくはここで。

 

blogos.com

 

www.huffingtonpost.jp

 

 

 二つ目。

 

マギーズ東京という団体がある。

マギーズ東京

 

がん患者含めた様々な人たちの第二の我が家として利用されています。

 

造園家で造園史家でもあったマギー・K・ジェンクス氏は、乳がんが再発し「余命数ヶ月」と医師に告げられた時、強烈な衝撃を受けたといいます。にもかかわらず、次の患者がいるのでその場に座り続けることが許されませんでした。その時、がん患者のための空間がほしい。あと数ヶ月と告げられても生き続ける術はないかと、担当看護師のローラ・リー(現CEO=最高経営責任者)と必死に探したそうです。

 

 

他にも、多くの団体がサポートしています。

 

よかったら、自分の興味のある範囲で、自分のできる範囲で、

寄付、検索、ボランティア、やってみませんか。

 

簡単に綴ってきましたが、私にできることは、断片的な情報を、わかりやすく、次の行動にうつしてもらうためのきっかけを届けること。それが使命。

 

だから、毎日勉強する。常に情報を仕入れる。

 

ニュースのことを書くと、「読まれるためにわざと書いただろう」とかそういった悲しい批判を受けることがあります。

 

今日くらいは、ネット上の皆さんが「くそ」「しね」といった発言がなくなりますように。

私達が生きていること、大切にされている人を大切にしたいと思えること、欲を言えば、がん患者の皆さん、家族に、想いをよせ、行動する人が増えますように。

 

 

真央ちゃん、最初の病院で、がんがみつからなかったのに、半年後にいったら、もう転移がはじまっていたんだってね。

 

真相はわからないけれど、偶然が重なって、私たちもいまここにいるんだなあと、

なんだか感傷的になってしまうわけです。

 

毎日葛藤して、正しい疑問を常にもっていられるように、環境を整備したいと思います。