『人生変わった』
フレーズだけ見ると、君の耳にはあまりに簡単に聞こえるかもしれない。でも、ぼくにとってのこの半年はそれほどかけがえのない時間だった。
千葉県富津市金谷。山に囲まれ、少し歩けば海が見える最高なロケーション。この小さな田舎町にひとつのコミュニティスペースがある。その名は『まるも』。
1階がコワーキングスペース兼コミュニティスペース、そして2階はシェアハウスになっている。
ぼくはそんなシェアハウスに半年間移住した。
そして、このまるもがある田舎で過ごしたことで、人生が彩る大切な4つのことに気づかされた。
ぼくの体験を通して気づいたこの4つのことを、ぜひ君にも知って欲しいと思うんだ。
1 . 働き方の多様性を知る
ぼくはこのまるもに来るまでは、飲食業に腰を据えていた。考えなしにではなく、小さい頃からの夢を追いかけてのことだったから、『働き方』という点では何ひとつ疑問を抱いていなかった。
朝から晩までみっちり働いて、その対価としてお給料をもらう。
周りには愚痴を言いながら働く人間も多かったな。でも、それに比べてぼくは好きなことでお金をもらっているという意識があったから、幸せな方だなあなんて思ってた。
本当の意味でお金を稼ぐ
22歳のぼくは、千葉のまるもに来るまで『アルバイト』という形でしかお金を稼いだことがなかった。
22歳のほとんどはそれが当たり前だし、それ以外の方法は知らないと思う。
でも、この千葉の田舎で半年間過ごして、色んなお金の稼ぎ方を知ることが出来たんだ。
まるもの1階はコワーキングスペースと言って、それぞれが独自の仕事をするネット環境が整ったスペースになっている。
- クラウドソーシングで稼ぐ人
- ブログで稼ぐ人
- アフィリエイトサイトを自作して稼ぐ人
- 人づてで仕事を紹介してもらって稼ぐ人
いわゆるフリーランスと呼ばれる人たちにたくさん会うことが出来た。
クラウドソーシングとは、ネットを通して不特定多数の人に多種多様な仕事を募集すること。そこに各個人が仕事の応募をすることで仕事の獲得につながるという仕組み。
アフィリエイトとは、企業が持つ商品やサービスを仲介して販売すること。
きっとまるもに来ることがなければ、クラウドソーシングだとかアフィリエイト、はたまたフリーランスという言葉ですら知らずにこの先の人生を過ごしていただろうな。
ぼく自身、まるもに来たことがきっかけでこのブログを始めた。
現にこのブログで月に2,000円ほど稼いでいる。
君は表面だけを見て、ランチ2回分ほどの取るに足らない金額だと思うかもしれない。でも、それは違う。
どこかに雇われずに、自分の手で、頭で、本当の意味で稼いだお金だ。
この2,000円という価値は、ぼくにしてみればそれはそれは大きいものなんだよね。
もちろん、この先もっと収益が伸びるように記事を書いていくし、ありとあらゆる試行錯誤をしていく。
選択肢を知っておく
上記のようなフリーランスという生き方を知らずとも、もちろん生きていけると思う。
でも、間違いなく言えることがある。
それは、多種多様なお金の稼ぎ方を知っていれば、会社に雇われて働くことに縛られる必要はない。そして、圧倒的に人生の選択肢は広がるんだよ。
まるもにはフリーランスとして働く人が数多くいる。みんなの目は生き生きとしていて、満員電車に揺られる死んだ魚の目をしたサラリーマンとは雲泥の差だ。
現在、ぼくは好きで選んで都内の飲食店で働いている。でも、例えば人間関係だったり、やりがいを感じれなくなった際には、簡単に方向転換が出来ると思う。
それは、会社員以外の働き方を知れたから。上辺だけじゃなく、半年間そういう働き方をしている人のリアルな部分を知れたから。その働き方の可能性を知れたから。
働き方の選択肢を知っておくということは、自分の人生の可能性を広げることになるに違いない。
2 . 他人は自分の映し鏡
まるもに住んでいるだけで、数多くの人に出会えた。
まるもの1階では、フリーランスの人が働くかたわらで、田舎フリーランス養成講座(以下いなフリ)というものが定期的に開催されてた。
(ぼくが受けた第4期の様子。みんな真剣そのもの。)
すごく簡単に言ってしまえば、フリーランスになるためのスキルを、1ヶ月間でまんべんなく学べるプログラム。
フリーランスと一言で言っても、
- サイト制作
- ライティング
- webデザイン
- ブログ運営
- アフィリエイト
と、多種多様なスキルを学ぶことが出来る。場所を選ばずにPCひとつあればどこでも出来る仕事ばかり。
かく言うぼくもいなフリ4期生で、この講座をきっかけにそのまま移住することになったんだよね。
◼︎参考:圧倒的に面白い田舎。まだ都会でくすぶってるの? - ONE STEP
そしてぼくがまるもの2階に住んでいる半年間のうちに、なんといなフリは第9期をむかえた。
1回のいなフリでだいたい約10人のメンバーが集まる。さらには17人という大所帯な時もあった。
単純にこの半年間のうちに約50人近くの人との新しい出会いがあったことになる。
さらに言えば、金谷近辺の地元の方々とも触れ合いがあった。
まるもではイベントなんかも数多く開催され、そこでの出会いもあった。
(100人近くの人との出会い)
数だけ見れば、薄っぺらい出会いだと勘違いするかもしれない。
でもそれは違う。
いなフリ生とは寝食をともにして多くのことを語り合った。そして、地域の人からは田舎の良さを存分に教えてもらった。
そして、出会いが多い半年間を過ごして気づいたことがある。
出会いが大切という真意
《出会い》は人を成長させる。
これは知ってた。こんなわかりきったことじゃあない。
だとしたら、出会いが大切である真意は何か。
それは《他人は自分の映し鏡》であるってこと。
つまり、自分がどういう人間で、何に喜んで、何をすることが嫌で、何をしたら幸せに感じるのか。
それらの気づきを与えてくれたのはいつも《他人》だったってことに気づいたんだ。
他人と聞くと、どこか冷たい言葉のように聞こえるけど、ここで言う他人とは《自分以外の人》のことを指す。
例えばどういうことか。
飲食業界から離れて、いなフリが始まってからはパソコンと向き合う時間が増えた。
そんな合間に、料理人であるぼくはいなフリ同期にご飯を振る舞う機会が何回かあった。
みんなが美味しい美味しいって食べてくれる姿を見て、喜びを感じたし、そこに幸せを感じた。
あぁ、やっぱり自分が人生通してやりたいことは、他人と対面して、自分が作った料理で喜んでもらうことなんだ。相手が喜べば、自分も喜ぶ。なんてハッピーなんだ、って。
これは、他人がいなければわからないことだし、自分ひとりで料理を作って食べてもけっして感じないことなんだよね。
- 自分を喜ばせるには、他人を喜ばせれば良い
- 相手が自分の行動に対して嫌な態度をとったのなら、それは自分の中に何か嫌な部分があるから
- 自分の周りの人間がつまらないと思うなら、それは自分がつまらない人間だから
他人はまるで自分を映す姿鏡のように、数多くの新しい気づきを与えてくれる。
ここで大切だと思っていることは、まずは自分から与えるということ。
自分から他人に《優しさ》を与え、《感動》を与え、《喜び》を与える。
自分自身を知るために、他人にありとあらゆるものを与え、常に新しい気づきを与えてもらおう。
自分自身を深く知ることは、人生をより一層生きやすいものに昇華させるはずだ。
君が本当にやりたいことは何か。
それは他人をよく観察することで答えが導かれるのかもしれない。
3 . 消費よりも生産を
都会はみんなの「消費」で成り立ち、田舎はみんなの「生産」で成り立つ。
これは、田舎での移住後に東京に住み始めてから気づいた。
都内から往復4時間かけて、千葉のいすみ市に行ってきた。
— ゆうと@世界初の熟鮮肉 (@yut0425) 2017年6月19日
良い汗かいて、新しい出会いがあって、みんなでごはんを食べて。
都会はみんなの「消費」で成り立ち、田舎はみんなの「生産」で成り立つ。
間違いなく後者の方が人生を彩るよね。
何よりも青い空と輝かしい緑の絨毯は人の心を和ませる。 pic.twitter.com/eXNE3pukZH
都会では、消費活動が活発で、その理由としては以下の原因が考えられる。
- 人間同士の見栄の張り合い
- 生産活動する場所が少ない
- 消費活動する施設が多い
- 物が簡単に手に入る
それに比べて田舎には、有り余るスペースがあるけれど、消費活動する施設は圧倒的に少ない。
逆を言えば、生産活動する場所はたくさんある。簡単なところを言えば、農業なんかはその典型だし、自分たちの手でログハウスを1から作っている人なんかにも会った。
(みんなで知り合いの田んぼの稲刈りをする様子)
ぼくは田舎から都会に移ってから、さて休日に何をしようと考えた時に、特にやりたいことが思いつかなかった。
それは、田舎での生産活動の面白さを肌から感じ、何かを作り出す喜びや達成感を味わったから。
それと同時に消費活動の虚しさ、さらにはもったいなさを痛感したから。
(青空の下での天ぷらは最高以外の何ものでもなかった)
もちろん、都会でも生産活動をする場はあるだろうし、単にぼくが知らないだけかもしれない。
でも、どこまでも続く真っ青な大空と輝かしい緑の絨毯は、けっして都会にはない光景だよね。
(千葉県いすみ市の景色)
この大自然を数ヶ月ぶりに見たぼくは、大好きな人にぎゅっと抱きしめられたかのように、心の中がじんわり暖かくなった。それはそれは気持ちの良い気分だった。
この景色の中での生産活動を一度味わったらやみつきになることは間違いない。そして、意味のない消費活動に嫌気がさすはずだ。
消費活動の意味のなさ、生産活動の有意義さ。
このことにいち早く気づくことが、人生を無邪気に楽しむ最大のポイントなんだと思う。
4 . 自分をさらけだせ
人生において、人間関係というものがいかに大切かは君もわかりきっていると思う。
人間関係を攻略したら、どれだけ人生の幸福度が上がることか。
じゃあ、攻略のいとぐちは何か。
それは、《自分をさらけだす》ということ。
人付き合いにおいて最も大切なことなんじゃないかと思う。
千葉の田舎でたくさんの人と交流して、自分をさらけだすことがいかに大切かを学んだ。難しく言えば《自己開示》ってやつ。
自分に仮面をつけず、恥も弱さも全てをさらけだすこと。
そうすると、他人は間違いなく自分に心を開きだす。
自分をさらけだすと4つの感情が得られる。4Kだ。
『共感』『親近感』『信頼感』『安心感』
この4つが得られたら、もはや最強と言えるよね。
互いに自分をさらけだした途端に仲良くなるスピードはグッと上がるし、自分自身も人と接することに楽になる。
自分をさらけだした結果、相手が離れていくのなら追いかける必要なんて全くない。
自分が好きな人と、自分を好きでいてくれる人とだけ一緒にいることの何が悪いんだ。
社会に出れば、嫌な人といなければならないこともあるかもしれない。でも、それはけっして強制じゃないんだよ。
いっそのこと逃げたらいい。逃げる勇気を持つことが君の未来を切り開く鍵となるんだ。
まずは、自分をさらけだす。これに徹底して人付き合いをしてみたらどうかな。
人生が幸せに満ち溢れたものになると思う。
人生においてあまりにも大切な4つのこと
- 働き方の多様性を知っておく
- 他人は自分の映し鏡である
- 消費よりも生産を
- 自分をさらけだす
ぼくは半年間の田舎生活を送ったことで、この4つの大切なことに気づかされた。
全てに共通して言えることは、やっぱり『人』なんだと思う。
人に会い、人から学び、人を大切にする。それを全部自分に生かす。
ここで注意してほしいのが、人に期待しすぎてはいけないということ。
『縁』『恩』『優しさ』なんかは、対人からのリターンがなかったとしても、絶対に巡り巡って自分に返ってくる。
ぼくはいつからかこの考え方を信じ続けてる。
そうすると、この巡り巡っている感じを要所要所で感じる時がある。
この考え方は、ぜひ君にも実践してほしいな。
社会で消耗する君は、もしかしたら、人に会うことに疲れているかもしれない。
だったら、まずは大自然を求めて田舎に行ってみてほしい。都会とは違うゆったりとした時間の流れを味わってほしい。
ぼくらの人生にいつ終わりが来るかは誰も知らない。もしかしたら、明日かもしれない。
だとしたら、社会で消耗している時間はあまりにももったいない時間の使い方だよね。
やりたいことをやる。そんな当たり前なことに素直になろうよ。
一歩ずつでいいんだから。