
Image Credit: Google
Google は本日(6月14日)、スマートフォンの消費電力を抑えつつも画像認識の改善を支援する新たなモデルをリリースした。MobileNets と呼ばれる事前学習済みの画像認識モデルでは、開発者はサイズや精度の異なる各モデルからアプリケーションのニーズに応じて最適なモデルを選択できる。
今のところ、多くのモバイルアプリ内のマシンラーニングはデータをクラウドサービスに転送して処理させ、ネットワーク越しに結果を受け取り、分析結果から分かることをユーザに提供している。これは、スマートフォン上での情報処理の負荷を軽減するために、恐らくデータセンター側で非常に強力なコンピュータが使用されていることを意味する。このアプローチの短所はレイテンシーとプライバシーだ。
ユーザのスマートフォン上でデータを処理することにより、断然速く結果が得られる可能性があり、また、データも携帯の外に出ることはなくなる。しかし、モバイル端末上で使用するためにマシンラーニングのモデルを最適化するのは難しい。コンピュート・インテンシブなマシンラーニングのオペレーションにより激しくバッテリーを消費してしまうようでは使い物にならない。
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ここで MobileNets が登場する。Google が事前に全ての最適化を行っているため、開発者に求められるのはアプリケーションにモデルを実装することだけとなる。モデルには、積和演算(MAC)を5億6,900万回使用するものから、1,400万回しか使用しないものまである。
この場合、より多くの演算を使用する MobileNet モデルほど精度が高くなり、その代わりに端末リソースに対する負荷が増える。
これはマシンラーニングのローカル実行が増えているトレンドを事業化しようとする Google の動きである。本ニュースの1ヶ月前、同社は TensorFlow を使用して生成したマシンラーニングモデルを低電力 Android 端末上でより効率的に実行するフレームワーク、TensorFlow Lite を発表した。
Android や iOS、Raspberry Pi へのモデル展開支援を念頭にデザインされたシステムである TensorFlow Mobile を使用して、開発者は今すぐモデルを展開することができる。
本リリースは今年 Google が論文発表した成果に基づくものである。