民進党の離党ドミノが止まらない 蓮舫氏の代表辞任も急浮上
参院議員からくら替えする方針だが… ©文藝春秋
民進党中枢の崩壊が止まらない。4月に憲法改正問題で細野豪志氏が代表代行を辞任したのに続き、6月7日、役員室長の柿沢未途衆院議員が辞表を提出した。理由は、柿沢氏の妻である現職都議の幸絵氏が離党表明したため。
前回の代表選で蓮舫氏を担いだ主流派から、離反が相次いでいるのだ。
「中でも柿沢氏は、江田憲司氏のグループでしたが、真っ先に蓮舫氏支援にはせ参じ、その論功行賞として役員室長に抜擢された側近と見なされていました」(民進党関係者)
だが、党が実施した都議選の調査では、妻は当選圏外。
「慌てた柿沢氏は、泥舟から逃げ出したのでしょう。かわいそうなのは、離党表明前日まで応援に入っていた民進党の秘書たちで、激怒していました」(同前)
都議の離党ラッシュは今に始まったわけではない。今年に入り、都議選の公認候補16人が離党、ほぼ全員が小池百合子都知事率いる都民ファーストの会の推薦、公認を得ている。
12日には、民進党都連は公認を取り消した14人の離党届を受理し、幸絵氏ら2名の除名処分を発表。お膝元の都連はもはや機能不全に陥っており、当選圏内入りをうかがう公認候補は数人程度という有様だ。
「柿沢氏は小池氏との連携に期待して、妻を離党させた。都議選後に、都民ファの国政政党ができれば、東京都の民進党国会議員も雪崩を打つでしょう」(同前)
一方、都議選で大敗しても代表辞任はないとされてきた蓮舫氏だが、選挙後は党内政局が待っている。
「共産党との野党共闘と、小池氏との連携のどちらをとるか。憲法改正についても、小池氏は改憲に賛成なだけに、もともとある党内の路線対立が深まるでしょう」(民進党国会議員)
さすがに、側近の柿沢氏の離反には、ショックを受けているという蓮舫氏。
「代表として次期衆院選で東京の小選挙区からくら替え出馬する予定です。ただ、選挙区もまだ決まっていない状態で、このままでは当選はおぼつかない。そこで、ここにきて、蓮舫氏周辺からは代表を投げ出すのではないかとの見方が出ています。代表を辞めれば、くら替えの必要もなくなりますから」(同前)
安倍内閣の支持率は急落しても支持率の上がらない民進党。代表辞任は、支持率上昇の切り札となるか。
(「週刊文春」編集部)