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 同じ「山本」でも、こちらは水着の山本です――。水着の製造などを手がける山本化学工業(大阪市生野区)が22日、和歌山市にある同名の原薬メーカーと無関係という声明を急きょホームページに掲載した。日本代表選手も水着を愛用するメーカーが、誤解に困惑している。

 思わぬ「飛び火」を受けた。和歌山市にある原薬メーカーの山本化学工業が、風邪薬に使われる解熱鎮痛剤に中国製のものを無届けで混ぜて水増しして製薬会社に出荷していたことが、医薬品医療機器法違反にあたるとして厚生労働省から立ち入り調査を受けていたことが、22日に判明。社名がまったく同じだったことから、大阪の山本化学工業にも報道各社などから問い合わせが相次いだという。

 大阪の山本化学工業は水着やウェットスーツ、ラバーを用いた医療機器などを扱うメーカーだ。高速水着用のラバー素材を開発し、注目された。2010年から大会での高速水着の使用が禁止された後も、練習用のラバー製水着を開発。フォームの改善につなげるのが特徴で、日本代表選手も使っている。

 ブログや、ツイッターのつぶやきでは間違って大阪の山本化学工業の画像やURLが転載される事態に。広報担当者がツイッターに一つひとつ返信して誤解を解こうとするなど、対応に追われているという。「和歌山県にある山本化学工業株式会社は、弊社とは全く関係はございません。弊社は医薬品は一切製造しておりません。どうぞご安心ください」と呼びかけている。(増田啓佑)