家を売る時には、「相場価格はいくらか?」を調べたいものです。相場価格は不動産会社に査定依頼するのが一番早いですが、自分自身で調べる方法もあります。自分自身で相場価格を調べておけば、不動産会社と話をするときも話がスムーズに進みます。そこで今回は、自分自身で相場価格を調べる、具体的な方法を解説します。

相場を教えてる人とグラフ

1.家の相場を調べる方法

まずは、築年数や面積など「家の概要」から、家の相場を調べる具体的な方法を解説します。なお、以下に記載する内容は基本的には一戸建てのお話です。

1-1築年数による相場

耐用年数

築年数による相場価格に関しては、不動産は「耐用年数※1」を参考にする方法が良いです。耐用年数とは国税庁が定めている、「造りごとに価値が0円になる年数」の基準です。たとえば、住宅用の木造一戸建てであれば、22年を耐用年数と定めています。

つまり、22年経つと価値が0円になるということです。実際に多くの不動産会社は、木造一戸建ての建物部分の価値を20年~25年程度で0円と査定することが多いです。そのため、まず築年数が22年を超えている木造一戸建ての場合には、建物価値は0円と考えた方が無難ということになります。

築年数下落率のデータ

また、築年数の下落率のデータ※2を参考にして、新築購入時から逆算する方法もあります。たとえば、築0年~5年の平均成約価格が3,679万円で築11年~15年の平均成約価格が3,329万円というデータが出ています。つまり、新築で買った後に築11年~15年程度経った一戸建ては、10%ほど下落するということです。そのため、自分の新築時と照らし合わせれば、自ずと相場価格は算出されます。

ただし、この築年数による下落率に関しては、エリアや建物の劣化具合にもよるので、あくまで「参考」程度に認識した方が良いです。

※1国税庁 「耐用年数」
http://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php

※2東日本不動産流通機構 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」

http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201203.pdf

築年数が査定価格に与える影響について 古い家を売る方法

1-2面積と部屋の数

基本的には一戸建ての建物価格は面積に比例します。つまり、1㎡当りの単価を計算し、その上で延べ床面積を掛けることにより、一戸建ての価格が算出されるということです。

たとえば、相場価格が20万円/㎡で、一戸建ての延べ床面積100㎡であれば2,000万円(20万円×100㎡)の価格になります。

また、部屋の数については、一般的な間取りであればそれほど気にする必要ありません。ただ、間取り変更などをしている場合は注意が必要です。

通常、一戸建ては70㎡~90㎡の場合、部屋数(ここでいう部屋数はリビング・ダイニング以外の部屋を指します)は3つ以上、90㎡~110㎡であれば部屋は4つ以上あります。

部屋の拡張などをしており、この㎡数と部屋数が一致しない場合には、相場価格が変わることがあります。

特に、部屋数が少ない場合には相場価格より安い価格になるかもしれません。

たとえば、100㎡の戸建てが欲しい方は4つ以上部屋が欲しい場合が多いので、それが3部屋になると検討から外れる可能性があるからです。

1-3修復履歴

リフォームした家

修復履歴とは、いわゆる「リフォーム履歴」になります。さきほど、一戸建ての建物価値は20年~25年で査定額が0円になるといいました。しかし、修復履歴がある場合は例外です。とくに、外壁や外装を修復しているかどうかで価値は大きく変わってきます。

そのため、大きな修復をしている場合には、修復箇所や程度によって5~15年ほど築年数を浅くカウントできます。

リフォームした家は高く売れるの?

1-4駅からの距離などの利便性

電車

駅からの距離や周辺施設などの「利便性」は、相場価格に大きく影響を与えます。エリア特性があるので相場価格への影響は一概にはいえませんが、分かりやすいのは徒歩分数です。徒歩分数は「1分」駅から離れるごとに1~2%価格が下落すると言われています。

つまり、徒歩5分の物件と徒歩15分の物件は10~20%程度価格に開きがあるということです。そのため、周辺で同じような物件が成約していれば、その徒歩分数と比較して、ある程度の相場価格を算出することは可能です。

2.インターネットでの家の相場の調べ方

スマホで家の相場を調べてる人

インターネットで家の相場を調べる方法は大きく分けて2通りあります。

2-1REINS Market Information

1つ目の方法はREINS Market Informationを利用することです。

REINS Market Informationを利用すれば自分の物件と同じ地域の「成約事例」を調べることができます。

また、エリアだけでなく、築年数や面積も絞る事ができるので、より自分の物件と近い物件をピックアップできます。

REINS Market Informationで自分の物件と近しい物件をピックアップすれば、その物件の成約価格が相場価格になります。そこで、上述したような「築年数」や「駅距離」などを加味すれば、自分の物件の相場価格を算出することができます。

2-2土地総合情報システム

相場価格を調べるもう一つの方法は
土地総合情報システム※4を利用することです。

この土地総合情報システムはREINS Market Informationと似たような機能がありますが、使い勝手はこちらの方が良いです。

できることもREINS Market Informationと同じなので、成約事例から相場価格を調べることが可能です。

ただ、REINS Market Informationとの大きな違いは坪単価が表示されないことです。

そのため、坪単価をザックリ把握したいときにはREINS Market Informationが便利です。土地総合情報システムで坪単価を把握するには、一度エクセルなどにデータを落として整理する必要があります。