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ワンダーラスト運営日記

ほとぼりさめるまで1年くらい西新宿から遠ざからなきゃならない。

 

店長が偽名の怪しい店 4 

少し前に、ジミーペイジが来るので店に来てくれないかとLHから連絡があった。
私が到着した頃には既にジミーは店内を物色中で、
LHは入口を閉めてジミー貸切、店内は関係者のみという状況であった。

そんな中、途中で、ひとりの冴えない男が店内に入ってきた。
LHの社長がそいつに向かって、
「田中さーん!田中さーん!こっちこっち!」と言っている。

ん? 田中なんて聞いたことのない名前だな。
たぶん、たまにLHの手伝いか何かをしている奴なんだろうと、
その時は気にも止めなかった。

私がジミーペイジと歓談したり、いろいろ説明している時も、
この男は、終始、後方で遠巻きにじっと黙って見ているだけであった。
不覚にも、その時はまったく気付かなかった。

その男こそ、ネクストタイムの「田中」だったのである!

電話で何度か「田中」として話したことはあるが、
実際に顔を見るのは初めてである。

まったく存在感のない、冴えない風貌の地味な小男で、
これがあの荒らしで大暴れ、ネット上を蹂躙している男には見えなかった。
だからこそ、私も気付かなかったし、だからこそ、余計に不気味なのだが。

それよりも興味深いのは、
LHの社長が、この男を「田中さん」と呼んでいた点である。

お店のホームページを見ればわかる通り、
ネクストタイムはLHの商品をメインにし、LHに大きく依存している店である。
そんな、お世話になっているお店に対しても、
この男は偽名で通している事実、それが私には驚きであった。

もちろん「田中」が偽名であることはLHも100%承知しているだろう。
それでもなお、この男は自分を偽名で呼ばせている。

最初に嘘をついたら、もう後には引けず、嘘をつき続けるしかない。
全員にバレていても、裏で笑われていても、とことん「田中」で通すしかないのだろう。

Category: 店長が偽名の怪しい店

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店長が偽名の怪しい店 3 

さて、これまで「頭のおかしい変な客」として有名だった男が、
「田中」という偽名で店員となり、その後、その店を乗っ取った経緯を書いた。

この男、乗っ取った店の名前をネクストタイムと変え、
店長に居座ってから、西新宿のお店に挨拶にまわったらしい。
もちろん本名ではなく、偽名で作った名刺を持ってである。

「らしい」というのは、前回書いたように、
私は事前に「田中」とネクストタイムの怪しさを察知して取引を断ったため、
私のところには来なかったからである。

後に「田中」が偽名だと判明した後の各店舗の反応は様々であるが、
皆、一様に驚いていたことは確かである。

「え~っ?だってウチにタナカタカシという名刺持って挨拶に来ましたよ」
「あ、ウチにも来たわ。ちゃんと名刺ももらったよ」
「あれ偽名だったの?タナカタカシじゃないの?」
「でも、本人から聞いたわけじゃないから、今さら○○○さんとは呼べないしなあ」
「なんで偽名なんだよ。○○○はバレないとでも思っていたのか」


西新宿という狭い村の中にあって、 偽名を使っている奴は初めての登場である。
反応は様々ではあったが、どの業者さんも対応に苦慮していた様子が伺える。

なにせ、偽名だとわかってはいるが、
本人の前では気付いていないフリをしなければならない。
迷惑な男である。

まあ、とにかく、本人が「田中です」と言ってる以上は、
こちらも付き合って「田中さん」と呼ぶしかないだろう。
しゃーねーなー、というのが各業者さんの結論だった。

*****

ビートルズのワシントンDC公演の完全盤DVDが入荷したので、
ワンダーラストから卸すことになった。

ところが中間業者が誤ってネクストタイムにも営業をしてしまい、
ホームページに掲載されてしまったことがあった。

私はすぐに中間業者に電話をした。
あんな店にウチの商品を売らないでくれ、
すぐにホームページから削除するよう伝えてくれと。

後日、この中間業者の担当が「申し訳ありませんでした」と謝罪に来た。

「ネクストタイムの田中さん、に言って、すぐにネットから下げさせましたから」

文字で書けば、たったこれだけであるが、
「田中さん」の後に句読点があるのがポイントである。

「ネクストタイムの田中さん(ニヤリ)、に言って、すぐに下げさせましたから」と、
この担当者は、名前の部分でニヤリとして一瞬間を置いたのである。
そしてその部分で、私も思わず(ニヤリ)と呼応させてしまった。

「偽名だとわかっているとは思いますが、そこは大人の事情で察してあげましょうね」

お互い言葉にはしなかったが、このような暗黙の了解が、
「田中さん」の部分での一瞬の間と、お互いのニヤリだったのである。
まるで示し合わせたかのように、私とその担当者が同じ箇所でニヤリである。
まさに事情を知っている者どうしの阿吽の呼吸。
今でもこの時のことを想い出すと笑いが込み上げてくる。

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店長が偽名の怪しい店 2 

御茶ノ水のエレクトリックアイの店長Yとは、
ストロベリー時代からの付き合いだったので、
引き続きワンダーラストの商品を提供し、店に置いてもらっていた。
しかしある時、店長Yではなく「田中」からメールが来た。

「商品はこれからはY宛ではなく、わたくし田中宛に送ってください」

さて、ここからは、店長Yから聞いた話である。
この「田中」という男が、ほぼ乗っ取りに近い形で店長Yを追い出した。
店を乗っ取ったあげく、店名を「ネクストタイム」に変え、
完全に御茶ノ水の店舗を手中にしたというではないか。
やってることがヤクザである。

「田中」が御茶ノ水の店を乗っ取った手口が、
果たして合法なのか違法な手段によるものなのかは私にはわからない。
ただ、店長Yは法的手段も視野に入れていたので、
違法ないし、限りなくグレーに近い形での「乗っ取り」だったと思われる。

エレクトリックアイからの流れで、ネクストタイムと店名を変えた後も、
店長Yがいなくなったことを私が知らない短い期間だが、
ワンダーラストの商品を提供していた時期があった。

ところが、経営難に加えキャッシュフローが不健全で、
資金が困窮していたのだろう、
ネクストタイムからの支払が滞るようになった。

本来ならば、代金を払えない店には、
傷口を広げないために商品をストップするのが定石だが、
温情措置で、売掛ではなく代引きを条件に、引き続き商品を送っていた。
未払いの代金は代引金額に少しづつ上乗せして、
分割でナントカカントカ回収したくらいである。

その後、店長Yが、「田中」によって放逐されたという噂が西新宿に広まり、
Y本人からも連絡をもらい、私もその事実を確認した。
私は、あくまで店長Yとの個人的な関係で取引をしていたのであって、
店長Yがいなくなった以上、ネクストタイムと取引を続ける理由はない。

ところが、店を乗っ取った張本人の「田中」が、
今後はYではなく自分と取引を続けて欲しいという。
この時点でも相変わらず私に対しては「田中」である。

支払が滞る上に、店長は偽名。
こんな奴、気持ち悪くて信用できるわけないだろう。
しかも、この偽名の男が、私と懇意だった店長を追い出し乗っ取った店。
こんな怪しい店と取引をする理由は何ひとつない。
むしろ積極的に関わりたくない店である。

「田中」からは取引の継続を求められたが、
そんなの断るに決まっているだろう。

私が、やんわりと取引お断りの連絡を入れたら、
「田中」から何やら恨み節がつらつら書かれたメールが届いた。
そして私と会って一度話がしたいというではないか。
なんで多忙な私が時間とってこんな奴と会わなければいけないのか。
そもそも私と対等な立場だと勘違いしているところが痛い。
このメールもまだ残っているので、そのうち公開するかもしれないが、
本当に気持ち悪い。マジで気持ち悪い。

そして、このとき私に取引を断られた恨みが今に至るまで続いていると思われる。
おそらくネクストタイムの「田中」は1000年先まで恨み続けるのだろう。

(続く)

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店長が偽名の怪しい店 1  

今やネット上で「HN」を使うのは一般的であるし、
結婚後も「旧姓」のまま仕事をしている女性も多いのではと思う。
三島由紀夫や西村京太郎などは本名ではなく「ペンネーム」である。

しかし、「ペンネーム」や「ニックネーム」、あるいは「芸名」などと異なり、
普段の生活において「偽名」を使うことはまずない。

「偽名」という響きには「第三者の目を欺くための嘘」という否定的なニュアンスが含まれ、
定義としては「他人を欺くために使われる虚偽の名前」のことを指す。

*****

かつて客として西新宿に出入りしており、
頭のおかしい変な客ということで、各店舗で強い印象を残している男がいた。
とあるお店の店員の証言を紹介しよう。

「最初は普通の人だと思っていたのに、だんだん壊れてきたんだよね」
「あんな人だったっけと、変貌ぶりに(店員の)みんな驚いていた」
「何の仕事してるか不明だったけど、
 油山の旅館に商品送ってくれと言ってたから、小説家じゃないかと冗談で噂していた」


さらにPADDINGTONレーベルのニールヤングのタイトルが入荷した際には、
商品棚で見つけるや、ガッとそのCDをつかむが早いか、
ダッダッと早足でレジに持ってきて、興奮しながら鼻息荒く店員に詰め寄ってきた。

「これWENDY系ですよね?ね?ね?コピーですよね?ね?そうでしょ?ね?ね?」
「はぁ・・・同じ卸元さんから来てますが、何系と言われましても・・・」


とまあ、こんな感じで、~系という話題が大好きな 「ウザくて変な客」で有名だったらしい。

*****

かつて御茶ノ水にストロベリーというCDショップがあった。
いろいろあって、ストロベリーは経営者が変わり、
実店舗は「エレクトリックアイ」と店名が代わることになった。
そこに突如として登場したのが「田中」と名乗る店員である。

私もエレクトリックアイの店長Yから、
電話口で「ウチの田中です」ということで紹介されたことがある。
なんと!この男こそ、この「ウザくて変な」客と同一人物だったのである!

「同一人物」とはおかしな表現だと思うだろうが、
なにせ「ウザくて変な客」の名前が「田中」ではなく違う名前だったのだ。
はて、ひとりに名前がそういくつもあるものなのか。

案の定、その後すぐに、この「田中」の正体が判明することになる。
実は「田中」というのは全くのデタラメ、ウソだったのだ。

偽名を使うとは怪し過ぎる(笑)

そもそも、こんな有名な客が、偽名使ったところでバレるのは時間の問題だろう。
そんなこともわからず、ずっと偽名で通用すると思ってたのだろうか。
まったく頭の悪い奴である。

さらに「ウチの田中です」と紹介してくれた店長Yもコイツとグルなのかと思いきや、
なんと、この男、一緒に仕事している店長にすら徹底して偽名を使っており、
ずっとだましていたということだ。

店長Yから私の携帯に慌ただしく電話がかかってきた。

「聞いてくださいよ!あれ、田中じゃないんですよ。本当は○○○なんですよ!
 ほら、2ちゃんねる荒らしの!知ってますか?荒らしのアイツだったんです!
 アイツ俺にまで偽名を使ってたんですよ!」


店長Yも、ずっと一緒にいる男がまさか偽名だとは想像だにつかず、
まさに青天の霹靂だったのだろう。
私は「まあ、まあ、落ち着いて話せよ」となだめた。

敵を欺くにはまず味方からという格言があるが、
この「田中」という男は、まさにそれを忠実に実行し、
自分が働く店の店長にも偽名しか伝えていなかったようだ。

さっそく私は、先の証言をしてくれた店員に連絡をした。

「おい知ってたか? あの田中ってのは偽名で、本当は○○○なんだってさ」
「え~~~ッ!すげー!マジで~?!田中って、あの○○○さんなの?!びっくりだわ!!」


このように、一部方面に衝撃を与えた、
「他人を欺くために使われる虚偽の名前」が「田中」という偽名であった。

(続く)

Category: 店長が偽名の怪しい店

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ポール来日公演 

ポールの来日公演モノが百花繚乱、玉石混交、大量に出ている。
私も仕事柄、他社製品も含めほとんど全てのレーベル、タイトルに耳を通している。
昨今の機材の発達は目覚ましく、どのタイトルも「高音質」と呼べるラインは越えている。
しかし、正直言って、いろいろ聴いて安心したというのが本音である。
はっきり言えるのは、いずれもピカデリーを脅かすものではないという点である。

数あるタイトルの中からピカデリーを選んでくれたお客様は、
その選択が間違いでなかったと自信を持ってもらいたい。

あるお客様からメールを頂いた。
「品質を信頼しているからこそ、他よりも高価であっても購入しています。」
これにはグッときた。心が動かされた。
この信頼を裏切らない商品を提供せねばと改めて思った。
そして、今回のピカデリーのシリーズはその期待に応えるものだと自負している。

これで不満があるというのなら、もう他レーベルの商品を買って欲しい。
これ以上のものを提供できることは出来ない。
むしろ、これ以上音の良いものがあるなら聴かせて欲しいくらいだ。

今回のピカデリーの来日公演シリーズで、
特に注目して聴いていただきたい点は「空気感」や「音の広がり」である。

かなり高級な専用マイクを海外から取り寄せた結果、
その効果のほどは、単体では気付かないだろうが、
聴き比べればその差は歴然である。

この「空気感」を言葉で言い表すのは難しいが、
従来のマイクが250ccで、今回のマイクが750ccのバイクのような感じ。
同じ速度で走っても、窮屈な感じがせず余裕があるという例えはわかりづらいだろうか。
本当に全然違うので、ぜひ他レーベルと聴き比べてもらいたいと思っている。

それにピカデリーは機材だけでなく、録音場所にも配慮している。
すべて最前列録音というのは単なる宣伝文句ではなく事実で、
例えば東京初日23日のエンディングでは、
紙吹雪が眼前でブワァ~っと吹き付けられているのがわかる。
東京三日目27日などは、紙吹雪がマイクを直撃して上に積もったくらいだ。

さらに今回の特長は、
最前列録音ということは少なくとも前に客席がないこともあり、
特にヘッドフォンで聴くと耳につく拍手、手拍子、
そして雄叫びや絶叫などがほぼ皆無なのである。

「SOMETHING」前半のウクレレの部分や、
「BAND ON THE RUN」でアコギから曲構成の第二部に移る部分、
そして「THE END」のドラムソロの部分などは手拍子が顕著に出る部分であるが、
その部分もキレイにノイズレスで収録されているのである。
まさに機材、環境の両方が理想的に合致した作品となっている。

もちろんこれは偶然の産物ではなく、
今まで最新ツアーを10余年に渡って追いかけてきたピカデリーの、
威信をかけた経験と努力の結果なのである。
プロの仕事なのである。

最後に東京初日23日からアビーロードメドレーを聴いてもらおう。
これを聴けば、私が前述したことが理解してもらえるのではないだろうか。
音の広がり、空気感、ノイズレス、各楽器の美しい音色、
これらをぜひ自分の耳で、音量を上げて確認してみて欲しい。

https://soundcloud.com/user149241672/23-abbey-medley

20150423 tokyo f


Category: ブログ

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