ゲーム名の文字数に変遷、背景は? 立命大研究員ら分析
「マリオブラザーズ」や「ドラゴンクエスト」といった家庭用ゲームソフト約3万本の題名を調べ、文字数などの変遷をみる研究成果がまとまった。立命館大ゲーム研究センターの研究員たちが分析した。題名の平均的な文字数は2003年の22・2字まで右肩上がりに増えたが、その後、減少か横ばい傾向にある=グラフ。その背景とは-。
任天堂のファミリーコンピューター(ファミコン)が発売された1983年以降、プレイステーション(プレステ)など多様なゲーム機向けに少なくとも4万本のソフトが発売されている。立命館大は、ソフトの収集保存に努め、漫画やアニメなどの情報集約を目指す文化庁のメディア芸術データベースでもゲームソフトの入力作業を担う。
今回は、ソフトの題名を網羅的に調べる初の研究として、83年~2012年に発売された約3万本を対象にした。「マリオブラザーズ」が「スーパーマリオブラザーズ」になるように、文字数はゲームが進化する中で増える傾向にある。
しかし、04年以降、減少か横ばいに転じた。中心となって調査した立命館大の福田一史専門研究員(38)は「一部のファンが好む映像などの高度化したものから、誰もが気軽に楽しめるゲームを重視する転換期に入ったため」と分析。特に04年発売のゲーム機ニンテンドーDSで、脳トレや犬を飼うソフトなど比較的単純なゲームが流行したのを機に「題名も分かりやすく短くなった」とみる。
平仮名やカタカナなどの文字種をみると、80年代はカタカナが大半で90年代に入ってアルファベットが急増する。80年代は子ども中心だったが、90年代になると大人向けにもなり、英語が増えた背景がうかがえる。メーカー別では、「信長の野望」など歴史ものが多いコーエーは漢字が多く、「エヴァンゲリオン」などアニメものが多いバンダイナムコはカタカナが多い。
福田さんは「ゲーム名は時代を反映している。今後はゲーム名に出てくる魔法や剣など単語ごとの出現変化を調べたり、ドラクエなどの略称が生まれる背景を研究したい」と話している。
【 2017年06月21日 11時50分 】