日本の音楽シーンが弱いのはラジオ局が弱いからだ。ラジオは音楽文化の底上げになるか

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昨日の記事を書いて

最新のかっこいい音楽だって無料で聞ける!だって2017年だから。音楽好き必見の海外Youtubeチャンネル
 新しい音楽が聞きたい! ヒットチャートじゃない海外の曲を聞きたい…と思っていてもなかなか海外…

昨日アップしたこの記事を書いていて、僕が普段フォローしている音楽系のYoutubeチャンネルの多くがラジオをやっている会社のチャンネルだなとふと感じたので記事にしました。

前回の記事では、記事自体のコンテンツの選定でレーベル系のチャンネルはあえて省いたり意図的に選んでいる部分もあるが、だとしても「じゃあテレビ発信のコンテンツで音楽を追っている物があるか」と思うとまったくなく、実際の肌感としても圧倒的にラジオ発信のものが多い。だからといって日本のラジオを積極的に聞いているわけではない。

じゃあ洋楽はなぜこんなにラジオが強いのだろうか?



アメリカではすべての音楽はラジオからやってくる?

前回の記事でいうと、

KEXPはシアトルのコミュニティに愛されているFMラジオで圧倒的な存在感を放っているし、あのニルヴァーナをいち早くラジオで取り上げたのもKEXPと言われている。オルタナティブ・インデーィーロック界隈では名の通った存在だし、地元のコミュニティーの支援も多い。

Tiny Desk ConcertもJazz Night in Americaもアメリカの公共ラジオNPRが提供しており、一社で音楽全体の底上げを担っている感すらある。

いやいや公共放送だからただただコンテンツが強いんじゃない?とも思ったが、じゃあ日本でNHKがここまでやってくれるかと言われたらそんなことはないと思う。

以前アメリカを車で旅行したときにも感じたが、圧倒的にアメリカのラジオは音楽コンテンツが豊富。カントリー専門曲があったり黒人音楽専門局があったり、ハードロック専門局があったり局の個性を全面に押し出している。逆にヒットチャート専門局だって清々しいほどヒットチャートを流し続けていて、むしろこっちがノッてしまう程だ。

アメリカ人はラジオが好きと言われてはいるが、単純にコンテンツが充実してるからみんなが聞くという側面もあると思う。

http://newsphere.jp/culture/20170412-1/



イギリスにはBBC Radio1がある

via BBC

イギリスに目を向けても、前の記事で取り上げたジャイルス・ピーターソンは泣く子も黙るBBC Radio1(若者向けの音楽専門局)出身だ。海賊ラジオ(自分で勝手にラジオ局を作って電波を発信すること)をやっていたら本物のラジオ局に呼ばれるようになったという強烈な逸話もあるほどで、まさしくラジオから音楽シーンを作り出している張本人でもある。

Gilles PetersonがRadio1卒業へ、新しいホストにSkream & Bengaが参加
Fabio & Grooverider、Kissy Sell Out、そしてJulesも離れる中、Friction、Charlie SlothとToddla T がRadio1の仲間入りへ。

彼の話の中で印象的だったのは、BBC Radio1を離れる時に言っていた「自分が良いと思う音楽だけをかけられる自由を与えてくれたRadio1には、本当に感謝をしている。」という言葉だ。イギリスやアメリカのラジオDJは日本よりもより「音楽の専門家」として扱われているということがこの言葉によく現れていると思う。



ラジオも変化する時代

ただ、欧米でそこまで支持を得ているラジオも、昨今のスマホ普及によって堅実ではなくなってきている。アメリカではミレニアル世代(この調査では15歳~19歳)は12%しかラジオを聞かないそうだ。(個人的には若者の9人に1人が聞いているという状況がすごいと思うが)

ラジオが人気のアメリカやイギリスでもデジタル世代のラジオ離れは進んでいる。

「若者のラジオ離れ」深刻に 米ミレニアル世代利用率は12%
米国の若者のラジオ離れを示すデータが明らかになった。ミュージック・ビジネス・アソシエーションと調査企業LOOPは7月12日、「音楽に関するミレニアル世代の消費行動」と題するリポートを発表した。それによると、ミレニアル世代は上の世代ほどラジオ

そんな中BBC Radio1はNetflix型のオンデマンド配信に活路を見出そうとしていたり、各社生き残りをかけてあの手この手を講じているのが現状だ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/jaykogami/20160923-00062505/



一方日本では

via BARKS

僕は日本ではラジオで音楽を聞かないとは言ったが、逆に今1番音楽が面白いのもラジオなのではないだろうかと思う。日本のラジオ局は欧米より早く収入源に直面しており、Radikoをはじめとした様々な対策が打たれて、その中で欧米のようにラジオを音楽発信の中心にして再び盛り上げようという動きは近年盛んになっている

最近隆盛が目覚ましいヒップホップ界隈では新たにヒップホップ専門のラジオ局ができ、

Zeebra局長率いる24時間ヒップホップ専門ラジオ局「WREP」開局
株式会社グローバル・ハーツは、Jヒップホップ界の立役者であるアーティストのZeebraとタッグを組み、日...

日本のネットレーベル最大手マルチネレコーズがWEGOと組んでみたりと新たな風がラジオに入って来ている。

マルチネラジオ始動!InterFM897にて「WEGO presents Maltine Radio」放送開始!
一見すると逆行している「ネットレーベル」と「ラジオ」の出会いはまさに、幅広いオリジナルアイテムと個性的なユーズドをMIXし“半歩先”の最新トレンドを提案するWEGOのコンセプトそのもの。若手クリエイターによる「創造の楽しみ」を発信

また、開始から12年になるが今では邦ロックを語る上でなくてはならない存在であるSchool of Lockも若者に根強い人気があり、

未来の鍵を握る学校 SCHOOL OF LOCK!
未来の鍵を握る学校「SCHOOL OF LOCK!」は毎週月曜日から金曜日夜10時から絶賛放送中!

以前オンガクテックでも紹介したライムスター宇多丸さんによるタマフルを始め、様々なコアな文化が形作られているのもラジオならではである。

(2017/6/1追記) 今「ダチーチーチー」が流行中!?今再評価されているバーナード・パーディーのドラミング
皆さん今話題の、「ダチーチーチー」と「バーナード・パーディー」、ご存知ですか? …

最後に

最近読んだラジオ関連の記事の中ではこれが一番納得のいく解説だった。ラジオはまだまだ面白いメディアでありつづけられると言う示唆だと思う。

いまなぜ女子高生がラジオにハマる?大人のなかの“オワコン”にこそ勝機あり | AdverTimes(アドタイ)
よく聞かれるんです。「椎木さんの肩書は?」って。でも「椎木里佳は椎木里佳です」って答えています。本当にやりたいことが多すぎて、一つの肩書でくくられるのにいつも違和感を覚えてしまうんです。

欧米に負けず劣らずこれからが楽しみになりそうなラジオの今、皆さんも聞いてみてはいかがだろうか。

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