昨日の記事を書いて
昨日アップしたこの記事を書いていて、僕が普段フォローしている音楽系のYoutubeチャンネルの多くがラジオをやっている会社のチャンネルだなとふと感じたので記事にしました。
前回の記事では、記事自体のコンテンツの選定でレーベル系のチャンネルはあえて省いたり意図的に選んでいる部分もあるが、だとしても「じゃあテレビ発信のコンテンツで音楽を追っている物があるか」と思うとまったくなく、実際の肌感としても圧倒的にラジオ発信のものが多い。だからといって日本のラジオを積極的に聞いているわけではない。
じゃあ洋楽はなぜこんなにラジオが強いのだろうか?
アメリカではすべての音楽はラジオからやってくる?
前回の記事でいうと、
KEXPはシアトルのコミュニティに愛されているFMラジオで圧倒的な存在感を放っているし、あのニルヴァーナをいち早くラジオで取り上げたのもKEXPと言われている。オルタナティブ・インデーィーロック界隈では名の通った存在だし、地元のコミュニティーの支援も多い。
Tiny Desk ConcertもJazz Night in Americaもアメリカの公共ラジオNPRが提供しており、一社で音楽全体の底上げを担っている感すらある。
いやいや公共放送だからただただコンテンツが強いんじゃない?とも思ったが、じゃあ日本でNHKがここまでやってくれるかと言われたらそんなことはないと思う。
以前アメリカを車で旅行したときにも感じたが、圧倒的にアメリカのラジオは音楽コンテンツが豊富。カントリー専門曲があったり黒人音楽専門局があったり、ハードロック専門局があったり局の個性を全面に押し出している。逆にヒットチャート専門局だって清々しいほどヒットチャートを流し続けていて、むしろこっちがノッてしまう程だ。
アメリカ人はラジオが好きと言われてはいるが、単純にコンテンツが充実してるからみんなが聞くという側面もあると思う。
http://newsphere.jp/culture/20170412-1/
イギリスにはBBC Radio1がある
via BBC
イギリスに目を向けても、前の記事で取り上げたジャイルス・ピーターソンは泣く子も黙るBBC Radio1(若者向けの音楽専門局)出身だ。海賊ラジオ(自分で勝手にラジオ局を作って電波を発信すること)をやっていたら本物のラジオ局に呼ばれるようになったという強烈な逸話もあるほどで、まさしくラジオから音楽シーンを作り出している張本人でもある。
彼の話の中で印象的だったのは、BBC Radio1を離れる時に言っていた「自分が良いと思う音楽だけをかけられる自由を与えてくれたRadio1には、本当に感謝をしている。」という言葉だ。イギリスやアメリカのラジオDJは日本よりもより「音楽の専門家」として扱われているということがこの言葉によく現れていると思う。
ラジオも変化する時代
ただ、欧米でそこまで支持を得ているラジオも、昨今のスマホ普及によって堅実ではなくなってきている。アメリカではミレニアル世代(この調査では15歳~19歳)は12%しかラジオを聞かないそうだ。(個人的には若者の9人に1人が聞いているという状況がすごいと思うが)
ラジオが人気のアメリカやイギリスでもデジタル世代のラジオ離れは進んでいる。
そんな中BBC Radio1はNetflix型のオンデマンド配信に活路を見出そうとしていたり、各社生き残りをかけてあの手この手を講じているのが現状だ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/jaykogami/20160923-00062505/
一方日本では
via BARKS
僕は日本ではラジオで音楽を聞かないとは言ったが、逆に今1番音楽が面白いのもラジオなのではないだろうかと思う。日本のラジオ局は欧米より早く収入源に直面しており、Radikoをはじめとした様々な対策が打たれて、その中で欧米のようにラジオを音楽発信の中心にして再び盛り上げようという動きは近年盛んになっている
最近隆盛が目覚ましいヒップホップ界隈では新たにヒップホップ専門のラジオ局ができ、
日本のネットレーベル最大手マルチネレコーズがWEGOと組んでみたりと新たな風がラジオに入って来ている。
また、開始から12年になるが今では邦ロックを語る上でなくてはならない存在であるSchool of Lockも若者に根強い人気があり、
以前オンガクテックでも紹介したライムスター宇多丸さんによるタマフルを始め、様々なコアな文化が形作られているのもラジオならではである。
最後に
最近読んだラジオ関連の記事の中ではこれが一番納得のいく解説だった。ラジオはまだまだ面白いメディアでありつづけられると言う示唆だと思う。
欧米に負けず劣らずこれからが楽しみになりそうなラジオの今、皆さんも聞いてみてはいかがだろうか。