2017-06-21

リベラルオタクから嫌われる理由

正確に言い直すと、「保守派リベラルの両方に表現規制派がいるのに、リベラルけがオタクから嫌われる理由である。 

  

結論最初に書くと、それはリベラルが"自由"を重んじる思想からである

従来は男だけが持っていた自由を、女にも与えましょう。女は結婚前にセックスを楽しんでよいし、好きな相手恋愛結婚をしてもよい。ファッションだって好きなものを選んでよい。この自由を拡大し、もっと確固たるものにしていきましょう。――これがリベラリズムの考え方だ。

そうやって普段から自由自由と言ってきた奴らが、「エロ漫画を楽しむ自由」を奪おうとしてきたら、そりゃ当然、オタクたちだってブチ切れるわwwと思う。

  

これに対して、保守派は、自由というもの価値を重んじていない。

現代保守派は、上述したくらいの権利女性に認めてはいる。しかし、それは既存社会慣習を承認したというだけのことであって、自由という観点からその権利積極的擁護するものではない。

から保守派から表現規制の声が出てきた場合オタクはそれに危機感を抱きこそすれ、「嘘つき野郎に裏切られた」という失望はない。そのため、保守派に対して怒りが爆発することもないのである

  

  

  

もうすこし詳しく見ていこう。

リベラルは、差別偏見を無くすために"理性"を用いる。人の感情はややもすると差別偏見に傾きやすものなので、感情より理性を優位に置くことで、その目的を達成しようとする。

  

こういう方針普段活動しているリベラルが、オタクへの差別偏見に加担しているとすれば、ほんとうに目も当てられない。

差別偏見には2種類あって、事実に基づかない悪評を立てることと、尊厳を傷つける罵倒を浴びせることである表現規制派の中には、この2つを兼ね備えている凶悪な者も多数いて、それはオタク側に強烈な反発を呼び起こしている。

  

一方、保守派はこの点においても有利である

なぜなら、彼らはリベラルと違って、理性を重んじていないからだ。彼らはそのかわりに、人の心に芽生える自然感情と、それによって作られてきた社会の慣習を重視する。したがって、差別偏見の撲滅にはどうしても関心が薄い。

もしこの保守派リベラルと同じくらいの方法オタクバッシングしたとしても、それは保守派普段姿勢とあまり矛盾していない。これはオタクから見て、リベラルほどには欺瞞的と思われずにすむのである

  

  

  

さいごに、「リムジンリベラル」に通じる問題をあげておく。

アメリカでは、リムジンに乗れるようなセレブたちが華々しい舞台リベラル思想を賛美している。ヒラリートランプ選挙戦でも、レディー・ガガヒラリー陣営応援に駆けつけていたことは記憶に新しい。

その光景を見た労働者たちは、いったい何を感じたであろうか? 言うまでもなく欺瞞を感じたはずだ。――"平等"を訴えている人間がなぜ大金持ちのセレブなのか、なぜ彼女たちはその資産放棄するつもりがないのか。労働者からこういう反発が出てくるのは当然といえる。

  

私が思うに、この視点は、オタクリベラルを敵視する理由についての分析にも適用できる。

今日では「リア充」「オタク」という対立項を設けることの有効性は揺らいでいるが、あえてこの構図で話してみよう。

リア充は、リベラル思想受益者であるリベラル思想禁欲的な性道徳を排して、女性主体的恋愛セックスを楽しむ権利擁護する。これによって利益を得るのがリア充の男女である

一方、オタク非モテであって、この点では受益者たりえない。オタクリア充嫉妬しながら、アニメなりエロ漫画オナニーにふけって日々を過ごす。

  

さて、このリア充リベラル思想にかぶれたあげく、「表現規制を推進するぞ」と主張しだしたら、オタクはそれをどう思うだろうか?

リア充自身享受してきた自由恋愛セックス自由)がいか正義にかなっているかいか人間的に豊かになれて素晴らしいものであるか、そのことをリベラル思想を使って堂々と力説してみせる。その一方で、オタク側の自由アニメなりエロ漫画オナニーする自由)を容認せず、それを不健全で汚らわしいだの正義に反するものだとして攻撃しているのだ。

これは猛反発を招くに決っている。

  

この点においても、やはり保守派は有利である保守派は、もしリベラルと同じ程度の自由恋愛セックスのあり方を容認するとしても、それをわざわざ言葉にして語らない。リベラルがそういうものを「自由」と位置づけ、それを擁護するため語りたがるのとは対照的だ。

ゆえに、保守派がいざ表現の自由の抑圧者として現れたときも、オタクからはあまりまれずにすむのである

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