社畜で家畜な日々に祝福を

ブラック企業での悲惨な日々を中心に記事を書いていきます。

別れさせる女リンゴの話し 最終話

みなさん、社畜してますか?

今回で、別れさせる女リンゴの話し 最終話となります。 アカバネ

 

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↑ 最初の記事から読んで頂ければ、更に楽しめると思います。

 

ターゲット(以降 鈴木さん)はカウンターに座ると「生ビールと枝豆」を頼み、おしぼりで顔や首の周りを丹念に拭いていました。

 

「アカバネ君、写真ヨロシクね」そう言い残してリンゴさんは、鈴木さんが座るカウンターの近くに、アカバネは鈴木さんが座るカウンター席の後ろに移動しました。

 

「焼き鳥盛り合わせとビール」と注文するリンゴさん「焼き鳥盛り合わせ」は女性が一人で食べるには量多くないか、と思っていると案の定お皿に山盛りの焼き鳥が運ばれてきました、どうするのか見ていると「どうしよう沢山来ちゃった」と独り言を大きめに言うりんごさん。

 

その後さりげなく鈴木さんの隣に移動し「あの~もし良かったら一緒に食べてもらえませんか?」とりんごさんは、ゴメンなさいのポーズで、鈴木さんに尋ねました。

 

鈴木さんは最初まわりを見回し、キョロキョロしていましたが、リンゴさんが声を掛けたのが自分だと分かり、おずおずと「わ、私ですか?」と応えました。

 

「はい、良かったら」

 

「い、いいんですか?」

 

「そのかわり~私の話し相手をしてもらえると、嬉しいんですけど」と小悪魔のように笑うリンゴさん。

 

「ええ、それはもう喜んで」

 

工場のラインのような美しい流れで、リンゴさんは鈴木さんの隣に座り、5分後には乾杯までしていました。

 

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何杯目かのビールを飲み終えたあとリンゴさんがおもむろに「私、高校野球が好きなんですよ~」と言いだし「何を隠そう、私も元高校球児なんですよ」と食い気味に鈴木さんが応えました。

 

「え~本当ですか?素敵、野球の話し聞きたい、聞きたい」とはしゃぐりんごさん、そこから先は、鈴木さんが勝手に喋りはじめました。

 

「高校3年の県大会準決勝で2打席連続でヒットを打った事」

 

 「奥さんとの愛が冷めている事」

 

「奥さんとセックスレスな事」

 

「15歳になる娘さんが、自分の事を嫌い、会話もほとんどない事」

 

「家に居場所がなくて息が詰まる事」

 

「家に帰りたくなくて、一人居酒屋に来ている事」

 

まるでダムが決壊したかのように語る鈴木さん 

 

リンゴさんは優しく相槌を打ちながら「鈴木さん、淋しいの?」と尋ねました。

 

俯きながら「淋しいです」と罪を告白するように吐き出す鈴木さん

 

「私でよければ、いいよ」と鈴木さんの手を優しく握るリンゴさん

 

アカバネはドキドキしながら、ボールペン型のカメラで二人の写真を撮り続けました。

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鈴木さんはリンゴさんの会計まで一緒に済ませると二人で店を出ました、リンゴさんは鈴木さんと腕を組み、二人はどこから見ても恋人同士にしか見えませんでした。

 

少ししてアカバネの携帯に、リンゴさんからショートメールが届きました

 

文面は「C」

 

プラン「C」で決定しました。

 

 

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リンゴさんとの事前打ち合わせで、プランABCを決めてありました。

 

プラン 

ターゲットが用心深く、時間がかかると判断した場合

その日は連絡先の交換に留め、相手からの連絡を待つ

 

プラン 

ターゲットがやや用心深く、少し時間がかかると判断した場合

雰囲気の良いバーに店をかえて飲みなおす

 

プラン 

ターゲットの篭絡完了、このままホテルに直行

 

一番下の格安プランで、鈴木さんは篭絡されてしまいました、、、  

 

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アカバネはリンゴさんから教えてもらった、相手にバレない隠し撮りポイントに先回りし、一眼レフカメラを構えて二人が来るのを待ちました。

 

しばらくすると二人の姿が目視で確認でき、アカバネはカメラのシャッターを切りました。

 

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腕を組んだ二人は、躊躇する事なくホテルの中に入っていきました。

 

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二人がホテルに入って2時間後、アカバネの携帯にリンゴさんからショートメールが届きました。

 

「そろそろ出るよ」その文面を読み緊張が走ります。

 

アカバネは、一眼レフカメラを構えホテルの入り口を見つめます。

 

5分後二人が出てきました。

 

アカバネは無心でシャッターを切りました。

 

二人はホテルを出てすぐにキスをはじめました、貪るような、舐るような、濃厚な大人のキス、激しく抱き合い何度も何度も唇を重ねていました。

 

アカバネは自分の下半身が熱くなるのを感じながら、シャッターを切り続けました。

 

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その後、鈴木さんはリンゴさんに狂ってしまいました。

 

何度も何度も「会いたい」とリンゴさんの携帯にメールが届き

 

リンゴさんはわざと焦らした返事を返し、焦らして、焦らして、ようやく会えた日には必ず濃密な夜を過ごし、その全てをアカバネはファインダー越しに見ていました。

 

リンゴさんと会いだして3回目になる頃には「妻とは別れる」「娘はどうせ妻について行く」「私と結婚して欲しい」「ずっと私と一緒にいて欲しい」と縋るようにりんごさんに言っていました、その会話の全てをりんごさんは録音していました。

 

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依頼完了に必要な写真と録音したテープが揃い、アカバネとりんごさんは仕事完了の祝杯を二人であげました。

 

店を出てアカバネはりんごさんを車に乗せ、りんごさんの自宅に向けて車を走らました。

 

りんごさんのマンションに到着し

 

「今日はお疲れ様でした、明日もお昼頃迎えに来ます」とリンゴさんに伝えました。

 

「アカバネ君、今日で仕事は全部おしまい、明日からはもう来なくていいよ」

 

「そ、、、そうなんですね、淋しくなります」

 

「アカバネ君のおかげで、いい写真が撮れたよありがとう」

 

「こちらこそ、色々教えて頂きありがとうございます」

 

「もう会う事もないと思うけど、元気でね」

 

「また、次の仕事も呼んで下さい」

 

「わたし同じ人とは、二度と仕事しない主義なの」

 

「・・・」

 

「そんな顔しないの」

 

りんごさんは、アカバネの頬に優しくキスをしてくれました。

 

「この仕事に深入りしない方がいい」

 

「・・・」 

 

「サヨナラ」

 

そう言い残し、りんごさんはマンションの中に消えて行きました。

 

アカバネの心に消えない切なさを残して

 

、、、

、、

 

「サヨナラ、りんごさん」

 

 

おわり

 

 

エンディングテーマです。


【AIR】 鳥の詩 【高音質】

 

アカバネ

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