実は『マラ8』は、彼の録音を最初に好んで聴いていた。
オルガンが良く聞こえるのだ。
最初のEsの和音がオルガンで壮麗に聞こえない演奏は、それだけでダメ。
(そういう意味でも先日のヤマカズさんは良かった!)

でも『ハルヒ』で使ったのはラトル。なんでだったっけ?
確か使う箇所が、ショルティではあまり盛り上がらなかったのよね。
あと尺?


まぁなんでもかんでも力づく、の指揮者。
それはそれで面白かった。
シカゴ響の超重量ブラス軍団を育て上げたのは彼だ。

アンサンブルにもうるさかったから、どれも聴きやすかったのは確か。

でもなんか、音にコクがないというのか、少なくともエモーショナルな演奏ではなかった。
パサパサして、無機的なのだ。

VPOとの有名な『指輪』のリハーサルがメイキングとして残ってるが、なんかもう、指揮も音も大暴れ。
何にもしてないよりははるかにマシなんだけどさ、もう少し丁寧に扱ってよという。


こんな彼の演奏ですら、今思えば個性的だったんだなぁ、と懐かしく思うくらい、今のクラシック界はダメ。
もう、出涸らししかいない。いやいるにはいるんだけどさ。
オッサンクラオタとしては、ちょっと心配。