ブリュッセル中央駅で自爆攻撃未遂か 現場で射殺
ベルギーの捜査当局は20日、首都ブリュッセルの中央駅で自爆攻撃を試みた男を射殺したと発表した。テロ攻撃として捜査している。負傷者はいないもよう。
検察によると、男は駅の構内で小規模の爆発を起こした後に撃たれ、後に死亡したという。
ベルギー紙「ラ・リーブル・ベルジーク」が検察官の話として伝えたところによると、男はリュックサックを背負い、爆弾ベルトを身に着けていた。駅構内の兵士たちに気づかれ、起爆させたという。
構内で働くニコラス・ファン・ヘレウェーゲンさんは、人の叫び声が聞こえたため駅の中二階に降りていくと、現場を目撃したとAFP通信に話した。
「男は『アッラーフ・アクバル』と叫んでから、キャスター付きのスーツケースを爆発させた」とファン・ヘレウェーゲンさんは話している。
「爆発した時、私は壁の裏にいた。下に降りて行って同僚たちに、全員を避難させるよう伝えた。(容疑者は)まだその場にいたが、その後は見えなくなった」
「それほど大きい爆発ではなかったが、衝撃はかなり大きかった。みんな走って逃げていた」
ファン・ヘーレウェーゲンさんは容疑者について、がっしりした体格で日焼けした肌、短髪で、白いシャツとジーンズを身に着けていたと話した。
「電線が出ているのが見えたので、何かを装着しているのが分かった。自爆チョッキだったかもしれない」
商店はシャッターを下し
電車を待っていた弁護士のレミー・ボナッフさん(23)は、爆発直後の現場を撮影した。ロイター通信に対して、近くにいた人たちにけがはない様子で、近くの壁にも損傷は見て取れなかったと話した。
「誰もけがした人はいなかったし、これは要するに未遂事件だったようで、うれしい」とボナッフさんは話した。
爆発直後に駅に着いたアラシュ・アーザミさんはBBCに対して、「駅に入ったとたん、警備員に大声で避難するよう言われた。周りを見ると、通りを走って隠れようとする人たちが見えたので、自分たちもそうすることにした」と話した。
地元ラジオ局によると、中央駅と近くの広場「グランプラス」に避難命令が出され、商店やレストランは店を閉めてシャッターを下すよう指示されたという。
中央駅を通過する地下鉄も、警察の指示で一時的に運行を停止した。
ブリュッセルでは昨年3月、過激派勢力の「イスラム国」(IS)によるとされる空港と地下鉄駅での連続攻撃で、32人が死亡した。ブリュッセル襲撃の実行グループは、130人が死亡した2015年11月のパリ連続襲撃にも関わっていたとされている。
パリでは中心部の繁華街シャンゼリゼ通りで19日、乗用車が憲兵隊の車両に突っ込み炎上し、運転していた男は死亡した。車内からはカラシニコフ銃や拳銃、ガス缶が発見されている。
ロンドンでは19日未明、北部のイスラム教施設の前で白人男性が車で歩行者の中に突入し、1人が死亡、9人が負傷した。英国ではこれに先立ち、5月にマンチェスターのコンサート会場で自爆攻撃があり約140人が死傷、今月3日にはロンドン橋周辺でワゴン車と刃物を使った無差別攻撃が起きている。
(英語記事 Suspected suicide bomber shot at Brussels railway station)