加藤九段のエネルギー、他の棋士を圧倒 京都の元弟弟子
将棋一筋の人生を戦い抜いた加藤一二三・九段(77)が20日、燃え尽きたかのように現役生活に別れを告げた。加藤九段は、京都府木津町(現木津川市)在住だった故南口繁一九段に才能を見いだされ、中学時代から内弟子として修業。14歳で当時史上最年少でプロデビューすると「神武以来の天才」ともてはやされた。
当時、弟弟子として同居していた指導棋士の中尾修七段(76)=京都市中京区=は「将棋の実力は私と雲泥の差。対局した記憶がなく、碁を教えてもらった。高校を出て東京に進出するまで、京都や大阪の将棋ファンから稽古で引っ張りだこだった。将棋に注ぐエネルギーも、他のプロ棋士を圧倒していた。だからこそ長年、第一線でやってこられたと思う」と話した。
加藤九段の母校、木津高(木津川市)の北村元秀校長は「在学中に既に著名な棋士だったと聞いており、今の藤井聡太四段のような感じだったのかと想像している。地元の誇りで、長い間お疲れさまでしたとお伝えしたい」とたたえた。
【 2017年06月21日 08時54分 】