こんにちは、phaです。
小さい頃からとにかくじっと座っているのが苦手だった。
学校に通っていた頃も、勉強自体は嫌いじゃなかったのだけど、じっと座って授業を聞くということが本当にできなかった。
だから、授業中はいつも授業以外のこと、例えばノートや教科書に落書きをするとか、本を机の下に隠して読むとか、机に顔を突っ伏して寝るとか、授業の内容と関係ない箇所を独学で勉強するとか、そんなことばかりやってなんとか授業という苦痛な時間をやり過ごしていた。
大人になると授業を受けなくてよいのでよかったのだけど、それでも社会の中で生きていると、じっと座っていなければいけないシチュエーションはまだまだたくさんある。
例えば冠婚葬祭などの式典は大の苦手だ。内容がつまらない上に、拘束着のように窮屈なスーツやネクタイや革靴を身に着けたままずっと座っていなければいけない。途中で寝転ぶとすごく怒られる。社会というのはただじっとしていることが一人前の証明なようなところがあると思う。
あと、居酒屋などでの飲み会も苦手だ。4人がけのテーブルに4人で座ると窮屈で動けない感じになってしまうのがつらい。
これがただの食事だったら数十分で終わるからまだいいんだけど、飲み会となるとみんな飽きもせず数時間も同じポジションで座り続ける。なんでみんな平気な顔であれができるんだろう。いきなり腕を振り回したり、テーブルを手のひらで叩きまくったり、「あばばばば」って叫んだりしたくならないんだろうか。
仕方ないから僕は、頻繁にトイレに立ったり、「あっ」と言って電話がかかってきたふりをして外に出て、そのまま近所を15分くらい散歩してから「ちょっとあれでね」と言い訳をしたりして席に戻ることをよくしている。飲み会を抜け出して吸う外の空気はとても美味しい。
そもそもお酒がそれほど得意じゃないし、にぎやかな環境に弱いというのもあって、外でやる飲み会はあまり行かないようになった。誰かの家で飲むのならまだマシなのだけど、それは途中で寝転んだり、本を読んだりできるからだ。
そんな感じで「じっと座っていなければいけないシチュエーション」というのが苦手な僕が、それでもじっとしなければいけないときに精神の助けとして使っているのが「手遊び」だ。
テーブルの上で、もしくはテーブルの下で隠れて、手で何かをひたすらいじりまわしてると少しだけ精神が落ち着く。
例えば、飲食店などでは箸袋をひたすら折る。
割り箸が入っている紙の袋。こういうのを
こんなふうに折ってみたり
結んでみたり
細かく折って波型にしたり
細長くして波型にしたり
星状にしたりする。
わりとみんなやることなのではないかと思うのだけど。
あと、ストローの袋とかも好きだ。
ひたすら巻いたりする。
巻いたものを引き出して円錐状にしたりするのも楽しい。
こんなことをやって遊んでいるうちに、箸袋やストロー袋では飽き足りなくなってきて、手でいじり回すためだけの物をわざわざ買って集めるようになってしまった。
1.nanodots(ナノドッツ)
例えばこれがお気に入りです。nanodots(ナノドッツ)。
この直径5ミリの金属球は、一つ一つが磁石になっていて、くっつき合っていろんな形を作れるようになっているのだ。
5×5×5の立方体が基本形だけど、つぶすとぐちゃっとした塊になる。
棒状にもなる。
つなぎ直すと円筒や輪などいろんな形を作れる。
ブロック遊びのようにいろんな形を作るのが遊び方の王道のようなのだけど、僕はただひたすら手の中でぐちゃぐちゃこねくり回しているのが好きです。
こんなふうに。
こういうのをぐちゃぐちゃやっていると精神が楽になるのは一体何なんだろうか。
ずっと触ってると手がちょっと金属臭くなります。
2.カオマル
これはカオマルというものです。
どうやって使うかというと、ひたすら手でぐにゃぐにゃする以外に使い道がない。
一見ベタベタしているように見えるかもしれないけれど、なんか粉がまぶしてあってサラサラして触り心地がよい。ベタベタし始めたら水洗いして、乾いてからベビーパウダーかカタクリ粉をまぶすとよいらしい。
3.Oball(オーボール)
これはOball(オーボール)というものです。
0才児から使えるおもちゃとして有名ですが、大人だってこれを使うことができる。
0才児が使っても安全なので、大人が使っても安全です。
これもひたすらぐにゅぐにゅします。

オーボールのよいところは、軽いので投げても部屋の中の物が壊れないし、そのくせすごく丈夫だし、その上で口の中に入れても安全な素材でできているところだ。赤ちゃん向けおもちゃの性能はすごい。
手でぐにゅぐにゅするだけでは治まらないくらい精神がささくれ立ってているときは、投げたり噛んだりするといい。思いっきり噛み続けてよだれをたくさん出すとなんか少し気分が楽になる。
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何かとストレスが溜まりがちなこの世の中ですが、こういった現代的な技術で作られた知能を必要としない玩具をもてあそびながら、なんとかやっていきましょう。
著者:pha (id:pha)
できるだけ働かずに毎日寝て暮らしたい38歳。京都大学総合人間学部卒業。著書に『ニートの歩き方』(技術評論社)、『持たない幸福論』(幻冬舎)、『しないことリスト』(大和書房)、『ひきこもらない』(幻冬舎)がある。
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