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Segwit2xが進展しようと、UASFは決死の覚悟で8月を迎える。

BitmainによるUAHF計画の後、中国のマイナーグループはBitcoin Roundtableを開催し、ニューヨーク協定(NYA)にグループ全体として合意すると発表した。参加者は中国に本拠を置くマイニングファーム、取引所の14社だ。

会合に参加したメンバーは、全会一致でニューヨーク協定に合意(中国協定)。6月19日(月)よりニューヨーク協定への合意を示す「NYA」をコインベース・トランザクションに含めることで、支持を表明する。直近では75%超のブロックにおいて本協定のサポートを示すシグナル「NYA」が発信されており、残すBTCC Poolが参加すると、本協定は一旦のゴールラインである80%超の支持率に到達することとなる。

ニューヨーク協定で支持するSegwit2x案は、ビットコインにSegregated Witness(Segwit)を導入した後、ブロックサイズを2倍の2MBに拡張するハードフォークを実行する計画だ。計画ファーストで実装は後から、という思想で進められている点には疑惑が残るが、先週には、Segwitのアクティベーション閾値をマイナーの支持率95%から80%に下げる提案「BIP91」を採用し、近々コードにマージする予定であることなど、徐々ではあるものの進展は見せている。BIP91は、336ブロックのうち269ブロックがBIP91の支持を示していればロックイン期間に入る仕様で、その後336ブロック経過することで、Segwitの閾値が80%に引き下がる。

中国協定は、7月31日までにSegwit2xクライアントをリリースすることを目標に動くと宣言しており、クライアントのテストに対する意欲も伺える。8月1日のアクティベートが予定されている「UASF」により、ブロックチェーンが分岐してしまうことを防ぐためだ。7月中にSegwitのアクティベーションが決定するか、ビットコイン・クライアントがSegwit2xクライアントを通じてSegwitシグナルを発信すれば、ブロックチェーンの分岐は発生しない。つまり、UASFフォークのリスクが失われる。

例えば、アンチ・ピュアSegwit派の急先鋒、Bitmain CEOであるJihan Wuは、声明の中で「Segwit2xが7月中に配布されるのであれば、できる限りサポートする」と明言している。

UASFが実行されると、ビットコインは未曾有の分岐(解説記事)に見舞われ、「ブロックチェーンがフォークした」という消せない汚点を残すことになる。世界最大のトラストレス・トラスト・ネットワークの信頼が、地に落ちる。そう考えると、ビットコイン・ネットワーク上で最も経済原理に忠実で合理的なマイナーが「UASFを避けるために最大限の努力を行う」のは当然のことだと言えよう。

UASFを止められないのならば、それまでに問題を解決しなくてはならない。

その意味で、ニューヨーク協定及びSegwit2xが進展することは、全体にとって利益のあることだ。しかし、その後にはブロックサイズの拡大が待っていることも考慮しなくてはならないだろう。合意された協定では、ほんの6ヶ月の猶予しかないのにもかかわらず、Bitmainは、あからさまにBitcoin Unlimitedを利用することを示唆しているし、別の手段にしても、BIP101やBIP102を用いるのかも、何も決まっていないのだ。

現状において、Segwit2xはコア開発者の支持を得ることに成功していない

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この記事を書いた人

ざきやま(山崎大輔)
ざきやま(山崎大輔)from Cryptocurrency world
ビットコイン専門記者 BTCN編集長
ブロックチェインの可能性を、知的財産の保護やゲーミングカルチャーへ応用できないかと考えてます。
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