フリーランスという”生き方”の理解に役立つ本【オススメ9冊】
手段の目的化は避けるべき。
フリーランスという言葉が独り歩きしているけど、フリーランスは目指すものではありません。
あなたがプログラマーだとして、『自分の価値を最大化する”手段”としてフリーランスという選択肢を”使う”』のはあり。しかし、『フリーランスを”目指す”ためにプログラミングを”学ぶ”』のは間違い。
正しくは、『自由な生活を”目指す”ためにプログラミングを”学ぶ”』じゃないですか?
フリーランスは手段である。アメリカでマイクロ法人が多い理由は、訴訟が多いから
マイクロ法人≒フリーランスです。マイクロ法人として登記すると法人格が手に入る。訴訟社会のアメリカではいつ訴えられるかわからない。しかし、法人格があれば訴えられたときに有限責任で回避できるわけです(※詳しくは貧乏はお金持ちの項を参照)。
前置きはこれくらいにしましょう。
9冊厳選しましたので、ぜひご覧ください。
スポンサードサーチ
お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ
フリーランス、起業に関わらずの必読本。
マイクロ法人(≒フリーランス)のメリットがよく分かる。
個人が公的金融機関の低利融資を利用できる機会は住宅ローンや教育ローンなどに限られますが、法人になったとたんに融資の機会は一挙に広がり、融資金利も下がります。もはや説明する必要もないと思いますが、ここにも莫大な税金が投入され、〝黄金の羽根〟がばら撒かれています。
以下は、私が申請した東京都内某区の創業支援融資斡旋制度の概要です(データは2002年当時のものです。融資の仕組みはいまでも変わりません)。
・融資金利:年0・4%
・融資の上限:1000万円(運転資金のみは600万円)
・返済期間:7年
・融資条件:開業後1年未満(創業前を含む)。同一企業に3年以上勤務し、同一事業で開業すること
・融資は、自治体が指定する地域内の金融機関から行なわれる(金融機関の融資金利は年2・2%)
・融資にあたっては、東京都信用保証協会の保証が条件になるこれを簡単に説明すると、区内に法人登記しただけで、まだ事業を始めてもいない、なんの実績もない(どこの馬の骨かもわからない)人間に無担保で1000万円貸してくれる、という制度です。おまけに融資金利は年0・4%ですから、1000万円に対して1年間に支払う利息はわずか4万円です。民間の金融機関と比較すれば、途方もなく恵まれた条件、というほかありません。
世の中って全然完璧じゃないですよね。日本人はルールを守るけど、結局はルールを作る側やルールをうまく利用する人が得をするわけですね。
貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する
アメリカでフリーエージェント(≒マイクロ法人)が多い理由、それは訴訟が多いから。
アメリカでは全就業者数の四分の一、約三三〇〇万人のフリーエージェントがいるという。
会社をつくることによって、個人とは異なるもうひとつの人格(法人格)が手に入る。訴訟社会のアメリカでは、いつ巨額の賠償責任を問われるかわからない。もし訴訟に負ければ、無限責任の個人事業主はなにもかも失ったうえに、死ぬまで借金を払いつづけなければならない。ところが契約主体が法人(有限責任会社)であれば、株主の責任は出資金のみに限定される。仮に何億ドルもの損害賠償を請求されたとしても、会社の全資産を売り払って倒産すればそれで終わりだ。
こないだアメリカのロサンゼルスに行ってきたのですが、アメリカに移住している台湾人も同じことを言っていました。その方は娘をインターナショナルスクールに入れているようですが、娘が理不尽な扱いを受けたらすぐに訴えるとのこと。自己防衛のための、マイクロ法人というわけですね。
ちなみに、1冊目と2冊目は著者が同じで、橘玲(タチバナアキラ)さんです。この方の本はすべて必読といっても過言じゃないくらい有益です。
» 橘 玲:作品一覧、著者略歴 – Amazon
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
とりわけ優秀な人材は次第に出身国を飛び出し、自分と同じような考え方と専門技能・能力の持ち主が集まっていて、豊かな生活を期待できそうな土地に移り住むようになる。
最近のデジタルノマドはまさにこの現象です。なぜ、タイのド田舎であるチェンマイに世界中のフリーランスが集まるのか?にも書きましたが、今後はこの流れが加速するはず。
世界のさまざまな地域に貧困層が出現する。現在、経済発展から取り残されている貧困層は、サハラ砂漠以南のアフリカなど一部の地域に集中しているが、グローバル化が進み、世界がますます一体化すれば、先進国も含めて世界中のあらゆる地域に貧困層が出現する。グローバルな市場で求められる高度な専門技能をもたず、そうかといって、高齢化が進む都市住民向けサービスのニーズにこたえる技能と意思もない人たちが、グローバルな下層階級になる。
一方で、グローバル下級階層も出現する。本書では、中間層がいなくなることも書かれていますが、大雑把にいうと、現在年収300万円以下の人の収入は下がり続け、年収1,000万の人の収入は増え続けるといった構図。恐ろしい。
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
ワーク・シフトに似ている内容です。ワーク・シフトをより噛み砕いて、コンパクトにした感じ。
ITの進化は、これまで圧倒的な力をもっていた国や大企業などの大きな組織から、今まではそれらに従属するしかなかった個人や、個人が集まっただけのネットワークへ、パワーシフトを起こしています。
ブログでお馴染みのちきりんですが、文章がとても読みやすい。読書が苦手な人はちきりん本を中心に読み進めるのもあり。
» 関連:【読書習慣を作る5箇条】22歳まで本を読まなかった僕が解説します。
7つの制約にしばられない生き方
こちらもワーク・シフトに似ている内容です。
将来的には「ご職業は?」という質問が意味をなさない時代がやってくるでしょう。
「生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。何をやるにしろ、その道で卓越していることを目指す。仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ」
著者の本田直之さんは、ハワイ、東京に拠点を構え、年の半分をハワイ、3ヶ月を日本、2ヶ月をヨーロッパ、1ヶ月をオセアニア・アジア等の国を旅しながら、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送るとのこと。本の内容も有益ですが、著者自身の生き方にも共感できる一冊です。
ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法
人生の本質を考えるキッカケになる本。
「お金を払うより、お金を稼ぐほうが学べるし成長できる」というのは一般的な法則です。
「学びたければ金を稼げ、金を払っている場合じゃない」ってことなのです。
学びたければ金を稼げってまさにその通り。でも、これを言っちゃうと商売が成り立たなくなる場合が多いので、声高には叫ばれていないですね。目指すものがあるなら、まずはその環境に飛び込んで見る。これが一番の近道です。
HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか
起業は辛い。
私はこの言葉こそ起業家にとって、もっとも役立つ教えだと思う。
世の中には”成功”を扱う本が多いですが、HARD THINGSは起業の辛さが生生しく描かれています。結果としては成功している著者ですが、そこに行き着くまでの道のりは、苦難だらけ…。
以前に僕が起業した際にも、似た悩みを抱えていた時期がありました。これを読んでもチャレンジできる人は起業に向いているといえるでしょう。一方で、これはちょっとシンドすぎるって方は、フリーランス向きかなと。
深夜特急
これから毎日、朝起きれば、さてこれからどうしよう、と考えて決めることができるのだ。それだけでも旅に出てきた甲斐があるように思えた。
「フリーランスに向いている人は?」と聞かれたら、「人と違ってもいいから、楽しく生きていきたい人」と答えます。
深夜特急は旅の本ですが、フリーランスとは旅のようなもの。だれも方向性を教えてくれないので、全部自分で決めるしかありません。旅好きは自由人。自由人はフリーランスに向いているといえるでしょう。
以上、フリーランスという生き方を理解するために読んでおくべき本をまとめました。気になる一冊があれば、ぜひ手にとって見てください。